Diamonds & Pearls / ダイアモンズ&パールズ (’91)
アルバム情報
Released:1991/10/1 | Label: Paisley Park, Warner Bros.
Track List
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PersonnelProduce,Arranged,Composed
Written
Member
Aditional Musician
Sampled
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アルバム・レビュー
The Revolution以降ソロ活動していたプリンスが、映画「グラフティ・ブリッジ」で組んだ架空のバンドThe New Power Generationのメンバーをベースに久しぶりのバンド活動を再開したアルバムです。
ラップのトニー・M、ダンサーのデイモン・ディクソンとカーク・ジョンソンの3人は”ザ・ゲームボーイズ(The Game Boyz)”というユニットで活躍。『パープル・レイン』では客席で踊っていて、その後「Lovesexy」の“Glam Slam"でもパフォーマンスし、ついにプリンスの正式メンバーとして加入した苦労人達です。
またプリンスに”若きアレサ・フランクリンを彷彿とさせるシンガー”と絶賛されたロージー・ゲインズも’85年に「Caring」でデビューするもナカナカ芽が出なかった苦労人です。
また注目はアルバムのタイトルの擬人化的役割の“ダイアモンド"のロリ・エル(Lori Elle (Werner))と“パール"のロビア・ラモルテ(Robia LaMorte)の二人。
(ちなみに彼女達はプリンスより前に小比類巻かほるさんの"Dreamer"のMVに参加。ここで知り合ったのかな?)
プリンスが全ての楽器を担当しプリンスの多重録のヴォーカルが冴える“Thunder"、スィンギーでドゥー・ワップを連想しそうなポップ・ソングの“Strollin'"、ロージーの高揚感の声が印象的なラヴ・バラードの“Diamonds And Pearls"、シンプルなポップ・ソングで久々の全米1位を獲得した“Cream"、その歌詞があまりにも過激でラジオでプレイできないと言われた“Get Off"ではプリンスのエロティックな声とトニー・MのラップがCOOLです。(クレジットには記載されてませんが、バックで流れるフルートの音色はリスペクトしてるギル・スコット・ヘロン(Gil Scott-Heron)の"No Knock"によく似てます。)
本作は、「Graffiti Bridge」で試した新しいスタイル(歌詞、サウンド、パフォーマンス)をより消化させ、これまでのどのアルバムよりもポップで親しみ易く、メンバーそれぞれが自分の役割をキッチリ認識して制作された見事なポップ・アルバムだと思います。
ただ一部の批評家からは、ラップやハウスを取り入れたプリンスに対して現在のミュージック・シーンに迎合したと言う人もいますが、時代の流れに敏感なプリンスは生音とラップの融合させ、ラップの歌詞も単なる不平ではなくもっと精神性だったりとグローバル視点を取り入れてます。
熱唱型のロージーにフソウルフルな歌唱法でラップのセリフを歌わせる等、プリンスらしいヒネりを聴かせたアプローチは流石としか言いようがないです。
このアルバムは、プリンスの”ポップ・ミュージック”というアプローチが見事に当たり、アルバム・チャートでも全米1位(200万枚)、全英3位と久々のヒット作になりました。
余談ですが、以前からプリンスと組んでプロデューサーとしても活躍しているリーヴァイ・シーサー,Jr.はベーシストなのですがNPGで活動する時はギターも弾いています。
3曲を日本で録音
収録曲のうち、“Strollin'"、“Willing And Able"、“Money Don’t Matter 2 Night"の3曲は’90年のヌード・ツアーで来日中に東京のワーナー・ジャパン所有のスタジオでベーシック・トラックを録音。
その後ペイズリー・パークにて追加レコーディングされ発表されました。
日本では5曲収録、“5 Woman"は「The Vault… Old Friends 4 Sale」に収録、“Something Funky (This House Comes)"は残念ながら未発表のままです。
【1991年の受賞】
ASCAP Pop Music Awards
“Nothing Compares 2 U"、"Kiss":Best Composer
Music Video
プリンスと踊るダイアモンドとパールの2人は、小比類巻かほるの"Dreamer“にも出演(この時プリンスが目をつけたのかも)
”Money Don’t Matter 2 Night”には2種類のMVがあり、5分強のショートムービーはスパイク・リー監督が制作したものです。
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