アルバム情報
Released:2008/9/30 | Label: NPG Records
Track List
- 3121 (inc. The Entertainer, Music! Music! Music!, D.M.S.R.) (7:44)
- Girls & Boys (4:05)
- The Song Of The Heart (1:39)
- Delirious (2:01)
- Just Like U (Monologue) (2:49)
- Satisfied (6:19)
- Beggin' Woman Blues (6:43)
- Rock Steady (6:37)
- Whole Lotta Love (4:42)
- Alphabet St. (6:09)
- Indigo Nights (3:41)
- Misty Blue (4:25)
- Baby Love (3:54)
- The One (backing "The Question Of U") (9:08)
- All The Critics Love U In London (backing "Batdance") (7:05)
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince
Written
- Prince
- Prince, Joseph Pleasant, Ben Raleigh, Hilda Taylor (7)
- Aretha Franklin (8)
- John Baldwin, John Bonham, James Patrick Page, Robert A. Plant, Willie Dixon (9)
- Bob Montgomery (12)
- Barry "B.B. Queen" Borden, Martin Keck, Joyce Kennedy, Gary Moore, Glenn Murdock, Jerry "Wyzard" Seay (13)
Member
- Cora Coleman-Dunham (drums)
- Joshua Dunham (bass)
- Mr.Hayes [aka Morris Hayes] (keyboards)
- Renato Neto (keyboards)
- Greg Boyer (trombone)
- Lee Hogans (trumpet)
- Mike Phillips (saxophone)
- Marva King (vocals)
- Shelby J. (back vocals) (lead vocals) (12,13)
- Nandy McClean (background vocals) ("The Twinz")
- Maya McClean (background vocals) ("The Twinz")
- Beverley Knight (lead vocals) (8)
Sampled
- "The Entertainer" by Scott Joplin ('1902) (1)
- "Music! Music! Music!" by Teresa Brewer ('1949) (1)
Cover
- "Rock Steady" by Aretha Franklin ('1971) (8)
- "Whole Lotta Love" by Led Zeppelin ('1969) (9)
- "Misty Blue" by Eddy Arnold ('1966) (12)
- "Baby Love" by Mother's Finest ('1977) (13)
アルバム・レビュー
アルバム・リリースまでの動き
2007年の夏、ロンドンのO2アリーナで21日間にわたって開催された熱狂的なライブ〈21 Nights In London : The Earth Tour〉。プリンスはその本編のライブが終わった後も、アリーナ内に併設された2800人収容のクラブ〈indigo at The O2〉へと場所を移し、深夜のアフターショウを繰り広げました。
本作は、その中から2007年9月17日と22日の深夜に行われた貴重なジャム・セッションを記録した、4枚目のライブ・アルバムです。単独のCDとしてではなく、ツアーの模様を収めた写真集『21 Nights』の付属品として2008年にリリースされるという、彼らしいユニークな形で世に出されました。プリンスの公式のライブ盤としては2003年の『C-Note』以来のリリースとなります。撮影者は、『Diamonds & Pearls』の頃からプリンスのツアー・パンフレットやミュージックビデオを手掛けてきた写真家、ランディ・St. ニコラスによるものです。
楽曲について
スタジアム規模の完璧なショウを2時間こなした直後とは思えないほどの気力と体力が詰まった、驚異的なライブ盤です。最大の特徴は、プリンスのオリジナル楽曲だけでなく、彼が敬愛する他のアーティストたちのカバー曲が多数盛り込まれていること。気心の知れたバンドメンバーたちと共に、ブルースやジャズ、ハードロックまでを自由に弾きこなすリラックスした空気感は、アフターショウならではの魅力です。'07年9月17日(前半7曲)と22日(後半8曲)のショウからの選曲・抜粋ではあるものの、上手く編集されているため違和感もなく、非常に聴き応えのある構成になっています。深夜のクラブの熱気と、音楽を心から楽しむプリンスの息遣いがダイレクトに伝わってきます。
3121 (inc. The Entertainer, Music! Music! Music!, D.M.S.R.)
ファン待望のアフターショウは、ホーン隊の賑やかなサウンドから幕を開けます。「Alexander’s Ragtime Band」などの古典的なフレーズを織り交ぜつつ、終盤には自身の「D.M.S.R.」を差し込む遊び心満載のアレンジ。本編の疲れを感じさせないエネルギーに圧倒されます。
Girls & Boys
観客を巻き込んで大きな合唱を生み出す、ライブならではの一体感にあふれたナンバーです。おなじみのフレーズが飛び出すたびに湧き上がる歓声が、会場の熱気をそのまま伝えてくれます。
The Song Of The Heart
映画『ハッピー・フィート』に提供したオリジナル版とは別物と思えるほど、大胆なアレンジが施されています。後半からなだれ込むプリンスの軽快なスキャットが聴きどころで、バンドとの息の合ったプレイが楽しめます。
Delirious
そのままの勢いでなだれ込むようにスタートする、1982年のヒット曲です。ここでは短く30秒ほど歌うのみですが、次から次へと曲を展開していくライブならではのスリリングなテンポ感を味わえます。
Just Like U (Monologue)
演奏をバックに、プリンスがカメラ嫌いについて語る貴重なモノローグです。夏のニューヨークでパパラッチに「マイケル・ジャクソンとの写真はないか」と尋ねられた昔話を、リラックスした口調でユーモアたっぷりに語りかけます。
昔はね、僕だって君たちと同じだったのさ。
夏のニューヨークをあてもなく歩いて、楽しい時間を過ごしてた。女の子たちを眺めてね。
向こうもこっちを見てると思ったら、「邪魔よ、どいて。後ろのハンサムな友達が見えないじゃない」なんて言われたりしてね。
僕はおこぼれに預かろうと、背が高くて見栄えのいい連中とばかりつるんでたんだ。
「やあ、僕たちとお茶でも……あ、いや、なんでもない」って具合にね。
でも……そんな気楽な日々はとっくに終わってしまった。
今じゃ外をまともに歩くことすらできない。
あの頃が恋しくないかって?そりゃあ、恋しいさ。
街を歩けば、どこぞのイカれた奴がカメラ片手にすり寄ってくる。
しかも、ご丁寧に同じような手合いを6人も引き連れてね。
そいつがこう言うんだ。
『なあプリンス、あんたとマイケル・ジャクソンのツーショットさえ撮らせてくれればさ……それさえ撮れたら、俺はもう引退して一生遊んで暮らせるんだよ! 頼むから撮らせてくれよ、その一枚をさ……』ってね。
その時、悟ったよ。ああ、すっかり世界が変わってしまったんだな、とね。
……もっとも、僕自身の内面はあの頃と何も変わっちゃいない。
変わってしまったのは、僕を取り巻く別の何かの方なんだよ。
Satisfied
モノローグで会場を和ませた後、ブルースとジャズが溶け合うスローなアレンジへと変化します。マイク・フィリップスの繊細かつパワフルなサックスをバックに、プリンスの憂いを帯びたボーカルが深く胸に響く極上のバラードです。
Beggin' Woman Blues
前曲のムードを引き継ぎながら展開するブルース・メドレーです。カズン・ジョーやルイ・ジョーダンの古典的な楽曲に、プリンス自身が新たな歌詞を加筆。彼の音楽的なルーツへの深い愛情が感じられます。
Rock Steady
ここから22日のショウへと移ります。イギリスのソウル歌手、ビヴァリー・ナイトをゲストに迎えたアレサ・フランクリンのカバー。強烈なグルーヴの中で、次曲のベースラインが早くも弾かれているというライブ特有のスリリングな瞬間に耳を奪われます。
Whole Lotta Love
レッド・ツェッペリンの名曲を、ボーカルなしのインストゥルメンタルでカバーした圧巻のテイクです。プリンスはノイズ混じりのハードなギター・プレイをこれでもかと弾き倒し、ロック・ギタリストとしての圧倒的な才能を見せつけます。
Alphabet St.
軽快なカッティング・ギターと、地を這うような重いビートの対比が素晴らしい6分間です。中盤でフィーチャーされるサックスのソロが楽曲に強烈なグルーヴを与えており、思わず腰が動いてしまう仕上がりです。
Indigo Nights
「Get On The Boat」のインストゥルメンタルをベースにした、バンドの熱気を伝えるトラックです。バック・ボーカルのシェルビー・Jたちと観客の掛け合いがヒートアップし、会場のボルテージが最高潮に達する様子が目に浮かびます。
Misty Blue
プリンスが一歩下がり、シェルビー・Jがメイン・ボーカルを務めるソウルフルなカバー曲です。ロージー・ゲインズを彷彿とさせる彼女のパワフルで豊かな歌声が、深夜のクラブを温かい感動で包み込みます。
Baby Love
続くマザーズ・ファイネストのカバーでも、シェルビー・Jのボーカルが爆発します。力強いロック・テイストのサウンドと彼女のダイナミックな歌唱が完璧にマッチし、バンド全体の熱量が一気に跳ね上がります。
The One (backing "The Question Of U")
再びプリンスが前に出て、「The Question Of U」をマッシュアップしたドラマチックな演奏を繰り広げます。サックスやキーボードの流れるようなソロ・リレーを経て、原曲の面影がないほど自由に展開していく極上のジャム・セッションです。
All The Critics Love U In London (backing "Batdance")
最後は、開催都市の名前を冠したファンク・ナンバーです。「Batdance」のフレーズをバックに、粘り気のあるクラビネットや唸るサックスが絡み合います。約2時間の本編後にこれほどの演奏をやってのける、プリンスとバンドの底力にただ感動する結末です。
写真集付きCD
2018年8月のデジタル配信で需要は低くなりましたが、CD付きの写真集「21 Night」はこちらになります。
セールスなど
本作は単体のCDとして販売されず、シングルもカットされなかったため、通常の音楽チャートの対象にはなりませんでした。しかし、本作が付属していた豪華な写真集『21 Nights』は、アメリカのニューヨーク・タイムズ紙が発表するハードカバー・ノンフィクション部門のベストセラー・リストで9位にランクインしました。写真集の売り上げを押し上げた大きな要因は、間違いなくこの貴重なライブ音源の存在だったと言えます。
トリビア
- 本作はこれまでのライブ・アルバムとは異なり、レッド・ツェッペリンやアレサ・フランクリンなど、他のアーティストの楽曲のカバーやフレーズの引用が多く収録されているのが特徴です。
- 「Rock Steady」の演奏中、ベースのジョシュ・ダンハムは次に演奏する予定だった「Whole Lotta Love」のベースラインを弾いています。意図的かミスかは不明ですが、生のライブならではのスリリングなハプニングとして記録されています。
- 2009年4月10日には、写真集『21 Nights』をさらに豪華にした特装版『Prince Opus』のリリースが専用サイトで発表されました。当初は2010年頃の発売を予定していましたが、色々と遅れに遅れて、最終的に世に出たのはなんと2015年。豪華なレザー装丁で、わずか950部限定のシリアルナンバー入り。お値段は驚異の2,100ドル(!)でした。この豪華セットには、本作の音源と、ロンドン公演のバックステージやライブ映像を収めた40分のフィルムが最初から入っている、特別なプリンス仕様のiPodが同梱されていました。
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www.princeopus.com
【受賞】
Billboard Touring Awards
[21 Nights In London]:Boxscore Award
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