アルバム情報
Released:2001/10/16 (NPG Music Club download) 11/20 (Releace) 2002/2/6(JP) 2020/5/29(Sony) | Label: NPG, Redline Entertainment, Sony
Track List
| PersonnelProduce, Arranged, Composed
Written
Additional Musician
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制作までの道のり
1999年12月31日、ワーナー・ブラザース傘下の出版会社、ワーナー・チャペル・ミュージックが管理する出版権が切れるのを機に、200年5月16日ニューヨークで自分の名前を正式にプリンスに戻すことを発表。(この月にプリンスとマイテは正式に離婚)
On Dec. 31, 1999, my publishing contract with Warner-Chappell expired, thus emancipating the name I was given before birth--Prince--from all long-term restrictive documents.
1999年12月31日、ワーナー・チャペルとの出版契約が終了し、生まれたときに授かった名前〈プリンス〉は、長年の制約から解放されました。I will now go back to using my name instead of the symbol I adopted to free myself from all undesirable relationships.
これからは、すべての望ましくない関係から自分を解放するために採用したシンボルではなく、自分の名前を使うことにします。
2001年10月16日にプリンスのオフィシャル・サイト"NPG Music Club"(以下NPGMC)のプレミアム・メンバーに対して先行でダウンロードが配信(当時は1トラック)、約1ヶ月後にフィジカル・リリース(日本盤は翌年2月)された本作は、プリンス名義としては改名宣言した'93年6月7日以来、約8年振りのアルバムとなります。(改名宣言中には「Come」や「The Vault… Old Friends 4 Sale」などプリンス名義もあるため混乱しますが...)
アルバム・レビュー
殆どのアルバムでプリンス自身がアートワークになっていたのに対し、今回はCbabi Bayoc氏のデザインによるサックス、ドラム、ベース、ギター、ピアノを演奏するアーティスティックなジャケット(実際には背表紙部分にこっそり居ますw)で、ジャズ・アルバムを思わせる本作は、そのデザインにピッタリの非常にジャジー且つファンキーな内容で”新生プリンス”のアルバムに相応しい仕上がりです。
プリンスの声をモジュレーターで低い声にしたボブ・ジョージのイントロの後、ナジーがフルートで参加した軽快なスイング・ジャズ風サウンドに乗せてミレニアやプリンスのスキャットが楽しいタイトル・トラックの"Rainbow Children"からスタート。
"Segue"というか"Interlude"的なギター・インストを挟んで、メロウなリズムに乗せてラップを挟みつつプリンスの中高音のヴォーカルが美しいスロー・ナンバーの"Muse 2 The Pharaoh"、アフロ・ファンクっぽいリズムから始まり途中からファンキーさを増していくギターがCOOLな"Digital Garden"、JBを彷彿させるファンキーなホーン・セクションとラリー・グラハムのベースが随所で聴かれるシングル・カットの"The Work-Pt.1"、ミレニアのハイ・トーン・ヴォイスによるゆったりとしたイントロから急にハイ・スピードなドラムとホーン・セクションのサウンドに変りラストでは再びスロー・テンポに変化する"Everywhere"、途中で再びボブの声がインサートされた後にアフロっぽいリズムと哀愁のあるギターの音色が心地よいインスト・ナンバーの"The Sensual Everafter"と前半から本作のクオリティに圧倒される楽曲が続きます。
中後半では、スロー・ジャムのテンポに乗せてプリンスのウィット感のあるヴォーカルがジャジーな"Mellow"、80年代のプリンスやザ・タイム辺りで聴かれたシンセとドラムのリズムが懐かしいノリの良いパーティ・チューンの"8.1+1+1=3"、シンコペートとアコギっぽい爽やかなサウンドをバックにプリンスらしい中音を効かせたラヴ・ソングの"She Loves Me 4 Me"、NPGオペレーター風の声からスタートしL・クラヴィッツの"American Woman"によく似たリズム&ブルース的サウンドの"Family Name"、再びJBサウンドっぽいファンキーなリズムに乗せて女性コーラスとプリンスが楽しそうに歌う8分強にも及ぶノリの良いパーティ・チューンの"The Everlasting Now"、その高揚感が覚めやらぬうちに静かに始まるファルセットを効かせたラスト・トラックのバラード・ナンバーで日本での第一弾(プロモーション)シングル"Last December"は歌詞も含め"Purple Rain"や"Gold"辺りを彷彿させる感動的なナンバーです。
歌詞に関してはマーティン・ルーサー・キング・ジュニア(Martin Luther King Jr、キング牧師)が'63年8月28日にワシントンDCで行った演説を収録したりと全編に政治・宗教的なフレーズが歌われ賛否の分かれる内容ですが、プリンスを取り巻く環境が反映されただけで個人的には違和感を感じませんでした。
オペラ風の"Wedding Feast"の様に、曲間をインスト曲やインタールードで繋ぎ、一つの作品として統一感を持たせた事、サウンド面では00年からプリンスのバンドに加入したジョン・ブラックウェルの卓越したドラム・テクニックや90年代からプリンスのバックを支えるホーン隊”ホーンヘッズ”のプレイが随所に光ります。
個人的には2000年代で一番好きなアルバムです。
アナログ盤は2020年8月5日リリース
SONYの再販プロジェクトでCDは5月29日、アナログ盤8月5日にリリースされます。
アナログ盤はクリスタル・クリア・ビニール仕様で特製レインボー柄スリップマットが同梱されています。
エホバの洗礼は2003年
この頃、プリンスはエホバの証人に改宗したと言われていますが、洗礼を受けたのは2003年だった事を2016年に教会広報が声明を出しました。
“We are saddened to hear about the death of Prince Rogers Nelson, who was baptized as one of Jehovah s Witnesses in 2003,” a church spokesperson, David A. Semonian, said in a statement obtained by PEOPLE.
「プリンス・ロジャース・ネルソン氏は2003年にエホバの証人の洗礼を受けましたが,その死について聞いて悲しく思っています」と,教会の広報担当者であるDavid A. Semonian氏はPEOPLEが入手した声明の中で述べています。