For You / フォー・ユー (’78)
アルバム情報
Released:1978/4/7 | Label: Warner Bros.
フォー・ユー<Free Soul SHM-CD Collection>
Track List
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PersonnelExecutive Porducer
Produce,Arranged,Composed
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アルバム・レビュー
当時20歳のプリンスが1978年に発表した記念すべきデビュー・アルバムです。
このアルバムがリリースされた当時は全米ではかなり評判にはなりましたが、日本では、2ndの「愛のペガサス」がデビュー・アルバムとして紹介され、本作は「Purple Rain」人気に後押しされる形で’84年にリリースされるも6年も開いた事で新鮮味が薄れた感もあり、当時日本ではあまり評価されませんでした。
このアルバムの特筆すべき点は、クレジットを見れば判りますが、エグゼクティブ・プロデューサーにトミー・ヴィカーリが記載されていますが、それはあくまでワーナー側に対する安心感を持たせるという口実で、実際にはプリンスがプロデュースからアレンジ、総ての楽器の演奏からバック・ヴォーカルの全てを一人で行っている事です。(エンジニアにはボビー・Zの兄デビッド・リブキンが参加)
もう1点は、18歳の時点でアルバムの原型を既に完成させていたという事で、ワーナーもその才能に惹かれ、当時19歳のプリンスにアルバム3枚分となる18万ドルの契約金を締結(’77年6月24日に前金の8万ドルの小切手を受け取る)しました。
カリフォルニア州サウサリートのレコード・プラントで1977年10月1日から1977年12月22日にレコーディング、翌年1月にロサンゼルスのサウンド・ラボでオーバーダブとミキシングが行わ完成した本作は、約1分と短いながらも後に起こる偉大な偉業を予感させるプリンスの柔らかなファルセットが幾重にも折り重なる秀逸なタイトル・トラック“For You"からスタート。
当時のディスコ・サウンドを上手く取り入れたファルセットと唸る小節が印象的な“In Love"、同年7月にシングル・カットされた“Soft And Wet"はビルボードのR&Bチャート12位になった記念すべきデビュー曲は後にMCハマーがカヴァーした事でも知られる有名になりました。
この他、キラキラしたサウンドとアコギの弾き語りが美しい“Crazy You"の後はファンキーでスピード感溢れる2ndシングルの“Just As Long As We’re Together"、後のプリンスの名曲の原型とも言えるドラマティックなサウンドの流れとエロかっこいいファルセット・ヴォイスが堪能出来る“Baby"、再びディスコ・サウンドを踏襲した明るいメロディのダンス・ナンバーの“My Love Is Forever"、最後は”ギタリスト”としての才能を発揮するロックなサウンドがかっこいい“I’m Yours"・・・荒削りですがその才能ぶりが発揮されているダンス・アルバムです。
これが日本でデビュー盤として紹介されてたらまた違う事になってたのかな…と色々想像させられる1枚です。
ミネソタ歴史協会に寄贈されたデモテープ
2018年、当時マネージメントを担当していたオーウェン・ハスニーはデビューに向けて制作したデモテープをミネソタ歴史協会に寄贈しました。
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