エルヴィス・プレスリーの半生を描いた映画『エルヴィス』を手掛けたバズ・ラーマン監督によれば、2013年に監督した『華麗なるギャッツビー』でプリンスの曲が使用されなかった事を明かしました。
Baz Luhrmann Scrapped Prince Song in Favor of Lana Del Rey for 'Gatsby'
variety.com
華麗なるギャツビー (The Great Gatsby)
『華麗なるギャツビー』は、1974年にロバート・レッドフォード主演で大ヒットした映画のリメイクで、主演のレオナルド・ディカプリオをはじめ、トビー・マグワイアやキャリー・マリガンなどの共演も話題になった映画。
サウンド・トラックのプロデューサーにはバズ・ラーマンに加えジェイ-Z(Jay-Z)がエグゼクティブ・プロデューサーとして参加し、ビヨンセ、アンドレ3000、ウィル・アイ・アム、Q-TIPなど、音楽面でも話題になりました。
プリンスに代わって収録されたのはラナ・デル・レイの曲
バズ・ラーマン監督のコメントは以下の通り。
“Prince had worked on a song for six months, and then suddenly decided to write a new one and it wasn’t right,”
"プリンスは半年間、ある曲を作っていたが、突然新しい曲を作ることになり、それが合わなかった。"
と述べており、代わりに起用されたのはラナ・デル・レイの "Young And Beautiful "だったそうです。
この曲はオーケストラ・アレンジされ、レオナルド・ディカプリオ演じるジェイ・ギャッツビーとキャリー・マリガン演じる恋人デイジー・ブキャナンのシーンで何度も使用されるテーマ曲の1つ。
プリンスを起用しようと思った経緯までは記載されていませんでしたが、舞台は違えど時代背景や雰囲気から『Under The Moon』で使用された様な楽曲を求めていたいのかもしれません。
参考Under The Cherry Moon / アンダー・ザ・チェリー・ムーン ('86)
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提供予定曲は"Love... Thy Will Be Done"
Princevaultによれば、お蔵入りになったのは、2012年に再レコーディングされた”Love... Thy Will Be Done”だったようです。
(ひろあつさん情報ありがとうございます!)
この事は2016年4月24日にもニュースで報じられていました。
Prince Worked on a Song for 'Great Gatsby' - Business Insider
www.businessinsider.com
"I was working with Prince on a song for 'Gatsby,'" Australian director Baz Luhrmann revealed during a Tribeca Film Festival talk with author Nelson George Saturday evening.
オーストラリア人の監督バズ・ラーマンは、トライベッカ映画祭で作家ネルソン・ジョージと対談した際、「私はプリンスと『ギャツビー』のために曲を作っていた」と明かした。"It was a reimagined version of a song he did with Martika called 'Love. Thy Will Be Done' and it was gonna be a major piece in it."
それは、彼がマルティカと一緒に作った "Love... Thy Will Be Done"という曲の再構築版だった。この曲は映画の中で重要な位置を占めることになるんだ。"He was in Australia touring, we did some work on it. We worked on it a lot," recalled Buhrmann.
「彼はオーストラリアでツアー中だったので、私たちは何度か作業をしました。何度もやり直したよ」とバーマン監督は振り返る。Unfortunately, because of the song's ownership, they couldn't get the rights for it.
しかし、残念ながら、この曲の所有権の関係で、彼らはその権利を手に入れることができなかった。
”Love... Thy Will Be Done”は、1991年にマルティカの「Martika’s Kitchen」に提供。
参考Martika / マルティカ
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上記の証言から2012年5月11日から2012年5月30日で開催された〈Welcome 2 Australia Tour〉期間中にレコーディングがおこなわれ、”所有権の関係”とは、この曲がプリンスとマルティカ共同クレジットだった事が問題だったのではと考えられます。
同曲は、時を経て2019年に「ORIGINAL」にプリンスのヴォーカル版が収録されました。
参考ORIGINALS / オリジナルズ ('19)
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「ORIGINALS」に”Love... Thy Will Be Done”を収録する事を勧めたのは他ならぬJAY-Z。彼にとっても思い入れの曲だったんでしょうね。
2012年頃と言えばアルバム制作から距離を置いていた時期で、監督の発言からプリンスが半年の間に1曲だけ制作したとは考えにくく、他にも候補曲を作った可能性もあります。
このあたりもいずれ情報が出てくるかもしれませんね。