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Come / カム ('94)

アルバム情報

Released:1994/8/16 | Label: Warner Bros.

Listen on Apple Music

Track List

  1. Come (11:13)
  2. Space (4:28)
  3. Pheromone (5:08)
  4. Loose! (3:27)
  5. Papa (2:48)
  6. Race (4:28)
  7. Dark (6:10)
  8. Solo (3:48)
  9. Letitgo (5:33)
  10. Orgasm (1:39)

Personnel

Produce, Arranged, Composed

  • Prince

Written

  • Prince
  • Prince, David Henry Hwang (8)

Additional Musician

  • Mayte (background vocals) (6)
  • Michael B. (drums) (2,5,7)
  • Sonny T. (bass) (2,5,7)
  • Tommy Barbarella (keyboards) (2,7)
  • Mr.Hayes [aka Morris Hayes] (keyboards) (2,7)
  • Michael B. Nelson (trombone) (1,6,7,9)
  • Eric Leeds (flute) (9)
  • Ricky Peterson (keyboards) (9)
  • Steve Strand (trumpet) (1,6,7,9)
  • Dave Jensen (trumpet) (1,6,7,9)
  • Kathy J. (baritone sax) (1,6,7,9)
  • Brian Gallagher (tenor sax) (1,6,7,9)
  • Kathleen Bradford (background vocals) (9)
  • Vanity (voice) (10)

Sampled

  • "The Jam" by Graham Central Station (1975) (2)
  • "Do the Funky Penguin (Part 2)" by Rufus Thomas (1971) (2)
  • "R.E.A.L.I.T.Y." by KRS-One (1995) (5)
  • "Face the Music" by Jearlyn Steele Battle
  • "Song of Love Overdue" by Lady Blacktronika (2013) (8)
  • "Funky President (People It's Bad)" by James Brown (1974) (9)

アルバム・レビュー

1992年、ワーナーの副社長に就任し高額の契約を結ぶも両者の思惑通りに進まず徐々に関係が悪化、プリンスは35歳の誕生日(1993年6月7日)に自らの名前を捨てPrinceに改名を宣言した事で確執が表面化します。
ワーナーとの契約でアルバムのリリース契約(6枚)を結んでいたプリンスは、'93年9月にベスト盤の「The Hits / B-Side Collection」をリリース。次いでリリースされたのが本作です。

プリンスが思い描いた計画では、ミュージカル劇『Glam Slam Ulysses 』のために用意していた楽曲の中からプリンスの死とPrinceの誕生を「Come」The Gold Experienceの同時リリースで表現するつもりでした。

これに対し2枚同時リリースで同士討ちを避けたかったワーナーは同時リリースを拒否し「The Gold Experience」を1年遅らせました。

この決定に納得出来ないプリンスは様々な方法でアピール。
スペインのサグラダ・ファミリア教会の前で撮られたモノクロの写真とPrinceの下に記載してある"1958-1993"と記されたアートワークは、生まれてから改名宣言までの35年間のプリンスとしての生涯を締めくくる事を意味するものです。
当時のインタビューでは、レコーディングの契約を果たすため義務であると答え、後に開設した公式サイト〈npg music club〉のディスコグラフィでは「Come」に”Contractual Obligation (契約上の義務)”と記載。楽曲は'93年4月にワーナーに対し新しい曲は作らず既にストックしてある500曲以上あると言われる未発表曲でアルバムを作ると通告し、改名前に録音した”古い曲”から10曲をセレクトしたと話しました。(後にリリースされるThe Gold Experienceは”新しい曲”を宣伝)
レーベル名も自身のNPG Recordsをクレジットしなかった事からも”遺物”という印象を与えましたが、収録曲の"Letitgo"は改名後の1994年3月にレコーディング、”Shhh"はレコーディングこそ'94ですが、改名前にテヴィン・キャンベルに提供した曲で、リリース前の4月に放送された(日本ではWOWOW)『The Beautiful Experience』では"The Most Beautiful Girl In The World"を披露している事から、線引はプリンスの脳内でのみ成立している形となります。

楽曲は全てワン・ワードで統一、"Come""Orgasm"等露骨なセックス描写が書かれたかと思うと"Race"は人種差別、"Papa"では幼児虐待等社会性のあるメッセージ・ソングとバラエティに富んだ歌詞はプリンスならでは。特にPrince に転生する為のプリンスの遺書と受け取れる"Letitgo"は、正にプリンスの決意を物語る名曲です。
唯一このアルバムで困るのはラストの"Orgasm"...これは「Lovesexy」のジャケットとは別の意味で恥ずかしくなる楽曲です。

サウンドはポップやロックを拒み、ソウルやR&B、ファンクをベースにダークな感じで構成されています。
このダークなサウンドがめちゃくちゃカッコ良くて"Race"他で聴かれるNPGホーンズのホーン・セクション、トランス状態に陥りそうなリズムと間奏でのギターのリフがカッコイイ"Loose!""Letitgo"のファンキーなグルーヴとスキャットするプリンスのヴォーカル、そして"Dark"で聴かせるプリンスが演奏するハモンド・オルガンとファルセット・ヴォイスがたまらなくソウルフルで良いです。
インタビューで”寄せ集め”で作ったみたいな話をしるプリンスですが、内容は一級品です。

内容は十分過ぎるアルバムですが、冒頭のネガティブなインタビューや確執の影響か、ビルボードのR&Bでは2位だったもののビルボード200では15位と「Controversy」(21位)以来の低評価となってしまいました。

ワーナーとプリンスの確執が表面化した広告

ワーナーは「Come』の広告で自分たちと不満を持つプリンスとの緊張関係を公開。プリンスの改名を揶揄。これに対しプリンスは「1-800 NEW FUNK」の広告で反撃しました。

【1994年の受賞】

Celebrate The Soul Of American Music Awards

Living legend

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