ART OFFICIAL AGE / アート・オフィシャル・エイジ (’14)
アルバム情報
Released:2014/9/30 | Label: NPG Records, Warner Bros.
Track List
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PersonnelProduce, Arranged, Composed
Written
Mixer
String Arrangements
String Production
Additional Musician
Sampled
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アルバム・リリースまでの動き
前作「20ten」リリース以降、’11年11月に“Extraloveable"、’12年9月に“Rock & Roll Love Affair"、12月に“Screwdriver"といった単発をリリースしつつ、アンディ・アローの「Superconductor」やラリー・グラハムの「Raise Up」等を手掛けたプリンス。
一時はネットに拒否反応を示していたにも関わらず’13年1月に突如"@3rdeyegirl"名義でTwitterとYoutubeを開始(以降facebookやsoundcloud、Livestreamも開設)。
翌2月には3rdeyegirl.comというサイトをオープンし、“Screwdriver"、“Screwdriver Remix"、“Breakfast Can Wait"、“RNR Remix"をダウンロード販売を始めました。
以降、曲や動画をどんどん発表しコボルト・ミュージックからアルバムをリリースするというニュースが出たものの実現出来ませんでした。
その一方で’13年5月位から噂が出てきて7月12日にTwitterで突如ペイズリー・パーク・スタジオで「Plectrum Electrum Listtening Party」が開催される事発表され、3RDEYEGIRLの3人と新作を完成した事が告知されました。
一時はこの「Plectrumelectrum」がコボルト・ミュージックからリリースされるのか?という噂でしたが、’14年6月にローリング・ストーン誌からコレとは別にプリンス単独名義でアルバムを制作中というニュースが掲載。
同年9月、古巣ワーナーと再契約し過去作品のリマスターそして「Purple Rain」の30周年記念盤と共に新作がリリースされるという嬉しいニュースが飛び込んできました!(パープル・レインのデラックス盤は遅れに遅れ3年後の’17年にリリースされました)
アルバム・レビュー
本作での注目はProduce,Arranged, Composedがプリンス単独ではなく“Prince & Joshua Welton"と共作であること。
このJoshua Welton(ジョシュア・ウェルトン)は3RDEYEGIRLのハンナ・フォード(結婚後ハンナ・ウェルトン)の旦那さん。
これまでリーヴァイ・シーサー、Jrやリッキー・ピーターソンといった長年組んだメンバーと単発での共作はありましたが、当時若干24歳の若者とプリンスが対等の立場でしかも全曲というのは初の試みです。
他のエンジニアではストリング・プロダクションに’90年代から仕事をしているマイケル・B・ネルソン、ストリング・アレンジには’12年1月に他界したクレア・フィッシャーに変わり色んなクラッシック・アルバムにも参加しているアディ・イェシャハ担当してます。
プリンスにしては珍しい4年振りの新作という事で“Art Official Cage"は華々しいオープニングに目まぐるしく変わる変調のサウンド気合が入った1曲で、56歳の今でもこんな曲を歌えるプリンスは流石です! (冒頭で喋るのはデンマーク出身の3RDEYEGIRLのイダ・ニールセンによるデンマーク語によるものです)
ここ数年のお気に入りアーティストの一人、リアン・ラ・ハヴァスを迎えたミディアム・ソングの“Cloud"の他、4月に発表されたバラードの“BREAKDOWN"、ボブ・ジョージの声や多重ボーカル、ギターのカッティング、クラップ音の感じといい80年代後半のプリンス好きには堪らない“THE GOLD STANDARD"、’13年10月に公開されたという意味では最初にシングル・カットされた“BREAKFAST CAN WAIT"、今風なサウンドの中に変調したプリンスのヴォーカルが合う心地良い“WHAT IT FEELS LIKE"等、ジョシュアを迎えた事で今風のサウンドとのプリンスの毒っ気が良い具合で組み合わせっています。
特に“affirmation I & II"以降、シンプルなバック・トラックに切ない感じのメイン・ボーカルと時折入る第三者の様な低音のヴォーカルがストーリー感を醸し出す“WAY BACK HOME"、「Plectrumelectrum」にも収録された“FUNKROLL"のファンキー・アレンジ・バージョン、アンディ・アローを迎え2人の絡まるヴォーカルが秀逸な“TIME"、そしてリアン・ラ・ハヴァスの囁く様なヴォーカルで幕を落とす“affirmation III"の流れは見事です!
変わり種ではプリンスにしては珍しく日系女性シンガー/ラッパー、ミラ・J(Mila J)の"Blinded"をサンプリングで使った“U KNOW"、そしてプリンスが’84年の映画『パープル・レイン』でプリンスがアポロニアと一緒にバイクに乗っているシーンにインスパイアされたというバラード・ナンバーの“THIS COULD BE US"も良いです。
ファンとしては4年振りという長く待たされましたが「Plectrumelectrum」と2枚でお腹一杯になったかと思います('-')
Music Video
メインで踊ってる女性ダンサーは振り付けも担当したダニエル・レイ・クルーエル(Danielle Leigh Curiel)。
当時18歳でしたがプリンスはMVの予算を全て彼女に渡し制作(監督)されてくれたと話していました。
エグゼクティブ・プロデューサーにはナヤ&マインディのザ・ツインズが担当しています。
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