Love Symbol / ラヴ・シンボル (’92)
アルバム情報
Released:1992/10/13 | Label: Paisley Park, Warner Bros.
Track List
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PersonnelProduce,Arranged,Composed
Written
Member
Additional Musician
Sampled
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アルバム・レビュー
ロージー・ゲインズがソロ・アルバムをリリースする為に脱退し、代わりに加入したのは後にプリンスの奥さんになるマイテ・ガルシア嬢を迎えたアルバム。
「」という記号のみのタイトルでリリースされました。日本盤を含む他のメディアではこのアルバムを「Love Symbol」と呼ぶようになっています。
表ジャケットには近未来の町並みで踊るマイテと演奏するプリンス(後に"7″のワンシーンと判明)、裏ジャケットはピラミッド、曲順はギリシャ数字で記載されているこのアルバムは、「Diamonds & Pearls」頃に書いてる途中でマイテの登場し、その為殿下が方向転換した混成アルバムと思います。
イントロで「Prince」に収録されている名作“I Wanna Be Your Lover"がコラージュされているファンキーなナンバー“My Name Is Prince"で「俺はプリンス、俺はファンキーなのさ 俺はプリンス、ワン・アンド・オンリー」、「7日目に神は俺を造った」と聖書をモチーフにして自らの存在をアピール。
また前作収録の“Get Off"の発展系とも言える先行シングルの“Sexy M.F."は放送禁止用語のタイトル及び歌詞の内容でラジオでのプレイは敬遠される等と立て続けにかなり攻撃的な歌が続きます。
その一方で、ジャズ・ファンクの“Love 2 The 9’s"、カースティ・アレイ扮するヴァネッサ・バーソロミューとの電話インタビューを挟み、レゲエ・テイストの“Blue Light"、また“7"ではフィンガー・シンバル音が聞えてくるオリエンタルなミドルテンポのロックと様々なサウンドが盛り込まれています。
良い意味ではバラエティに富んでいますが、一歩間違えれば”纏まりがない”と言われそうな絶妙なバランスの上に成り立ってるアルバムになってると思います。
ワーナーの副社長に就任するも不和が・・・
アルバムがリリースされる1ヶ月前の’92年9月、プリンスはワーナーと当時音楽業界では歴代最高額と言われる約1億ドルで再契約、更にワーナーの副社長に任命しました。
本人としては”これで自由にアルバムをコントロール出来る”と思ったのでしょうが、実際はワーナーから6枚のアルバムをリリースする事になっており、逆に足枷になっていまいました。
この契約による双方の温度差の違いで、ワーナーとの確執が徐々に表面化、プリンスの精神状態が顕著に表れているのが“The Sacrifice Of Victor"のイントロでカースティ・アレイ演じるヴァネッサとプリンスの会話。
名前を聞かれれば「ヴィクター。プリンスじゃないよ」とか、年齢を聞かれると「320歳」とか….。このアルバムの翌年(1993/6/7)にプリンスは改名宣言しになってしまいました。この事からも、このレコーディング時期にプリンスとしての活動に不満や葛藤があったのではないかと考えられます。
そういったマイナス要因がアルバムに反映されか、アルバムは当時200万枚程のセールスと低迷した結果となってしまいました。
(200万枚で低迷ってのもね…)
【1992年の受賞】
BRIT Awards[UK]
Best International Solo Artist
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