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クエストラヴが語る、EWF新作ドキュメンタリーと「プリンスの映画を作らない理由」

ザ・ルーツのリーダー、クエストラヴ(アミール・“クエストラヴ”・トンプソン)は近年、映画監督としても目覚ましい活躍を見せています。
オスカーとグラミー賞に輝いた『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』を皮切りに、スライ・ストーンのドキュメンタリー『Sly Lives』など、音楽史に深く切り込む名作を次々と世に送り出してきました。
そんな彼が新たに挑んだのが、HBOで公開されたアース・ウィンド&ファイアー(EWF)のドキュメンタリー『Earth, Wind & Fire (to Be Celestial vs. That’s the Weight of the World)』です。

variety.comのインタビューでEW&Fのドキュメンタリーについて、そしてプリンスについて語りました。

Questlove on Earth, Wind & Fire Documentary, Why He’ll Probably Never Make a Prince Film, and What’s Coming Next

Questlove on Earth, Wind & Fire Documentary
Questlove on Earth, Wind & Fire Documentary

variety.com

EW&Fについてはかなり詳しく答えていますので一部のみ紹介します。

EW&Fドキュメンタリーの経緯と、描かれるリアルな人間模様

今回の映画についてクエストラヴは、単なるグループの功績を称える「礼賛映画(聖人伝)」にはしたくなかったと語っています。

映画の中心となるのは、創設者であるモーリス・ホワイトの複雑な生い立ちです。わずか5歳の時に母親に置いていかれたという深い心の傷が、その後の彼の音楽や人生にどのような影響を与えたのか。そして、70年代に一世を風靡したEWFが、なぜ80年代に入ると disciples(弟子たち)であるクール&ザ・ギャングやジャクソンズの後塵を拝し、冷遇されることになってしまったのか。輝かしい成功の裏にあるダークでリアルな側面に曇りのない眼で迫った、人間ドラマとしての魅力が語られています。

なぜプリンスのドキュメンタリーを作らないのか

インタビューの終盤、インタビュアーのジェム・アスワド氏は、誰もが気になっていた「本題」をクエストラヴに投げかけます。
「あなたは実質的に世界最大のプリンスのファンであり、彼を知っていて、共演もしたことがあり、彼の音楽を隅々まで知り尽くしています。それなのに、なぜこれまでプリンスのドキュメンタリーを作っていないのですか?」
この問いかけに対し、クエストラヴは以下のように答えました。

“You know what, sometimes you wanna get right into the fire. Prince’s story — I’m way too close, his story is way too close to my existence, and I’m almost afraid that I would make it a love letter, no matter what. And I know his story is very complex. I will also say that I believe that Ezra Elderman has made the definitive Prince documentary, although the estate doesn’t agree.”
あのね、時には火の中に飛び込みたくなることもあるけれど、プリンスの物語に関して言えば、俺はあまりにも近すぎるんだ。彼の物語は俺の存在そのものに近すぎて、どう転んでもただの「ラブレター(ファン目線の礼賛映画)」にしてしまうんじゃないかと、自分でも怖いくらいなんだ。もちろん、彼の物語が非常に複雑であることも分かっている。それと、俺はエズラ・エデルマンが決定版となるプリンスのドキュメンタリーを作ったと信じているよ。遺族(エステート)は同意していないけれどね。

エズラ・エデルマン監督によるプリンスのドキュメンタリーは、遺族側との決裂により現在公開が差し止められ、お蔵入り状態となっています。

参考エステートがNetflixで制作中だったプリンスのドキュメンタリーの公開中止と新たなドキュメンタリーを制作すると発表

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さらに、その幻のドキュメンタリーを既に視聴したというクエストラヴは、こう続けました。

“Yes, I’m in it and I’m one of the lucky maybe 30 people that have seen it. Maybe it’s just not time now. But it changed my life — that film affected my storytelling. Without that documentary, I don’t know if the Sly doc or the Earth, Wind and Fire doc would have turned out the way they did.”
ああ、俺も出演しているし、それを見た幸運な30人ほどの中の一人だ。今はまだ、その時ではないのかもしれない。でも、あの映画は俺の人生を変えた。あの映画は俺のストーリーテリング(物語の紡ぎ方)に影響を与えたんだ。あのドキュメンタリーがなければ、スライのドキュメンタリーやアース・ウインド&ファイアーのドキュメンタリーが、今のような形で完成したかどうかは分からない。

ファンとしての距離感の難しさを自覚しつつ、公開されないままになっているエデルマン監督の作品へ最大の敬意を払う姿に、クエストラヴの誠実な姿勢が垣間見ることができます。

次なるプロジェクトへ

クエストラヴは現在も3つの新たなプロジェクトを同時に進めていることを明かしてくれました。
詳細についてはまだ語れないとしながらも、「1988年がヒップホップ・ミュージックにとって非常にクラシックな(歴史的な)年だった、ということだけはヒントとして言っておくよ」と語っています。

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