ザ・タイム / アイスクリーム・キャッスル
Released:1984/7/2 (vaultでは9と表記) | Label: Warner Bros.
Track List
- Ice Cream Castles (7:33) P
- My Drawers (4:04) P
- Chili Sauce (5:45) P
- Jungle Love (5:29) P
- If The Kid Can't Make You Come (7:33)
- The Bird (7:40)3 P
Personnel
Produce, Arranged
- Morris Day & The Starr Company (Prince)
Written
- Prince (as Jamie Starr), Morris Day (credited Morris Day) (1)
- Prince, Jesse Johnson, Morris Day (credited Morris Day and Jesse Johnson) (4)
- Prince, Jesse Johnson, Morris Day (credited Morris Day) (6)
Member
- Morris Day (lead and background vocals)
- Jesse Johnson (guitar And background vocals)
- Jerome Benton (percussion and voice)
- Jellybean Johnson (drums)
- ST. Paul Peterson (keybords,background vocals)
- Jerry Hubbard (bass and voice)
- Mark Cardenas (keybords,background vocals)
Musician
- Prince (all background vocals and instruments)
- Sharon Hughes (voice) (3) (background vocals) (5)
- Novi Novog (violin) (3)
アルバム・レビュー
プリンスの主演映画『Purple Rain』に、プリンス演じるキッドのライバルとして登場したザ・タイム。このサード・アルバムは、その映画で使用された主要ナンバーを中心に構成されていますが、本作をリリースするまでには、バンド内で大きなメンバーチェンジがありました。
今や重鎮プロデューサーとなったジミー・ジャム&テリー・ルイスが、S.O.S.バンドのプロデュース業を優先して1983年3月24日にサンアントニオで行われた〈1999 Tour〉に遅刻したことで、プリンスが彼らを解雇。翌年にはキーボードのモンテ・モアも脱退します。
そのため本作では、後にザ・ファミリーのメンバーとなるポール・ピーターソンとジェローム・ベントン、Extra(元エクス・プレジデント)のマーク・カルディナス(当時はマーク・カナディナスと表記)、アレクサンダー・オニールらと活動していたジェリー・ハーバートが新メンバーとして補充されました。
これまでのアルバムとの違いとしては、楽曲の主導権こそプリンス(クレジット上は「Starr ★ Company」という偽名)が握っているものの、モーリス・デイやジェシー・ジョンソンもソングライティングに深く関与し、バンドとしてのアンサンブルがより強調されている点です。
映画の撮影とほぼ同時進行で制作された今作は、モーリスとジェロームのコミカルなパフォーマンスや洗練されたファンク・サウンドが爆発的な人気を呼び、全米チャート24位を記録。アルバムとしては過去3枚の中でトップの売上となるゴールド・ディスクを獲得しました。
前述の通りプリンスが深く関わっているため、どの曲にも当時のプリンス・サウンドが色濃く息づいていますが、バンド形態としてのダイナミズムが全体の広がりを大きく増しています。特に「Jungle Love」や「The Bird」といったダンサブルなファンク・ナンバーでの盛り上がりは、当時のプリンスを凌駕するほどの勢いを感じさせます。
アルバムは商業的に大成功を収めますが、皮肉にもバンドとプリンスとの深い溝を修復することはできず、本作の発表直後に解散へと向かうことになります。
もしこのまま活動を続けていれば、プリンスとの二枚看板で80年代の音楽業界をさらに席巻したかもしれません。しかし、90年代以降の各メンバーのめざましい活躍を振り返れば、あまりにも強烈な個性と才能がぶつかり合うグループだっただけに、ここでの解散は避けられない運命だったのかもしれません。
なお、本作は映画のロングランヒットと共にその後も売れ続け、翌1985年初頭には100万枚を突破するプラチナ・ディスクに認定。ザ・タイムの代表作となりました。
発売日について
本作の米国リリース日を巡っては、Wikipediaなどの一般的なデータベースで「1984年7月2日」、Prince VaultやOn This Day in Musicなど当時の音楽業界の動向を記録した一部のデータベースなどではなどでは「7月9日」と記載されており、1週間のズレが存在します。
この背景には、当時のアナログレコード特有の流通事情があります。
- 7月2日説(出荷日ベース)
現在の権利元であるワーナー/ライノが公式に採用している日付です。レコード工場から各地のディストリビューターへ向けて発送が開始された記録に基づいているとみられます。 - 7月9日説(店頭陳列日ベース)
当時の業界誌やリアルタイムな流通記録に基づく日付です。全米のレコード店の店頭に実際に商品が一斉に並んだ「ストリート・デート」を反映している可能性が高いです。
当時は「出荷」から「店頭に並ぶ」までに時差が生じることが珍しくなかったため、どちらの日付も正解と言えます。ただ、現在の権利元(ワーナー/ライノ)が公認するオフィシャルな発売日という意味では、7月2日とするのが一般的です。
