2019年にSONYによるプリンスのリイシュー〈LOVE4EVER〉の経過と予想を書きましたが、1年以上経過したので2020年にリリースされた再発及びデラックス盤の整理と今後の妄想を書いておきます。
2020年にリリースされた再発&デラック盤
まずは2020年にSONYとワーナーからリリースされた音源のまとめ。
SONYからはレイチルとONA関連
昨年はコロナ・ウィルスの影響でライブだけでなくアルバム・リリースのタイミングも大きく影響されました。
プリンスの「The Rainbow Children」、「One Nite Alone...」、「One Nite Alone...Live!」、「One Nite Alone... The Aftershow: It Ain’t Over!」、そしてBOXの「Up All Nite With Prince: The One Nite Alone Collection」が4月17日から5月29日に延期されました。(アナログ盤は更に8月5日に延期)
4月17日には、この延期を補う様な形で2003年にプロモーション用に制作された「Live At The Aladdin Las Vegas Sampler」がデジタル盤でリリースされました。
ワーナーからは1984年のライブ、リミックス集、SOTTのデラックス盤
ワーナーは5月14日にCOVID-19連帯対応基金のチャリティ目的で1985年にシラキュースで行われたライブ映像をYouTubeで配信、同日には音源の「Prince And The Revolution: Live」をデジタル盤でリリースしました。
7月8日には、1985年に日本企画で限定生産された「His Majesty’s Pop Life / The Purple Mix Club」のCD化、そして10月にはファンン待望の「Sign O' The Times」のスーパー・デラックス・エディションがリリースされました。
SONYのリイシュー作を整理
まずSONYが2018年夏にデジタル配信した中からフィジカル化したアルバムを整理します。
デジタル配信されいるアルバム(赤文字はフィジカル済)
- The VERSACE Experience: PRELUDE 2 GOLD ('95) / '19/4/12 (cassette), 9/13(CD)
- The Gold Experience ('95)
- Chaos and Disorder ('96) ('19/9/13)
- Emancipation ('96) (2019/9/13)
- Crystal Ball ('98)
- The Truth ('98)
- Rave Un2 The Joy Fantastic ('99) ('19/4/26)
- Rave In2 the Joy Fantastic ('01) ('19/4/26)
- The Rainbow Children ('01) ('20/5/29)
- One Night Alone... ('02) ('20/5/29)
- One Nite Alone... Live! ('02) ('20/5/29)
- One Nite Alone... The Aftershow: It Ain’t Over! ('02) ('20/5/29)
- Xpectation ('03)
- N.E.W.S ('03)
- Musicology ('04) ('19/2/8)
- C-NOTE ('04)
- The Chocolate Invasion ('04)
- The Slaughterhouse ('04)
- 3121 ('06) ('19/2/8)
- Planet Earth ('07) ('19/2/8)
- Indigo Nights ('08)
- LotusFlow3r ('09)
- Mplsound ('09)
- 20Ten ('10)
コロナ禍の影響もありフィジカル・リリースは昨年の半分となる4枚となりました。
今後の行方
昨年のペースが続けば今年で全てフジカル化されると予想したのですが、終息の目処が立たない現状で年4枚リリースと考えれば2023年頃まで伸びるかもしれませんね。
個人的にはnpg music clubでデジタル配信のみだったアルバムのフィジカル化を切望してるのですが、手っ取り早くリリースするなら過去にフィジカル・リリースされたアルバムからの可能性が高いと思います。
その辺を踏まえて前回の妄想に加筆修正しておきます。
フィジカル・リリース経験あり
コロナ禍で工数をかけれないとするなら手っ取り早く再発出来るフィジカル経験ありのこの中のいずれかが年内リリースされるかも。
The Gold Experience
未だ"The Most Beautiful Girl In The World"の問題が解決してない為デジタル配信からも1曲除外されたまま。2019年に「The VERSACE Experience」がリリースされましたがファンとしては真の「The Gold Experience」が欲しい所。限定生産など交渉してリリースして欲しいです。
Crystal Ball (inc. The Truth)
フィジカル済の中で1作でインパクトを出すなら「Crystal Ball」が一番ではないでしょうか?!(個人的にはコレが1番出そうな気がします)
一般販売された時は「The Truth」込みの4枚組なのでアナログ盤にすればBOXも圧巻になる事間違いなし。欲を言えばSpotify等で多くのストリーミング・サービスで配信されない(TIDALは有)「Kamasutra」がフィジカル化されれば更に話題性アップです。
アルバムがリリースされた1月29日に公式で時代背景をツィートしていたし、ファンの反応次第では可能性大かも。(「Kamasutra」がリリースされた2月14日に発表されるなら最高ですけどね)
N.E.W.S
”4曲のインスト・アルバム”という表現になるとインパクトは弱いですが、14分×4曲という計算された楽曲で構成された「N.E.W.S.」は再評価されるべき作品だと思います。
(「C-NOTE」や「Xpectation」と一緒に〈Instrumental BOX〉にすれば話題性は上がるかと)
Indigo Nights
フィジカル化された中で再発が難しいのが「Indigo Nights」。
元は’07年にイギリスのO2アリーナで開催された写真集「21 Night」に同梱されたCDなので単発リリースとなれば当然パッケージデザインが必要ですね。
写真集込みで再発するかどうかで変わりますが、出来れば当時限定発売されたプリンス特製iPodに収録された40分の動画込みのスペシャル盤でリリースしてくれる事を願います。
https://www.thisisopus.com/prince/ipod/
LotusFlow3r / Mplsound
パッケージ問題で言えば「LotusFlow3r」と「Mplsound」もその1つ。
単体でリリースされた事もあるのですがプリンスの世界観を大切にするなら2枚一組。欲を言えば、当時lotusflow3r.com同様ブリアの「Elixer」を含んだ3枚組でリリースして欲しいです。
20ten
去年リリースされていれば発売10周年だった「20ten」も新聞の付録という事もありシンプルな紙ジャケでした。
当時のデザイナーだったデビー・マクガン氏(Debbie McGuan)と協力して是非当時の雰囲気を残したブックレットも制作してもらいたいです。
これがフィジカル化された暁にはロンTが発売されるといいですね。
デジタル販売のみ
パッケージやブックレットといった制作過程が必要となりますが”初フィジカル化”は購買意欲をそそること間違いないです。
Xpectation
デジタル販売のみのアルバムの中で個人的にフィジカル化希望第一位は、覆面ユニット”Madhouse”を除けばプリンスにとって初のインストルメンタル・アルバムの「Xpectation」。
2001年秋~冬にかけてレコーディングされた事も考えると「The Rainbow Children」や「One Nite Alone...」込みで200年後半から2001年のプリンスを知る貴重な作品だと思います。
C-NOTE
「C-NOTE」は「One Nite Alon... Live!」が行われたツアーで演奏されたサウンド・チェックの音源集なので「Up All Nite With Prince」に組み込んでくれたら最高だったんですけどね。
他のアルバムに比べると5曲と少ないですが、名古屋、大阪、東京の音源が収録されているので日本ファン待望の1枚です。
The Chocolate Invasion, The Slaughterhouse
「The Chocolate Invasion」,「 The Slaughterhouse」の2枚(正確にはC-NOTEも)はリリースも同日で、当時npg music clubで配信された音源を2枚に振り分けられた事も考えると2枚組でリリースされる可能性が高いと思います。
パッケージをデザインしたサム・ジェニングス氏(Sam Jennings)とエステートが良好な関係を築いていれば、ボツも含め過去の画像等を持ってるはずなので上手く進めば「Xpectation」込みの4枚組なんて事もあり得るかもしれないですね。
アルバムのリイシュー以外のプロジェクト
2014~2015年の間のアルバムも将来ソニーミュージックより全世界発売となるほか、1995年以降にレコーディングされたシングルやBサイド、リミックス、アルバム未収録曲、ライブ音源、ミュージック・ビデオなども追って発売予定。なお、1978年から1996年に録音した作品(『Prince』、『1999』、『Sign 'O' The Times』、『Lovesexy』他)計12枚のオリジナル・スタジオ・アルバムについては3年後の2021年より北米のみソニーミュージックへ権利が移行、発売となる予定だ。
この話がまだ生きていれば2021年から現在ワーナーが販売している過去作が北米のみソニーに権利が以降される事になりますが、コロナの影響で多分ズレるでしょうね。
また”1995年以降にレコーディングされたシングルやBサイド、リミックス、アルバム未収録曲、ライブ音源、ミュージック・ビデオなども追って発売予定”は、今年だと「Live At The Aladdin Las Vegas Sampler」がそれに該当しますね。
未発表(未発売)曲はまだまだありますから、是非この辺をパッケージングして欲しいです。
プリンスの未発売曲をまとめてみました
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Warnerのスーパー・デラックス・エディションはどれ?
2020年最大の話題はマイルス・デイヴィスとの共演映像も含め、プリンス・ファン以外にも強烈なインパクトを与えたと「Sign O' The Times」のスーパー・デラックス・エディションである事は間違いないでしょう。
となれば今年は何が出るのか(何がお蔵出しされるか)が気になる所。
これまで「Purple Rain」('84)、「1999」('82)、「Sign O' The Times」('87)と80年代中~後期がリリースされているので、「Around The World In A Day」('85)、「Parade」('86)、「LOVESEXY」('88)辺りが出れば更に火が付くことは間違い無しです。
ただ、今年は「Controversy (戦慄の貴公子)」('81)が40周年、「Diamonds & Pearls」('91)が30周年の記念イヤーでもあります。
この2択なら、そろそろ90年代のプリンスの再評価の願いを込めてD&Pのデラックス盤に期待したい所ですが、昨年は「Dirty Mind」が40周年、「Graffiti Bridge」が30周年にも関わらず動きが無かったんで◯周年は意識しなくて良さそうです。
ワーナーの再発はサインの時を考えると発表数ヶ月前から海外ファンがリーク情報を投稿するんで注視します!
今年はCrystal Ball、Welcome 2 America、Diamonds & Pearls?!
2月23日に↓の記事が出ました。
Diamants, Perles et Boule de Cristal : Bienvenue en 2021
www.schkopi.com
マイケル・ハウのインタビューによれば当初「Sign O' The Times」のスーパー・デラックス盤のあとに「Crystal Ball」のリリースが想定されていたそう。
HOWE, HOWE, HOWE... IT'S CHRISTMAS !
www.schkopi.com
記事では今後のリリースとしては、フェーズ1で「Crystal Ball」、フェーズ2として6~7月に「Welcome 2 America」、そしてフェーズ3に「Diamonds & Pearls」のスーパー・デラックスのではと分析されています。
コロナ禍でフィジカル・リリースが厳しいのでスケジュール通り行くかどうか...