Black Album / ブラック・アルバム (’94)
アルバム情報
Released:1994/11/22 | Label: Warner Bros.
Track List
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PersonnelProduce,Arranged,Composed
Written
Additional Musician
Sampled
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アルバム・レビュー
曰く付きのアルバム
本来は「Sign O’ The Times」の次のアルバムとして’87年12月8日にリリースされるはずだった本作はリリース1週間前となる1日に取り止め。
一部に製品盤が流出、またその音源から複製が生産された事で当時最も有名な海賊盤(ブートレグ)となりました。
「Black Album」の代わりに発表されたのが「Lovesexy」という事になります。
この騒動の原因は当時色々言われましたが、以前読んだ殿下のインタビューによれば「あの作曲活動をしていた頃、怒りの感情が強かった。」と述べていたました。つまりこのアルバムをリリースしてしまうと自分の負のイメージが出てしまうのを恐れ”封印”したかった為の処置と考えられます。
7年の沈黙の後に期間限定でリリース
“Alphabet St."のMVで“Don’t Buy The Black Album, I’m Sorry"とメッセージを入れた程リリースを嫌がったアルバムでしたが、7年後の’94年12月に限定盤としてワーナーから正式にリリースされました。
あれ程消極的だったアルバムを発売した最大の理由は、ワーナーとの契約を完遂し離脱する為、そして1994年2月にペイズリー・パーク・レコードを閉鎖した事で財政難を脱する為にリリースと引き換えに100万ドルと受け取った事だと言われています。
「Lovesexy」に唯一収録された“When 2 R In Love"はともかく、メロディ・ラインが殆どなく極限まで削ぎ落としジャム・ソングの“Le Grind"、シンディ・クロフォードの事を歌ったと思われる“Cindy C."では捻りのないストレートなファンク・ナンバー、当時流行り始めたラップを取り入れた“Dead On It"など、スタジオにに籠もって一人黙々と作ったサウンド。
歌詞も前述の殿下のコメント通り、“Bob George"や“Dead On It"にしてもに、いつもならプリンス流の風刺を利かせたセリフがなく、直球を投げた印象を受けます。
かといってこれが駄作であるかと言えば密室感といい当時プリンスが持っていたエネルギーが溢れたアルバムだと思います。
もしこれがリリースされ「Lovesexy」が未発表だったらと思うと当時の状況は違った形になったかもしれませんね。
そういう"if"を話すのにも面白いアルバムです。
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