アルバム情報
Released:1999/8/24 | Label: Warner Bros.
Track List
- The Rest Of My Life (1:38)
- It's About That Walk (4:26)
- She Spoke 2 Me (Extended Remix) (8:19)
- 5 Women (5:12)
- When The Lights Go Down (7:10)
- My Little Pill (1:08)
- There Is Lonely (2:29)
- Old Friends 4 Sale (3:27)
- Sarah (2:52)
- Extraordinary (2:27)
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince
Written
- Prince
Additional Musician
- Sheila E. (drums) (5)
- Michael B. (drums) (1,2,3,4,5,7,9,10)
- Sonny T. (bass) (1,2,3,5,7,9,10)
- Levi Seacer, Jr. (guitar) (1,2,3,4,5,7,10)
- Tommy Barbarella (keyboards) (1,2,3,7,9,10)
- Rosie Gaines (keyboards) (1,3,7)
- Mr.Hayes [aka Morris Hayes] (keyboards) (2,9,10)
- Clare Fischer (orchestration) (8)
- Brent Fischer (Orchestral player : tympani & percussion) (8)
- Michael Nelson (trombone) (1,2,3,4,9)
- Brian Gallagher (tenor) (1,2,3,4,9)
- Kathy J. (saxophone) (1,2,3,4,9)
- Dave Jensen (trumpet) (1,2,3,4,9)
- Steve Strand (trumpet) (1,2,3,4,9)
アルバム・レビュー
1992年の契約に基づきワーナー・ブラザースからリリースされた、未発表スタジオ音源による最後のアルバムです(プリンス名義でのスタジオ作としては1996年の『Girl 6』以来)。
アルバム自体は1996年4月、『Chaos And Disorder』と同時に完成版アートワーク(1994年の写真集『Neo Manifesto』の写真を使用)とともにワーナーへ納品されていましたが、リリースは3年後の1999年8月まで見送られました。この時期は奇しくも、アリスタ移籍第1弾となる新譜『Rave Un2 The Joy Fantastic』のリリース直前であり、プリンス側はこのワーナーの動きに対抗するように、同日にホームビデオ『Beautiful Strange』をリリースしています。
アルバムのブックレットには、制作期間や意図について以下のようなクレジットが記載されています。
"The enclosed material was written during the period beginning 1/23/1985 and ending 6/18/1994 and was originally intended 4 private use only."
(ここに収録された楽曲は、1985年1月23日から1994年6月18日までの期間に書かれたものであり、元々は個人的な使用のみを目的としていた)
このように「プリンス」名義時代(改名前)の個人的な未発表音源であると説明されていますが、「It’s About That Walk」は改名後の1993年9月、さらに「Sarah」は1996年2月に録音された楽曲と、実際のセッション記録と照らし合わせると若干の食い違いが見られます。(一部歌詞を修正)
また、本作はNPG Recordsとの連名ではなく、ワーナー・ブラザース単独のレーベルからリリースされている点も、当時の契約関係を物語る特徴と言えます。
収録曲の多くはブートレグ(海賊盤)で流出したものもありますが、こうしてキチンとプリンス公認でリリースされる事はファンとして嬉しい限りです。
まず「The Rest Of My Life」「My Little Pill」「There Is Lonely」の3曲は、ジェームズ・L・ブルックス監督の映画『I’ll Do Anything(邦題:ハリウッド・トラブル)』(1994年)の劇中歌として1992年春に録音されたナンバーです。映画がミュージカル仕立てから大幅に編集変更されたことでサントラ盤の発売が見送られ、本作で待望の公式初収録となりました(日本では「The Rest Of My Life」のプロモ盤CDも制作されています)。
表題曲「Old Friends 4 Sale」は本作中最古となる1985年4月の録音で、当初は名盤『Parade』の初期構成(1985年5月)に含まれていたものの最終的に外され、本作には1991年に歌詞やアレンジを大幅に変更して再録音されたバージョンが収められています。
このほかにも、1992年にジョー・コッカーのアルバム『Night Calls』へ提供された「5 Women」(原題:Five Women)のプリンス自身によるオリジナル・バージョン(1990年録音)や、元々はロージー・ゲインズの未発表ソロ作『Concrete Jungle』、続いて『Emancipation』(1996年)の初期構成に組み込まれ、後に〈One Nite Alone… Tour〉(2002年)などでも披露されたプリンスお気に入りの名曲「Extraordinary」(米国では先行プロモ・シングルとして配布)が並びます。さらに、1996年の映画『Girl 6』サントラに短縮版が収録されていた「She Spoke 2 Me」が、8分を超える完全版(Extended Remix)として収録されている点も見逃せないポイントです。
ワーナーとの契約消化のためにリリースされた経緯や、プリンス自身によるプロモーションの不在、さらには直後に控えていた移籍作『Rave Un2 The Joy Fantastic』の陰に隠れたこともあり、リリース当時は「やっつけの未発表曲集」として過小評価されがちな作品でした。しかし、そうしたビジネス上の背景という色眼鏡を外して向き合えば、本作の内容には特筆すべき素晴らしい魅力が詰まっています。
全編にジャズやブルースの芳醇なフレーバーが漂うアンサンブル、そして円熟味と表現力に満ちたプリンスのボーカルは圧巻で、ペイズリー・パークの「Vault(保管庫)」の底知れぬ深さをまざまざと見せつけられます。チャートを狙えそうな派手なシングル曲こそありませんが、楽曲単体としての完成度や演奏のクオリティは極めて高く、単なる契約消化の寄せ集めと切り捨てるにはあまりに惜しい作品です。
もし当時の契約問題がなければ、これらの楽曲が陽の目を見ることなく文字通りお蔵入りしていた可能性を考えると、結果として本作が公式にリリースされた意義は非常に大きかったと言えます。
ジェームズ・L・ブルックス監督のツィート
映画『I’ll Do Anything(邦題:ハリウッド・トラブル)』は当初プリンスの曲を使ったミュージカル調の映画でしたが、紆余曲折を経てドラマとして再構築されました。下はジェームズ・L・ブルックス監督のツィート。
I knew Prince for a bit of time. After the jolt - a rush of recognition for what a wild and disciplined artist he was.Many stops past great.
— james l. brooks (@canyonjim) April 21, 2016
5 Womanは日本で録音
収録曲のうち"5 Woman"は、’90年のヌード・ツアーで来日中に東京のワーナー・ジャパン所有のスタジオでベーシック・トラックを録音。
その後ペイズリー・パークにて追加レコーディングされ発表されました。
日本では5曲録音、"Strollin'"、"Willing And Able"、"Money Don't Matter 2 Night"は『Diamonds & Peals』に収録。
"Something Funky (This House Comes)"は長年お蔵入りとなっていましたが、2023年にリリースされた『Diamonds & Pearls Super Deluxe Edition』に収録されました。
