Parade / パレード (’86)
アルバム情報
Released:1986/3/31 | Label: Paisley Park, Warner Bros.
Track List
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PersonnelProduce,Arranged,Composed
Arranged
Member
Additional Musician
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アルバム・レビュー
衝撃を与えた前作から1年も経たずにリリースされたこのアルバムは、プリンスにとって2作目の主演映画『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』で使用された音楽が収録されていまが、サントラ扱いではなくスタジオ・アルバム扱いとなってます。
(現在は"Music from the Motion Picture Under the Cherry Moon"と記載)
このアルバムは、当時プリンス本人と批評家でハッキリ批評が割れた珍しい作品です。批評家からは”最高傑作”との声も上がり、今でもこのアルバムをトップに上げる方は多いです。
一方プリンスは当時のインタビューで「"KISS"以外は特に誇れるものはない。早く強力なアルバムを作りたい。」と自らアルバムを早く制作し過ぎた事を反省しています。
本人の言った通り、全米で180万枚(それでも十分成功ですが)という数字は”セールス的には”(ここは大事)失敗したと言えます。(ちなみに「Purple Rain」は1,000万枚)
今作の特徴は無駄な部分そ削ぎ落とした非常にソリッドな感じのアルバムでした。
まずなんと言っても全米No.1にもなった“KISS"。
元はブラウンマークがプロデュースしているマザラティに提供するハズだったのですが、渡すには勿体無いと考え引き取ったのは有名な話(代わりに"100 MPH"を提供)で、その経緯もあって楽曲にはマザラティも参加しています。
(クレジットでマザラティは“backing vocals“となっていますが、レコーディングではキーボードやドラムも担当してると言われています)
劇中歌なのでとにかくバラエティ豊富で、冒頭を飾る“Christopher Tracy’s Parade"や“Venus De Milo"ではオーケストラを導入、シンプルなドラム&シンセサウンドのファンク・ナンバー“New Position"、ホーン・セクションを上手く利用したソウル・ナンバーの“Girls & Boys"、空飛ぶじゅうたんの上で歌うMVもカッコイイ“Mountains”、そしてラストには屈指の名バラード“Sometimes It Snows In April"・・・どれ一つ欠けても成立しない名曲揃いのアルバムです。
“Sometimes It Snows In April"は’85年にベーシック・トラックが作られたと言われていますが、「The Beautiful Ones プリンス回顧録」によると「For You」の制作前のトラック・リストにクレジットされていたと記載。レコーディングの有無は不明だか楽曲の原型があったという事が判明しました。
映画自体はプリンスが思い描く内容通りに表現しきれずどちらかと言えばB級テイストだった事と、映画に足を引っ張られる形で思うようなセールスは望めませんでしたが、初めて聴いた時の衝撃は今でも忘れられず、その魅力に惹かれて病みつきになっていく1枚で、今でもこのアルバムをベストに上げるファンは多いと思います。
【受賞】
Grammy Awards
“Kiss":Best R&B Performance By A Duo Or Group With Vocal
American Video Awards
“KISS":Best Black Video
Edison Awards[Netherlands]
「Parade」:Best International Pop Album
プリンスの手書きによる"Mountains"の歌詞
“Mountains"34年後となる2020年5月7日、バック・ボーカルを担当していたスザンナ・メルヴォワンが自身のinstagramにプリンスが書いた手書きの歌詞のメモをアップしました。
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