アンドレ・シモーン / ザ・レザレクション・ファンク
Released:2026/8/14 | Label: Andre Cymone
Track List
- Funk P.S.A. Intro (Feat. The Funk Forecaster) (01:42)
- The Resurrection (03:35)
- The Girl Next Door (02:40)
- Turn It Up (03:28)
- Love Revolution (04:13)
- Funk is Alive (05:14)
- Funk Revolution P.S.A. (Feat. The Funk Forecaster) (01:29)
- The Revolution's On You In "O" Net (04:51)
- Show Me Love (03:18)
- Rockstar (03:12)
- Psycho Love (03:45)
- Hard Candy (04:50)
- Velvet Jones (05:21)
- Stone In Love (03:32)
- Funk P.S.A. Conclusion (Feat. Funk Forecaster) (01:27)
Personnel
Produce, Arranged
- André Cymone
Written
- André Cymone
Musician
- André Cymone
アルバム・レヴュー
前作『1969』以来、約9年4ヶ月ぶりとなる新作です。今作はタイトルが示す通り、まさに「ファンクへの鮮烈な原点回帰」と言えるアルバムに仕上がっています。
注目すべきは、クレジットに刻まれた「All music written and performed by Andre Cymone」という一文です。
初期のプリンス作品よろしく、すべての楽曲の作詞・作曲・演奏をアンドレ一人が手掛けた完全ワンマン・レコーディングとなっており、純度100%のアンドレ・サウンドが凝縮されています。また本作では、アンドレ自身が“ザ・ファンク・フォーキャスター(ファンクの気象予報士)”というペルソナを被り、作品全体に緊密な一体感とストーリー性をもたらしている点も大きな特徴です。
各曲解説
1.Funk P.S.A. Intro (Feat. The Funk Forecaster)
アルバムの幕開けを飾る1曲目「Funk P.S.A. Intro (Feat. The Funk Forecaster)」は、まさにこの濃密な旅へのエントリー・トラックとなっています。
ファンキーなトラックに乗せて「俺がファンクの気象予報士、OG DREだ」と名乗りを上げるアンドレ。ナレーションの中では、彼のホームグラウンドであるミネアポリス(ヘネピン郡)をはじめ、デトロイト、シカゴ、アトランタ、ニューヨークといったブラック・ミュージックの歴史を彩ってきた聖地・地域への深いリスペクトが捧げられます。
2.The Resurrection
1曲目のイントロから雪崩れ込むタイトル・トラックは、ずっしりとしたダウンビートが心地よいファンク・ナンバー。「ファンクはどこへ行った?本当にそこにあるのか?」と問いかけながら、見捨てられたジャンルとされていたファンクの復活を力強く歌い上げます。
3.The Girl Next Door
アンドレの真骨頂である重低音のベースが唸りを上げる、陽気でワイルドなナンバー。お気に入りのワイルドな女の子について歌われるこの曲では、歌詞の中に「77-9311」という印象的な数字が登場します。ザ・タイムの名曲「777-9311」を誰もが連想する、ファンなら思わずニヤリとしてしまうミネアポリス・マナーな仕掛けです。
4.Turn It Up
エッジの効いた鋭いギター・カッティングと、低音にエフェクト加工されたボーカルが強烈なインパクを与える1曲。声を低いピッチに加工して不気味かつ魅力的なペルソナを生み出す手法は、まさにプリンスの「ボブ・ジョージ(Bob George)」などの変名プロジェクトを彷彿とさせます。
5.Love Revolution
冒頭、オーディエンスに向けて「we need a love revolution(愛の革命が必要だ)」と高らかに宣言して始まる軽快なファンキー・ラブソング。「I see you / I want you / you want me / I need you / I feel you / Hey we should start a love revolution right now」とリフレインされるキャッチーなサビが非常に印象的で、アルバム前半のハイライトの一つと言えます。
6.Funk is Alive
2024年のアンドレの誕生日に、ファンへの感謝としてBandcampで無料配信されたトラックが満を持して収録されました。「四六時中ファンキーなビートを求めてしまう中毒性」を歌った曲で、歌詞の中には「セビリアの理髪師のように、最高のビートとカット(トラック)で満足を保証するぜ」という、理髪師の“カット”と音楽の“トラック”を掛け合わせた洒脱な言葉遊びも飛び出します。
7.Funk Revolution P.S.A. (Feat. The Funk Forecaster)
アルバムの中央に位置する2つ目のP.S.A.(公共告知)。「気象予報士」ことOG DREが再び登場し、「街を行くなら目や耳を研ぎ澄まし、青い服の男たち(警官)に気をつけろ」とストリートのリアルな緊張感を提示します。
スライ&ザ・ファミリー・ストーンの名盤『There's a Riot Goin' On(暴動)』を引用した「暴動が起きているんだ、わかるか?」という言葉に続き、「ファンクな奴、ナスティな奴は手を挙げろ!ファンクは戻ってきた。ここに留まり続けるんだ!」と高らかに宣言。よりメッセージ性が強く、かつ濃密でナスティなファンクが渦巻く後半戦へと突入していきます。
8.The Revolution's On Yo In "0" Net
第1弾先行シングルとして公開されたプロテスト・ファンク。直前のP.S.A.で提示されたストリートの緊張感を受け継ぎ、ギル・スコット・ヘロンへのオマージュを交えながら現代のネット社会や不寛容さへ鋭いメッセージを突きつけます。
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参考アンドレ・シモーンが新曲「The Revolution's On Yo In "0" Net」をリリース、8月にアルバムをリリース
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9.Show Me Love
シンプルなリズムに乗せて、平和、愛、戦争、人種といったテーマについて語りかけ、「愛を示してくれ」と切実に訴えるメッセージ・ソング。歌詞の中に「Purple Rain」をはじめとするプリンスの楽曲タイトルやフレーズが散りばめられており、溢れんばかりのリスペクトと愛が感じられます。
10.Rockstar
アンドレのロック・スピリットが炸裂する力強いファンク・ロック・ナンバー。「灼熱の太陽の下で溶け出す氷のように、ショットガンのように弾け飛ぶ」といった激しい言葉の数々から、社会の不条理や現状に対する強い怒りと衝動が伝わってきます。
11.Psycho Love
部屋のドアや窓に鍵をかけられ、「君のキスには毒が混ざり、瞳にはブードゥーが宿っている」と歌われるミドル・テンポのファンク。どこか怪しげで危険な恋愛模様を描いた、ミステリアスな色気が漂うトラックです。
12.Hard Candy
ヴォーカルにオートチューン/ヴォコーダーを効かせた甘美なスロー・ナンバー。「砂糖でコーティングされたハードキャンディ」「ハチミツの甘さ」といったエロティックなフレーズと共に、メロウなファンタジーの世界へと引き込まれます。
13.Velvet Jones
「このセクシーなシーツの上で君を転がしたい」と歌われる、とろけるように甘くエロティックなディープ・スロー。初期プリンスのバラードを彷彿とさせるメロディラインと官能的な世界観が横溢しています。
14.Stone In Love
第2弾先行シングル。社会派なテーマや官能的なスローを経て辿り着く、実質的なアルバムのラスト・ソング。ファンクという音楽そのものへの偏愛を歌い上げた、多幸感溢れる名曲です。
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参考アンドレ・シモーン、8月発売の新作アルバム『The Resurrection of Funk』から第2弾シングル「Stone in Love」を公開
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15.Funk P.S.A. Conclusion (Feat. Funk Forecaster)
濃密なファンクの旅を締めくくる最後のP.S.A。「ファンクは魂の糧であり、思考の糧だ。ファンクが世界を治める時、人々は自由になる」という温かい言葉を残し、”ザ・ファンク・フォーキャスター”ことOG DREは退場します。
そして去り際、「Resurrection Part two: Sexy Resurrection(パート2:セクシー・リザレクション)」という衝撃的な続編の予告を残していくのも見逃せません。
まとめ
前作から約9年の時を経て届けられた『The Resurrection of Funk』は、タイトル通り「ファンクの復活」を鮮烈に告げる1枚です。
完全ワンマン・レコーディングによる純度の高さと、”ザ・ファンク・フォーキャスター”に導かれるコンセプチュアルな構造。そして何より、ラジオMCの退場間際に残された「Part two: Sexy Resurrection」という言葉通り、アンドレ・シモーンのファンク革命は始まったばかり。次作も期待したいところです。(出来れば次はもう少し早いペースでのリリースを期待してます)
公式メッセージ
アルバムについて、公式メッセージを原文と対訳でご紹介します。
The Resurrection of Funk is a bold declaration that a seemingly-abandoned genre has been reborn, delivered by a master storyteller. Fresh and timely, Andre Cymone is redefining his space in the Funkmosphere (in much the same way he and his earliest collaborator Prince did with The Minneapolis Sound). Cymone once again breaks new ground with his own style of bass playing, as a colorful character known as The Funk Forecaster guides listeners through a journey into the world of Funk. With all songs written, performed and played by Cymone himself, this collection of tracks is as musically pure and concentrated as it gets.
『The Resurrection of Funk』は、一見見捨てられたかのように思われていたジャンル(ファンク)が、今まさに生まれ変わったのだという、優れたストーリーテラーによる大胆な宣言です。
新鮮で、かつ時代に即した本作において、アンドレ・シモーンは「ファンクモスフィア(ファンク界)」における自身の領域を再定義しています(かつて彼が、最初の共同作業者であるプリンスと共にミネアポリス・サウンドで成し遂げたのと、まさに同じように)。シモーンは独自のベース・プレイスタイルで再び新たな境地を切り開き、「ザ・ファンク・フォーキャスター(ファンクの気象予報士)」として知られる多彩なキャラクターが、リスナーをファンクの世界への旅へと案内します。
すべての楽曲がシモーン自身によって作詞・作曲、パフォーマンス、そして演奏されており、このトラック・コレクションは音楽的にこれ以上ないほど純粋で、濃縮されたものとなっています。
YouTube
YouTubeで全曲聴くことができます。
Bandcamp
本作はアンドレのBandcampサイトでも可能です。
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