Come / カム (’94)
アルバム情報
Released:1994/8/16 | Label: Warner Bros.
Track List
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PersonnelProduce,Arranged,Composed
Written
Additional Musician
Sampled
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アルバム・レビュー
スペインのサグラダ・ファミリア教会の前で撮られたアルバム・ジャケット、そしてPrinceの下に記載してある“1958-1993"。つまり生まれてから’93/6/7に発表された改名宣言までの35年間のプリンスとしての生涯を締めくくる為にリリースされたアルバムです。
’93年4月にワーナーに対し、新しい曲は作らず既にストックしてある500曲以上あると言われる未発表曲でアルバムを作ると通告し、その中からセレクトされたこの10曲をアルバムとして発表されました。
またレーベル名のNPG Recordsをクレジットしなかった事からも”遺物”という印象を与えました。
レコーディング中にも顔に”SLAVE”(奴隷)と書き、プリンスとしては不本意で制作したアルバム。タイトルは全部1語で表現され、歌詞も“Come"や“Orgasm"等露骨なセックス描写が書かれたかと思うと“Race"は人種差別、“Papa"では幼児虐待等社会性のあるメッセージ・ソングが書かれています。
歌詞の統一感はありませんが通して聴くと意外としっくりくるのがプリンスの成せる技なんでしょうね。
サウンドはポップさや元気なロック・サウンドを拒み、ソウルやR&B、ファンクをベースにダークな感じで構成されています。
ところがこのダークなサウンドがめちゃくちゃカッコ良くて“Race"他で聴かれるNPGホーンズのホーン・セクション、音楽酔いしそうな混沌としているがドラムとギターのリフがカッコイイ“Loose!"、“Letitgo"のファンキーなベースやスキャットするプリンスのヴォーカル、そして“Dark"で聴かせるプリンスが演奏するハモンド・オルガンとファルセット・ヴォイスがたまらなくソウルフルで良いです。
ワーナーと冒頭の様に”寄せ集め”で作ったみたいな事を言いながらもサウンドのクオリティ、発想の豊かさはハンパじゃない事を証明しています。
に転生する為のプリンスの遺書と受け取れる“Letitgo"が収録されたこのアルバムは、正にプリンスの決意を物語るようなアルバムだと思います。
唯一このアルバムで困るのはラストの“Orgasm"…
これは「Lovesexy」のジャケットとは別の意味で恥ずかしくなる楽曲ですね^^;
【1994年の受賞】
Celebrate The Soul Of American Music Awards
Living legend
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