ダイアモンズ・アンド・パールズ・スーパー・デラックス・エディション
Released:2023/10/26 | Label: Warner Records, Legacy Recordings, NPG Records
アルバム・レビュー
「Purple Rain」、「1999」、「Sign O' The Times」とこれまで80年代にスポットを当てた作品が続きましたが、第4弾は90年代を代表する「Diamonds And Perls」。
リマスターは今回もバーニー・グランドマン(Bernie Grundman)が担当。新たな試みとして通常音源とは別にDolby ATMOS仕様もリリースされました。
Diamonds and Pearls ATMOS
warnermusicjapan.lnk.to
参考『Diamonds And Pearls Super Deluxe Edition』の本編音源がDolby ATMOS仕様で先行配信(Blu-ray盤は12月1日)
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プレーヤーやスピーカー(ヘッドフォン)など環境を整える必要がありますが包み込まれるようなサウンドは新たな驚きがあります。
Disc 1: Original Album (Remastered)
Track List
- Thunder (5:45)
- Daddy Pop (5:16)
- Diamonds And Pearls (4:43)
- Cream (4:12)
- Strollin’ (3:46)
- Willing And Able (4:59)
- Gett Off (4:31)
- Walk Don’t Walk (3:07)
- Jughead (4:56)
- Money Don’t Matter 2 Night (4:46)
- Push (5:52)
- Insatiable (6:39)
- Live 4 Love (6:59)
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince
Written
- Prince
- Prince, Tony M., Levi Seacer, Jr. (6)
- Prince, Kirk Johnson, Tony M. (9)
- Prince, Rosie Gaines (11)
- Prince, Tony M. (13)
Member
- Rosie Gaines (keyboards and vocal)
- Levi Seacer, Jr. (bass,rhythm guitar)
- Sonny T. (bass guitar)
- Tommy Barbarella (keyboards, Purpleaxxe)
- Michael B. (drums)
- Tony M. (rap)
- Damon Dickson (background vocals)
- Kirk Johnson (background vocals)
Aditional Musician
- Sheila E. (drum) (3)
- Eric Leeds (flute) (7)
- Clare Fischer (orchestration) (11)
- Elisa Fiorillo (vocals) (2,8)
- The Steels (Fred,JD,Jearlyn,Janice,Jevetta Steele) (background vocals) (6)
Sampled
- "Rock Steady" by Aretha Franklin (2)
- "You Got to Have a Mother for Me" by James Brown (1969) (7)
- "Mother Popcorn" by James Brown ('69) (7)
- "Celebrate the Good Things" by Pleasure ('78) (7)
- "Feel Good, Party Time" by J.R. Funk and the Love Machine (80) (7)
- "Sing a Simple Song" by Sly & the Family Stone ('68) (8)
- "The Boomin' System" by LL Cool J ('90) (8)
オリジナルについては下記をご覧ください。
参考Diamonds & Pearls / ダイアモンズ&パールズ ('91)
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Disc 2 - SINGLE MIXES & EDITS (REMASTERED)
Track List
- Gett Off (Damn Near 10 Min.) (9:36)
- Gett Off (Houstyle) (8:25)
- Violet The Organ Grinder (5:06)
- Gangster Glam (6:09)
- Horny Pony (4:19)
- Cream (N.P.G. Mix) (5:46)
- Things Have Gotta Change (Tony M. Rap) (3:59)
- Do Your Dance (KC’s Remix) (6:01)
- Insatiable (Edit) (4:03)
- Diamonds And Pearls (Edit) (4:22)
- Money Don’t Matter 2 Night (Edit) (4:16)
- Call The Law (4:21)
- Willing And Able (Edit) (4:17)
- Willing And Able (Video Version) (5:09)
- Thunder (DJ Fade) (3:24)
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince
レビュー
「Gett Off」のプロモ盤に収録された「Gett Off (Damn Near 10 Min.)」をはじめ、シングル曲15曲を収録。
シングル別に分けると以下の通り。
- 「Gett Off」プロモーション盤 (1)
- 「Gett Off」シングル (2, 3, 4, 5)
- 「Cream」シングル (5, 6, 7, 8)
- 「Insatiable」シングル (9)
- 「Diamonds And Pearls」シングル (10)
- 「Money Don’t Matter 2 Night」シングル (11, 12)
- 「Willing And Able」プロモーション盤 (13)
- 「Thunder」プロモーション盤 (15)
このうち2,3,4,6,7,8は1991年12月21日に日本独自企画でリリースされた「Gett Off Remix EP」に収録されています。
参考Gett Off Remix EP / ゲット・オフ・リミックス・EP ('91)
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これまでアナログ盤でしかリリースされていなかった"Gett Off (Damn Near 10 Min.)"や、2001年に開設されたプリンスの公式サイト〈npg music club〉でのみデジタル配信された”Willing And Able (Edit)”がリリースされたのは貴重。
またミュージック・ビデオで使用された”Willing And Able (Video Version)”もライブ感が味わえるテイクだっただけに嬉しい選曲です。
ちなみに”Gett Off (Damn Near 10 Min.)”は2023年11月24日に開催される〈RSDブラックフライデー〉で「Gett Off」のプロモーション盤が7000枚限定で再販されます。
参考2023年11月に開催される〈RSD BLACK FRIDAY〉で「Gett Off」のプロモーション盤がリリース
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Disc 3 - VAULT I
Track List
- Schoolyard (7:11)
- My Tender Heart (5:07) *
- Pain (5:58) *
- Streetwalker (4:48)
- Lauriann (4:15)
- Darkside (5:34)
- Insatiable (Early Mix - Full Version) (8:02)
- Glam Slam ’91 (6:16)
- Live 4 Love (Early Version) (7:33)
- Cream (Take 2) (4:50)
- Skip To My You My Darling (3:57)
- Diamonds And Pearls (Long Version) (5:33)
*は提供曲
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince
Written
- Prince
- Rosie Gaines and Prince (2, 4)
- Prince and D. Channsin Berry (3)
- Prince, Levi Seacer, Jr. (11)
Aditional Musician
- Rosie Gaines (back vocals) (1, 2) (keyboards) (2) (co-lead vocals) (12)
- Dr. Fink (keyboards) (2, 3, 4)
- Michael B. (drums) (2-6, 9, 10, 12)
- Levi Seacer, Jr. (bass guitar) (2-6, 10, 12) (keyboards, guitar and drum programming) (11)
- Miko Weaver (guitar) (5)
- Eric Leeds (saxophone) (sampled from "Twelve") (8)
- Candy Dulfer (saxophone) (sampled from "Love
- Machine") (8)
- Elisa Fiorillo (vocals) (sampled from "Love Machine") (8)
- Sonny T. (bass guitar) (9, 10, 12)
- Tommy Barbarella (keyboards) (9, 10, 12)
- Ricky Peterson (keyboards) (11)
- St. Paul Peterson (bass guitar, guitar) (11)
- Sheila E. (synth drum fills) (12)
- Michael Koppelman - guitar (12)
『D&P』の収録曲から惜しくも外された「Schoolyard」を始め、ロージー・ゲインズやジェヴェッタ・スティールに提供した楽曲のプリンス・ヴォーカル・バージョンなどが収録。
Schoolyard
1990年7月2日、ロンドンで開催されていた〈Nude Tour〉の合間にオリンピック・スタジオで収録された音源をもとに同年11月25日にペイズリー・パークにてマイケル・コッペルマンとティム・ペンによってミキシングされたバージョン。(12月13日にエリック・リーズのサックスがオーバーダブされたと言われています)
ちなみに「Diamonds And Pearls」は完成までに5回手直し(1990/11/27、1990/12、1991/2/2、1991/3/1、1991/5/8)されていて”Schoolyard”は3度目の選曲で落とされました。
My Tender Heart
1990年7月6日、ロンドン公演後の休暇を利用して盟友のドクター・フィンクをロンドンに呼び寄せるとメトロポリス・スタジオで"Pain"、"Streetwalker"の3曲をレコーディング。(この他"Daddy Pop"のミキシングも行った)
歌詞はロージーと夫のフランシス・ジュールズ(Francis Jules)が書いた”My Tender Love”をベースにプリンスが手を加え完成したもので、今回はプリンスがヴォーカルを録音した初期バージョンが収録されました。
同曲は1992年リッキー・ピーターソンが追加レコーディングを行いロージーのソロ・プロジェクト「Concrete Jungle」に収録する予定でしたがお蔵入り。プリンスの元を離れ1995年にモータウンからリリースした「Closer Than Close」に収録されました。
Pain
ロージーのソロ・アルバムを制作す為にD.チャンシン・ベリー(D. Channsin Berry)が"Joy And Pain"というタイトルで書いたもので、1990年にソロ・アルバムを制作する際に原曲を持ち込んだ際プリンスの手により"Pain"に生まれ変わったもので、今回収録されたのは1992年1月7日にプリンスがリード・ヴォーカルを努めた再録バージョン。
前述同様「Concrete Jungle」に収録される予定でしたが企画が頓挫し、ロージーはプリンスの元を離れます。
残された楽曲はプリンスのストック曲として保管され、1997年にチャカ・カーンの手に渡り『Living Single』のサントラに収録。ロージーのヴォーカル・バージョンは、2016年5月17日にシングルとしてリリースされました。
ちなみにロージーのバージョンではアトランタ・ブリスがトランペットを担当していますが、D.チャンシン・ベリーによればマイルス・デイヴィスが参加したと投稿していたので期待したのですが収録されませんでした。
@rolandsmartin Prince did a cut with Rosie Gaines and Miles Davis on Trumpet Solo...called "PAIN." Chaka Khan recorded it for tv soundtrack
— D.Channsin Berry (@DChannsinBerry) May 27, 2013
Streetwalker
1989年にロージーが書いた歌詞を元にプリンスと共作したもので、今回収録されたのは1993年1月13日にペイズリー・パーク・スタジオでミックスされたテイク。
"Purple Music"に通じる疾走感のある楽曲ですが『Concrete Jungle』のコンセプトと合わなかったのか早い段階(ロージーのヴォーカルを録音する前)で収録予定から外されました。
Lauriann
1990年9月3日〈Nude Tour〉で訪れていた日本のワーナー・パイオニア・スタジオで制作された1曲で、収録されたのは1990年9月18日にペイズリー・パークでミキシングされたもの。
同曲は1992年12月30日にペイズリー・パークで再録される際、歌詞を大幅に変更し"Laurianne"といタイトルも変更。こちらは未発表のままです。
Darkside
”Lauriann”の翌日に同じく日本のワーナー・パイオニア・スタジオでマイケル・Bとリーヴァイの3人で収録したインストゥルメンタル曲。
この日は"Strollin’"、”Willing And Able"、"Money Don’t Matter 2 Night"、"5 Women"もレコーディングしている事を考えると、方向性の固まってる4曲に対して2人に指示しながら方向性を模索している創作過程を覗き見するようで少し後ろめたい気持ちになります。
Insatiable (Early Mix - Full Version)
1990年10月8日にLAのララビー・サウンド・スタジオで録音された初期バージョンで歌詞もオリジナルと若干違い、サウンドもオリジナルより音色が豊かで華やかな印象を受けます。
Glam Slam '91
1990年10月29日にペイズリー・パークでレコーディングされたもので1991年1月6日にツインシティのラジオ局WLOLで初オンエアされた「Glam Slam '91」より1分程長いバージョン。
"Love Machine"のリミックスから派生した楽曲で、”Glam Slam"("Escape")の他にマッドハウスの”Twelve"や翌年リリースされる”Gett Off"のラップが内包されている事も興味深い1曲です。
Live 4 Love (Early Version)
1990年11月19日にペイズリー・パークで初収録された後、12月5日に追加収録されたバージョンで、マイケル・Bとソニー・Tの3人で収録していてトニー・Mのラップ・パートもプリンスによるもの。
歌詞は湾岸戦争で多国籍軍が空爆を開始した1991年1月17日より前に書かれたもので"The Flow"(「」収録)の歌詞(ラップ)を聴くことができます。
Cream (Take 2)
1990年12月3日にペイズリー・パークで収録された初期バージョン。
完成前の荒削りなサウンドとロージー・ゲインズのヴォーカルが有無が味わえる貴重なテイクと言えます。
Skip To My You My Darling
1990年12月10日にペイズリー・パークで収録された童謡”skip to my lou”から着想を得た楽曲でリーヴァイ・シーサー,Jr.が共作した他ST.ポールがベースとギターで参加。
プリンスのバージョンはお蔵入りとなりましたが、ジェヴェッタ・スティールのヴォーカルで再録。タイトルも”Skip 2 My U My Darling”と変更され1991年の「Here It Is」のフランス盤に収録。1993年にはワールド・ワイド盤としてリリースされますが”And How”も含め収録リストから削除。代わりに"Hold Me"と"Open Book"が収録されました。
Diamonds And Pearls (Long Version)
1990年12月16日にペイズリー・パークでミキシングされた”Diamonds And Pearls”のロング・バージョン。
アルバム収録より50秒程長い分、より荘厳なイメージが広がります。
Disc 4 -VAULT II
Track List
- Daddy Pop (12" version) (6:08)
- Martika’s Kitchen (4:21) *
- Spirit (4:33) *
- Open Book (4:59) *
- Work That Fat (4:36)
- Horny Pony (Version 2) (4:21)
- Something Funky (This House Comes) (Band Version) (7:05)
- Hold Me (4:36) *
- Blood On The Sheets (5:47)
- The Last Dance (Bang Pow Zoom And The Whole Nine) (5:37)
- Don’t Say U Love Me (4:20) *
*は提供曲
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince
Written
- Prince
- Prince & Levi Seacer, Jr. (2)
- Prince, Frankie Blue, Martika and Levi Seacer, Jr. (3)
- Martika, Levi Seacer, Jr., Prince (4)
- Prince and Martika (11)
Aditional Musician
- Rosie Gaines (back vocals, keyboards) (1)
- Michael B. (drums) (1, 7-9)
- Sonny T. (bass guitar) (7-9)
- Levi Seacer, Jr. (bass guitar) (1, 7-9) (instruments) (2, 3)
- Tommy Barbarella (keyboards) (1, 7-9)
- Tony M. (rap) (1, 10)
- Elisa Fiorillo (additional vocals) (1)
- Damon Dickson (background vocals) (1, 7)
- Kirk Johnson (background vocals (1, 7, 8) (percussion) (4, 9)
- Kathleen Johnson (backing vocals) (8)
「D&P」収録曲の未発表リミックス、候補曲、そして同時期にプリンスが提供したマルティカやジェヴェッタ・スティールへの提供曲のプリンス・ヴォーカル・バージョンなどを収録。
Daddy Pop (12" Mix)
1991年1月にキース・”KC”・コーエンが手掛けた"Daddy Pop"のリミックス。シングル・カットの予定またはB面収録の予定で制作されたものと推察されるが納得いかなかったのか未発表となりました。
Martika's Kitchen
マルティカ関連が4曲続きます。
マルティカが書き留めた歌詞ノートを受け取ったプリンスは歌詞のコピーをリーヴァイ・シーサー,Jr.に渡し制作を開始。
リーヴァイから提出された”Martika's Kitchen”、"Spirit"を元にプリンスが手を加え1991年1月11日にレコーディング。13日にプリンスのヴォーカルを追加したバージョンをミックスし収録しマルティカに送りました。
同年ニューヨークとロサンゼルスでマルティカと他のミュージシャンによるヴォーカルと演奏が追加され、1991年8月27日リリースの「Martika's Kitchen」のタイトル・トラックとしてオープニングを飾りました。
Spirit
「Martika's Kitchen」の2曲に収録された"Spirit"も”Martika's Kitchen”と同じく11日にレコーディングし、13日にプリンスのヴォーカルがミキシングされました。
Open Book
"Open Book"も同様のスケジュールで制作。リーヴァイはソングライトと演奏に参加しているもののブックレットの発言から上記2曲よりも関与度は低いと思われます。
この曲は”Safe In The Arms Of Love”(「Martika's Kitchen」)の呼応曲として収録予定でしたがマルティカ側が気に入らなかったのかお蔵入り。その後ジェヴェッタ・スティールの「Here It Is」に収録されました。
Work That Fat
"Martika's Kitchen"の曲をバックにボブ・ジョージ風のPublisonでピッチを落とし低音に加工した声でラップを披露。
プリンス一人で制作した楽曲で、コミカルな歌詞からアルバムに収録予定曲というより遊びの一環で制作。1991年1月12日にマイケル・コッペルマンがミキシングしました。
Horny Pony (Version 2)
1990年9月7日に東京のワーナー・パイオニア・スタジオで収録され最終候補まで選ばれますが「Gett Off」と差し替えられた1曲。(アルバムの収録リストには"GETT OFF"の上に赤字で"horny pony"と記載)
Version 2はバンドで演奏する前となる1991年1月29日に収録されたもので、馬の泣きマネも聴かれる事事から"Work Tha Fat"と同じく遊びの中から生まれた可能性もあります。
Something Funky (This House Comes)(Band Version)
1992年4月6日に日本のグラム・スラムで行われたシークレット・ライブでも披露されましたバンド・メンバー紹介する楽曲で、ベーシック・トラックは1990年9月7日に東京のスマイル・ガレージ・スタジオで収録。収録候補に選ばれますが3度目の選曲で落とされた1曲。
ちなみにベース・トラック時点ではトミー・バーバレラが加入していなかったのでトミーの紹介パートが存在しませんでしたが今回収録されたのは1991年1月31日のバージョンだったのでメンバーは勢揃い。しかし演奏時にロージーが参加していなかったのでプリンスが代わりを務めています。
Hold Me
ベーシック・トラックは1990年12月27日作で、バンドによる演奏が行われのは"Something Funky"と同じ翌年1月31日。
ロージー・ゲインズのソロ・アルバムの候補(同名異曲の可能性もあり)になるもお蔵入り。その後アニタ・ベイカーに提供する予定で打診するも実現せず、最終的にジェヴェッタ・スティールの「Here It Is」に収録されました。
同曲はプリンスのお気に入りだったのか1993年にマイテのソロ・デビュー用に再録しますがお蔵入りとなりました。
Blood On The Sheets
日本のワーナー・パイオニア・スタジオでマイケル・Bとリーヴァイの3人で収録した"Darkside"のバンド・バージョンで上記2曲と同じ1月31日にレコーディングされたもの。この時も歌詞が上手くまとまらなかったのか最終的にお蔵入りとなります。
3rdeyegirlと演奏したら形になったかもしれないと思えるロック・ナンバー。
The Last Dance (Bang Pow Zoom And The Whole Nine)
1991年2月12日にレコーディングされた1曲でプリンスのクラブ〈グラム・スラム〉のPAで流された事がある楽曲。
"Gett Off"を使った"Violet The Organ Grinder"のように"Jughead"をベースにした派生バージョン。
Don't Say U Love Me
マルティカのアルバム用に追加で提供するため1991年2月13日にレコーディング。
初期は”Martika Jam (Martika Jam Groove)”と名付けられていましたが”Don't Say U Love Me”に改名、他の曲と同じくニューヨークとロサンゼルスでマルティカと他のミュージシャンによるヴォーカルと演奏が追加され完成。『Martika's Kitchen』の10曲に収録されました。
Disc 5 -VAULT III
Track List
- Get Blue (4:43) *
- Tip O’ My Tongue (4:08) *
- The Voice (4:43) *
- Trouble (5:37) *
- Alice Through The Looking Glass (4:18) +
- Standing At The Altar (4:49) *
- Hey U (6:10) +
- Letter 4 Miles (4:37)
- I Pledge Allegiance To Your Love (4:42) *
- Thunder Ballet (10:56)
*は提供曲
+は提供曲(未発表)
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince
Written
- Prince
- Prince & Levi Seacer, Jr. (1)
- Kirk Johnson & Prince (2)
- Prince, Rosie Gaines, Francis Jules (3)
- Prince & Rosie Gaines (4)
Aditional Musician
- Kirk Johnson (instruments) (2) (background vocals) (3)
- Rosie Gaines (keyboards, background vocals) (3)
- Levi Seacer, Jr. (guitar and background vocals) (3) (guitar) (9)
- Michael B. (drums) (8)
- Michael B. Nelson (trombone) (8)
- Steve Strand (trumpet) (8)
- Dave Jensen (trumpet) (8)
- Kathy Jensen (baritone saxophone) (8)
- Brian Gallagher (tenor saxophone) (8)
- Tommy Barbarella (keyboards) (9)
「D&P」収録曲の未発表リミックス、候補曲、そして同時期にプリンスが提供したルイ・ルイ、マギー・コックス、エル・デヴァージへの提供曲のプリンス・ヴォーカル・バージョンなどを収録。
Get Blue
プエルトリコ生まれのアーティスト、ルイ・ルイの為に書かれたリーヴァイ・シーサー,Jr.との共作曲。
1991年3月17日にペイズリー・パークでレコーディング(収録曲は19日にミキシングされたもの)し同年ヴォーカルを録音。1993年にリリースされた「Let's Get Started」の4曲目に収録されました。
リーヴァイのお気に入りだったのかリーヴァイとリック・アレキサンダーと2010年に連名でリリースした「2wo 4our 1ne」にカヴァーが収録。
Tip O' My Tongue
1991年4月9日にペイズリー・パークでレコーディングされた同曲はカーク・ジョンソンが制作したグルーヴを元にプリンスが歌詞を書き演奏と肉付けされて完成したもの。(カークによれば二人で作ったのはこれが2つ目だったそう)
完成した楽曲はエル・デヴァージに提供され、同年リリースされたの「In The Storm」に収録されました。
The Voice
ロージーと夫のフランシス・ジュールズ(Francis Jules)が書い歌詞を元にプリンスが肉付けし1991年4月24日にペイズリー・パークでレコーディング(収録バージョンは26日にミキシングされたもの)しますがプリンスの意向でメイヴィス・ステイプルズのアルバム「The Voice」(1993年作)に提供。
当時日の目を見る事はありませんでしたが、ロージーのヴォーカル・バージョンは、2016年5月17日にシングルとしてリリースされました。
Trouble
ロージー・ゲインズのソロ・アルバム用に1991年5月24日にLAのララビー・サウンド・スタジオでレコーディングされれた1曲。
一度は完成するもののアルバム1992年8月13日再録されますがロージのアルバムはリリースされる事なくプリンスの元を離れます。
当時リリースする事は叶いませんでしたが、2015年にリリースされたベスト盤「Essential Rosie」に「T.R.O.U.B.L.E」という曲名で収録されました。
Alice Through The Looking Glass
1991年5月28日にハリウッドのララビー・サウンド・スタジオでプリンス一人でレコーディングを行った楽曲で収録されたバージョンは11月26日にミキシングされたもの。この曲はシーラ・Eに提供されヴォーカルも録音されましたがお蔵入り。
1991年はプリンスの元を離れ1991年3月26日「Sex Cymbal」をリリース。彼女がヴォーカルを録音したのは恐らく1991年末から1992年となりますが、当時シーラは体調を崩していた事が影響しリリースするタイミングを逃したと思われます。
公式にリリースされる事はありませんでしたが、2002年6月22日にペイズリー・パーク・スタジオのライブで演奏しています。
リリース時のブックレットには記載されていませんが、不確定情報ですが同曲はラベルの為に書いたとも言われているようで、シーラ・Eの「Sex Cymbal」をリリースした翌年の1992年秋のコメントで誰か(メンバー?)が「実はラベルの曲だと答えた」という投稿を見つけました。
Yep. I remember commenting on this jam WAY back in the fall of ‘92 when I caught Sheila in support of the Sex Cymbal album during a mini-tour of California. Been a favorite ever since. Think someone replied then that it was actually a LaBelle (the group) song.
投稿では”LaBelle (the group)”と記載されてましたが、時期的にはパティ・ラベルの「Burnin'」用ではないかとも考えられます。
https://www.reddit.com/r/PRINCE/comments/abtrr8/help_find_a_song_sheila_e_alice_thru_the_looking/?rdt=61971
www.reddit.com
プリンスは「Aが駄目ならB」と切り替えるので、シーラのタイミングが合わなかったのでパティに提供しようと考えたとも考える事もできます。
またこの記事とは別にシーラが”Lady Marmalade”をカヴァーしている事から曲名を間違っているのかもとも言われています。真相が判り次第追記します。
Standing At The Altar
挙式3日前に破局したキーファー・サザーランドとジュリア・ロバーツのロマンスを題材にした同曲は、1991年6月23日にペイズリー・パークでレコーディングされ(収録曲は24日にミキシングされたもの)、マギー・コックス(マーガレット・コックスで元タ・マラ&ザ・シーンのタ・マラとしても知られる)が7月2日にヴォーカルを収録し『1-800 NEW FUNK』に収録されました。
Hey U
”Standing At The Altar”と同日にレコーディング(収録曲は26日にミキシングされたもの)し、マギー・コックスに提供され6月25日にヴォーカルを入れますがお蔵入り。マギーのヴォーカル版にはミネアポリスで活躍しているドクター・マンボスコンボのビリー・フランツェもヴォーカルとして参加していました。
Letter 4 Miles
1991年9月30日、プリンスと親交もあったマイルス・デイヴィスがこの世を去った2日後に録音された哀悼の意を込めたインストゥルメンタル曲。
30日にマイケル・Bと2人でレコーディングした時のタイトルは"Miles Is Not Dead"でしたが、数ヶ月後にNPGホーンズに在籍していたマイケル・B・ネルソンにホーン・アレンジを依頼し1992年2月にオーバーダブをした際にタイトルを変更。今回収録されたのはホーン追加後にミキシングされた2月18日のバージョン。
I Pledge Allegiance To Your Love
ハワード・ヒューイットに提供した「Allegiance」とは同名異曲。
1991年10月1日にペイズリー・パークでレコーディングされたファルセットも美しいブルース・ナンバー。
Thunder Ballet
ジョフリー・バレエ団に魅了されたプリンスは、1991年10月6日にマイケル・コッペルマンと共に"Thunder"をベースに約11分のロング・バージョンを制作するとロイヤル・フリーで提供。1993年には同曲を含む4部構成の演目『Billboards』が公開されソフト化されました。
同曲はプリンスの公式サイトnpg music clubのReflection Roomで映像から音源だけを抜いたバージョンがストリーム配信されましたが、今回は観客の手拍子やノイズを含まないオリジナル音源が収録されました。
Billboards
1993年、ジョフリー・バレエは4人の振付師による4部構成作「Billboards」を上演、翌年ビデオやLDで販売されました。
演目
I: Sometimes It Snows in April (choreographed : Laura Dean)
Sometimes It Snows in April
Trust / Baby I'm a Star
II: Thunder (choreographed : Charles Moulton)
Thunder
Purple Rain
III: Slide (choreographed : Margo Sappington)
Computer Blue
I Wanna Melt with U
The Beautiful Ones
Release It (The Time) / Computer Blue (Reprise)
IV: Willing & Able (choreographed : Peter Pucci)
For You
The Question of U
It
Willing and Able / Gett Off
”Thunder Ballet”は下記リンクの16分あたりから。
https://vimeo.com/331697405
vimeo.com
Disc 6,7 - LIVE AT GLAM SLAM, MINNEAPOLIS, MN, 1/11/1992)
Track List
- Thunder (4:19)
- Daddy Pop (6:24)
- Diamonds And Pearls (5:32)
- Willing And Able (5:40)
- Jughead (6:52)
- The Sacrifice Of Victor (10:06)
- Nothing Compares 2 U (4:50)
- Thieves In The Temple (7:02)
- Sexy M.F. (5:46)
- Insatiable (7:42)
- Cream / Well Done 16 / I Want U 6 / In The Socket (Medley) (13:58)
- 1999 / Baby I’m A Star / Push 3 (Medley) (9:12)
- Gett Off (6:11)
- Gett Off (Houstyle) (8:05)
Member
- Prince (vox, guitar)
- Michael B. (drums)
- Sonny T. (bass)
- Levi Seacer, Jr. (guitar)
- Tommy Barbarella (keyboards)
- Rosie Gaines (keyboards, vox)
- Tony M. (dance, rap)
- Damon Dickson (dance, vox)
- Kirk Johnson (dance, percussion) (Dancers)
- Michael Nelson (trombone)
- Brian Gallagher (tenor saxophone)
- Kathy J. (baritone saxophone)
- Dave Jensen (trumpet)
- Steve Strand (trumpet)
- Mayte (dance)
- Lori Elle & Robia LaMorte [Diamond & Pearl] (dance)
- William 'Diamond J.' Graves (turntables)
- Jevetta Steele, Fred Steele, JD Steele, Jearlyn Steele [The Steele] (vox)
レビュー
ディスク6-7は、1992年1月11日、ミネアポリスにあったプリンスのクラブ〈グラム・スラム〉で行われた〈Diamonds And Pearls Tour〉のプレビュー・ライブ音源で、24トラックのマスターからミックスが施されています。
1992年1月11日にミネアポリスにあったプリンスのナイト・クラブ〈グラム・スラム〉でおこなわれたライブは同年4月3日に東京ドームからスタートする〈Diamonds And Pearls Tour〉のプレビュー公演で、午後11時過ぎから開催されたゲリラ・ライブでしたが土曜の深夜(しかも入場料はたった8ドル)という事もあり熱狂のライブでした。
ライブで初お披露目となる"Thunder"、"Willing And Able"、"Insatiable"の他に、同年10月にリリースされる「」から"The Sacrifice Of Victor"、"Sexy M.F."、”Gett Off”に内包する形で”My Name Is Prince"も初披露されました。
ちなみに"Well Done"はザ・スティールズの「Heaven Help Us All」、”I Want U”はロージー・ゲインズの「Closer Than Close」、”Hit U In The Socket”は同じくロージーの「Try Me」に収録されています。
Blu-ray (3時間)
Disc 8: BLU-RAY
Live at Glam Slam - 11 January 1992
- Thunder
- Daddy Pop
- Diamonds And Pearls
- Willing And Able
- Jughead
- The Sacrifice Of Victor
- Nothing Compares 2 U
- Thieves In The Temple
- Sexy M.F.
- Insatiable
- Cream / Well Done 16 / I Want U 6 / In The Socket
(Medley) - 1999 / Baby I’m A Star / Push 3 (Medley)
- Gett Off
- Gett Off (Houstyle)
Special Olympics at Minneapolis Metrodome 1991
- Let’s Go Crazy / Baby I’m A Star / Push 3 (Medley) (Special Olympics 1991 Soundcheck)
- Diamonds And Pearls (Special Olympics 1991)
- Let’s Go Crazy / Baby I’m A Star / Push 3 (Medley) (Special Olympics 1991)
The Diamonds And Pearls Video Collection
- Introduction
- Thunder (Live)
- Cream
- Diamonds And Pearls
- Dr. Feelgood (Live)
- Call The Law 5
- Willing And Able
- Jughead (Live)
- Insatiable
- Strollin’
- Money Don’t Matter 2 Night
- Live 4 Love (Live)
レビュー
ディスク6,7のライブの映像は只々圧巻。
冒頭にはプリンスの妻になるマイテが登場。演奏はどれをとっても完璧で、手応えを感じたプリンスは終盤でステージを降りバーカウンターで踊るほど。
熱狂のライブは予定時間をオーバーし警察が押し掛けるシーンもキッチリ撮影。こういうシーンを含め音源では判らない事ばかりで、正に「百聞は一見に如かず」という内容。
また7月20日のサウンド・チェックも貴重なものばかり。
「Diamonds And Pearls Video Collection」はDVDからBlu-rayになった事で若干画質が良くなった印象を受けます。
参考Diamonds And Pearls Video Collection / ダイアモンズ&パールズ・ビデオ・コレクション ('92)
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その他 (120ページのハードカバー)
- ランディ・セント・ニコラスによる未公開写真
- 5人のエッセイ
執筆家で放送作家のアンドレア・スウェンソン
プリンス遺産管理団体のアーキビスト(公文書館専門職員)で上級研究員のドゥエイン・トゥダール
イギリスの音楽評論家でプリンスの専門家であるジェイソン・ドレイパー
ブルックリンにあるニューヨーク大学タンドン・スクール・オブ・エンジニアリングのアンジェラ・L・ダフ教授
SNSタレントのカニサ・ウィリアムズ - パブリック・エネミーの創始者チャックDによる序文
最後に
他のSDE同様、リマスターと未発表曲の収録に貴重なライブ映像と十分過ぎる内容でした。
敢えて欲を言うならば、今回のVAULTは提供曲がかなりの割合を締めていた事ですかね。
もちろんプリンス・ヴォーカル・バージョンは貴重で感動しますが、”聴いたことのある曲”という感覚が上回り、個人的には新鮮味という点では「SOTT」の方が少し上だった印象を受けました。
マルティカに提供した”Love... Thy Will Be Done”が「ORIGINALS」に収録された事を考えると、提供曲は「ORIGINALSシリーズ」でまとめて、SDEにはもっと未発表バージョンを収録して欲しかったと考えてしまいます。
もしくは〈Diamonds And Pearls Tour〉を収録するという選択肢もあった気がします。
とは言え7時間オーバー(ライブ映像を加えると+3時間)、とても消化するには当分かかりそうです。