プリンスの幼馴染で初期のバンド・メンバーだった事でも知られるアンドレ・シモーン(André Cymone)が、1年振りの新曲「The Revolution's On Yo In "0" Net」を7月2日にリリースしました。
The Revolution's On Yo In "0" Net

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The Revolution's On Yo In "0" Net | André Cymone
andrecymone.bandcamp.com
ギル・スコット・ヘロンへのオマージュと鋭いメッセージ
一見するとどのように読むのか悩んでしまう特徴的なタイトルですが、これは「The Revolution's on Your Internet(革命は君のインターネット上で起きている)」をストリート風の当て字(表記遊び)で表現したものです。
このタイトルは、ギル・スコット・ヘロンが1971年に発表した名曲「革命はテレビ放映されない(The Revolution Will Not Be Televised)」から強いインスピレーションを得ています。
アンドレは、現代における革命の舞台は「インターネット」へと移り変わったと歌います。既存の巨大メディアや権力、商業主義への批評を交えながら、現代社会へ向けて以下のように鋭く警告しています。
"The revolution will not be televised… The revolution's on your internet."
(革命はテレビには映らない……革命は君のインターネットの上で起きているんだ)
"They want us checking out what goes down… Don't get caught up in distraction."
(彼らは僕たちにくだらないニュースばかりをチェックさせようとする。そんな誘惑に囚われるな)
曲調は、身体が自然に揺れるような快活で明るいファンク・サウンド。特に後半の展開では、ファンカデリックの「One Nation Under a Groove」を強く意識させるアプローチを見せます。
ネット社会のデマ(Lie)や分断(Wide)に惑わされず、僕たちはもっと高いところを目指す一つの共同体(Nation)になろう、と熱く連呼するパートは本作の大きなハイライトです。
特筆すべきは、本作もBandcampにて無料で公開された点です。
「革命は商業主義のものではない」という歌詞の通り、大手の音楽ビジネスやプラットフォームに依存せず、無料で届ける姿勢そのものが、この楽曲の持つメッセージを更に強くしています。
プリンス『The War』との比較:二人が見せたアプローチの違い
ギル・スコット・ヘロンの精神(スポークン・ワードやプロテスト)を受け継いだ楽曲といえば、プリンスが1998年に発表した26分に及ぶ大作『The War』が思い出されます。
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参考The War / ザ・ウォー ('98)
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プリンスの『The War』は、世紀末の危機感をそのまま音にしたような、ダークで重厚なサイケデリック・ファンクであり、聴き手にシリアスな覚悟を迫る重々しいサウンドでした。それに対し、今回のアンドレはどこまでもグルーヴィで開かれた明るいサウンドを選択しています。
アプローチは対照的ですが、アンドレの根底にあるのは、かつてPファンクなども得意とした「踊らせながら、考えさせる(Make 'em dance, make 'em think)」というファンクの伝統的、かつ最も粋な精神。最高に踊れるビートに身を委ねさせながらも、伝えるべきメッセージはビシッと芯を通して伝えるアンドレならではのファンク・スピリットが炸裂した楽曲です。