カム・2・マイ・ハウス / チャカ・カーン
Released:1998/9/29 (98/11/21 for JP)| Label: NPG Records
Track List
- Come 2 My House (4:45) P
- (Intro) This Crazy Life Of Mine (3:06) P
- Betcha
(4:30) P - Spoon (3:49) P
- Pop My Clutch (4:47) P
- Journey 2 The Center Of Your Heart (4:15) P
'll Never B Another Fool (4:12) P- Democrazy (6:07) P
Remember U (4:16) P- Reconsider (U Betta) (4:23) P
- Don't Talk 2 Strangers (3:15) P
- Hair (5:45) P
- The Drama (6:35) P
Personnel
Produce, Arranged
, Chaka Khan- Chaka Khan, Howard McCrary & Robert D. Palmer (5)
- Kirk Johnson (14)
Written
, Chaka Khan- Chaka Khan, Howard McCrary, Robert D. Palmer (4)
- Prince (credited as
) and Sandra St. Victor (uncredited) and Tom Hammer (uncredited)(7) - Larry Graham (13)
- Kirk Johnson (14)
Additional Musician
- Chaka Khan ( lead vocals)
(all instruments)- Michael B. Nelson (trombone) (1, 6, 9, 11, 13)
- Kathy Jensen ( baritone sax) (1, 6, 9, 11, 13)
- Brian Gallagher (tenor sax) (1, 6, 9, 11, 13)
- Dave Jensen (trumpet) (1, 6, 9, 11, 13)
- Steve Strand (trumpet) (1, 6, 9, 11, 13)
- Clare Fischer (2, 3)
- Larry Graham (bass) (4, 13) (vocal) (9)
- Brother Jules (scratches) (4)
- Queen Latifah (vocals) (6)
- Chanté Moore (vocals) (7)
- Marva King (background vocals) (9)
- Rhonda Smith (bass) (10)
- Kirk Johnson (all instruments) (14)
アルバム・レビュー
アルバム制作の経緯とプロデューサー陣
1996年リリースのベスト盤を最後に、長年所属したワーナー・ブラザースとの契約を切られてしまったチャカ・カーン。そんな彼女の音楽的な危機を救ったのは、同じくワーナーと決別し、自身のレーベル「NPG Records」を立ち上げていたプリンス(当時は の
名義)でした。
本作は、1997年11月から1998年6月にかけて、ミネソタ州のペイズリー・パーク・スタジオでじっくりと制作されました。大半の楽曲はチャカとプリンスの共同プロデュースおよび共作という形で仕上げられています。バックを固めるのは当時のNPGとNPGホーンズ(後のHORNHEADS)、そしてレーベル・メイトであるスライ&ザ・ファミリー・ストーンの伝説的ベーシスト、ラリー・グラハム。さらにシャンテ・ムーアやクィーン・ラティファといった豪華ゲストも参加しています。
本作のリリース日は、公式サイトやWikipediaなどでは「1998年7月21日」と書かれていますが、実際に米国の店頭へ並んだのは約2ヶ月遅れた9月29日でした。当初は確かに7月21日発売予定でプレスリリースも配られていたものの、制作終盤になって「Democrazy」が急遽ペイズリー・パークで録音されて追加されたり、アートワークの調整が入ったりと、いかにも当時のプリンス案件らしいバタバタ劇が発生。結局マスターの提出がずれ込み、発売延期となったわけです。実際、米ビルボードのチャートに本作が初登場したのも10月中旬のことでした。
ちなみに本作は、NPGの『Newpower Soul』、ラリー・グラハムの『GCS 2000』と共に、「New Power Pack」としてプリンスの公式サイトで3枚組としてもリリースされました。自分のアルバムを買うついでに、素晴らしい才能を持つ2人のアルバムも聴いてほしいという、プリンスの優しさとバックアップ体制が詰め込まれたパッケージでした。
楽曲について
チャカ・カーンが放つソウルフルで圧倒的なボーカルと、プリンスによるタイトでファンキーなミネアポリス・サウンドが見事に融合した、非常に贅沢な作風に仕上がっています。
オープニングを飾るタイトル・トラック「Come 2 My House」は、チャカの吐息混じりのボーカルと分厚いホーン・セクションが絡み合う、怪しくもスリリングなナンバーです。続く「This Crazy Life Of Mine」では彼女の代名詞とも言える伸びやかな歌声を堪能でき、「Betcha Eye」ではボブ・ディランの「Like A Rolling Stone」の歌詞を引用しつつ、最高にファンキーなグルーヴを生み出しています。
また、美しいバラード「Journey 2 The Center Of Your Heart」でボーカリストとしての懐の深さを見せつけたかと思えば、プリンスとの息の合ったデュエットを楽しめる「Democrazy」のような楽曲もあり、アルバム全体を通して彼女の健在ぶりを強くアピールしています。中盤の「Pop My Clutch」ではクィーン・ラティファのキレのあるラップが楽曲を引き締め、ラストの「The Drama」ではカーク・ジョンソン制作のトラックにプリンスがバックボーカルを添えるなど、NPGファミリー総出でチャカを盛り上げる温かい空気感が伝わってきます。
プリンス関与曲のエピソード
「
'll Never B Another Fool」の複雑な生い立ち
元々はサンドラ・St.ヴィクターらが書き、彼女の1993年の幻のデビュー盤に「I'll Never Open My Legs Again」として収録される予定だった楽曲です。これを気に入ったプリンスが、マイケル・Bとソニー・TのサンプルCD『Funky-ass Loops』から音源を拝借して再構築。タイトルが露骨すぎると感じたプリンスが改題し、1995年半ばのヴェルサーチのショー用音源企画『Playtime By Versace』プロジェクトに収録されましたが、同プロジェクトは未発表となり、最終的にチャカの手に渡りました。
サンドラとのコラボは複数曲あり、そのうちの1曲は『Emancipation』、もう1曲はヴァン・ゴッホに渡されました。
「Don't Talk 2 Strangers」の数奇な運命
元々、1992年に映画『I'll Do Anything』のために書かれたものでした。しかし、映画の試写での反応が悪く音楽シーンが全カットされてしまい、長らくお蔵入りに。その後、1996年の映画『Girl 6』のサントラでプリンスのオリジナル版が日の目を見ましたが、本作のためにチャカのボーカルで新たに生まれ変わりました。
幻のボーカル・トラックを再利用
「Journey 2 The Center Of Your Heart」は、1995年にステイシー・フランシスやシャンテ・ムーアのためにレコーディングされていた楽曲でした。最終的にチャカの曲となりましたが、シャンテ・ムーアが録音していた見事なバック・ボーカルはそのまま本作でも活かされています。
「Feel Good」の再構築
「Reconsider (U Betta)」は、実は1995年に録音された楽曲「Feel Good」のトラックを再利用したリメイクです。注意して聴くと、43秒付近でプリンスの「don't you wanna...」という声がそのまま残っているのが確認できます。
