ホワット・タイム・イズ・イット? / ザ・タイム
Released:1982/8/25 | Label: Warner Bros.
Track List
- Wild And Loose (7:32) P
- 777-9311 (7:57) P
- Onedayi'mgonnabesomebody (2:27) P
- The Walk (9:30) P
- Gigolos Get Lonely Too (4:40) P
- I Don't Wanna Leave You (6:30) P
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Morris Day & The Starr Company (Prince)
Written
- Prince (as Jamie Starr) and Dez Dickerson (credited The Time) (1)
- Prince (credited Morris Day) (2, 5)
- Prince (credited The Time) (3, 4, 6)
Member
- Morris Day (lead and background vocals), Drum (1, 4, 5)
- Terry Lewis (bass,co-lead and background Vocals)
- Jimmy Jam (keybords and vocals)
- Monte Moir (keybords and vocals)
- Jellybean Johnson (drums and percussion)
- Jesse Johnson (background Vocals) (1 ), guitar (5)
Additional Musician
- Prince (all background vocals and instruments)
- Vanity (spoken vocals) (4)
- Brenda Bennett (spoken vocals) (4)
- Susan Moonsie (background vocals) (1), (spoken vocals) (4)
- Kim Upsher (background vocals) (1)
アルバム・レビュー
プリンスの『1999』がリリースされた'82年、前作から13か月という短いスパンで届けられたザ・タイムの2ndアルバムです。
クレジット上は作詞・作曲がザ・タイム(「777-9311」と「Gigolos Get Lonely Too」はモーリス)と表記されていますが、実際はデズ・ディッカーソンが作詞で参加した「Wild And Loose」を含め、全曲をプリンスが手掛けています。プロデュースも"The Starr★Company"という偽名を使ったプリンスとモーリスの名義となっています。
レコーディングは1982年1月中旬と5〜6月の2回に分けて行われ、バンド・メンバーの演奏クレジットがあるものの、実態はプリンスがほぼすべての楽器とバック・ボーカルを担当し、モーリスがボーカルと一部ドラムス(3曲)、そしてジェシーが(5)でギターを弾いているのみでした。なお、この時期のアウトテイクには後に『1999』に回された「International Lover」や、後にザ・タイム自身がリメイクする「Jerk Out」(『Pandemonium』収録)なども含まれており、当時のプリンスの恐るべき創作意欲が窺えます。
サウンド・スタイルは前作よりも明るくキャッチーに洗練され、この頃からザ・タイムのポジションが確固たるものになった印象を受けます。
それはパフォーマンスにも如実に表れており、モーリスのちょっとオトボケでナルシスティックなキャラクターや、メンバー全員でビシッと決めるお洒落なダンス・パフォーマンスは、ソロ・アーティストとしてのプリンスには真似のできない唯一無二のスタイルでした。(もしかするとこの強力なグループ・サウンドや一体感に対抗するために、プリンスは単独名義からザ・レヴォリューションというバンド形態へと舵を切ったのかもしれません。)
アルバムはモーリスが"What time is it!"と叫んで幕を開け、デズが作詞に関わった「Wild And Loose」でのモーリスとメンバーの掛け合いが楽しいパーティー・チューンへとなだれ込みます。そして先行シングルとしてカットされ、ビルボードのソウル・チャート(R&B)で2位、ポップ・チャートでも26位を記録した「777-9311」(タイトルは当時のデズの自宅の電話番号)の変態的とも言えるリズムなど、まさに彼らの絶頂期を象徴するキラー・チューンが並びます。
続いてはプリンスの「Delirious」にも通じるロカビリー調ファンクの「Onedayi'mgonnabesomebody」や、ヴァニティの甘い語りをフィーチャーした長尺ファンク「The Walk」、そして哀愁漂うメロウ・バラードの名曲「Gigolos Get Lonely Too」からラストの「I Don’t Wanna Leave You」に至るまで、プリンス独特の匂いを色濃く残しながらも、前作以上にザ・タイムのキャラクターへ見事に寄せた仕上がりを見せています。
本作リリースに伴い、バンドはプリンスの〈1999 Tour〉にオープニング・アクトとして帯同。アルバム自体も発売からわずか数か月後の1982年11月には全米で50万枚を売り上げ、ゴールド・ディスクを獲得する大成功を収めました。
しかしこのツアーの最中、メンバーのジャム&ルイスがアトランタでのS.O.S.バンドのプロデュース仕事に起因する豪雪で飛行機に乗り遅れ、ライヴに穴を開けたことでプリンスから解雇される事態に発展します。二人がプロデューサー業へ専念することになったのはバンドにとって大きな痛手でしたが、本作の成功とこの騒動が後のトップ・プロデューサーへの大きなターニング・ポイントとなったことは間違いありません。
