ロマンス1600 / シーラ・E
Released:1985/8/26 | Label: Paisley Park Records, Warner Bros.
Track List
- Sister Fate (3:50) P
- Dear Michaelangelo (4:38) P
- A Love Bizarre (12:18) P
- Toy Box (5:32) P
- Yellow (2:11) P
- Romance 1600 (3:56) P
- Merci For The Speed Of A Mad Clown In Summer (2:47)
- Bedtime Story (3:45) P
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince (credited Sheila E.)
Written
- Prince (credited Sheila E.) (1, 2, 4, 5, 6, 8)
Prince, Sheila E (3)
Sheila E (7)
Musician
- Prince (instruments) (all) (vocals,bass,guitar) (3, 4, 5)
- Eddie M. (Eddie Minnifield) (saxophone,vocals) (1, 2, 3, 4, 6, 8)
- Susie Davis (vocals) (2, 3, 6)
- Steph Birnbaum (vocals) (3, 4) (Guitar) (2, 8)
- Benny Rietvels (vocals) (6)
- Juan Escovedo (Percussion) (3, 8)
- Karl Perazzo (bongos) (6)
- Michael Weaver (vocal) (4)
- Ken Grey (organ) (1)
- John, Steve, Ron, Dick, Robart, Tim (horn) (5)
アルバム・レビュー
『Glamorous Life』の成功により表舞台に立ったシーラ・E。この波に乗るべく約1年という短いスパンの中でリリースされた本作は、前作を上回るアグレッシヴな作品が詰まったアルバムと言えます。
また本作は、プリンス&ザ・レヴォリューションの『Around The World In A Day』、ザ・ファミリーのデビュー作『The Family』に続き、新設されたペイズリー・パーク・レコードからリリースされたシーラ・Eにとって初のアルバムという重要な位置づけを持っています。
当初『Toy Box』という仮タイトルが付けられていた本作の主要なレコーディングは、1985年1月から2月にかけて集中的に行われました。
特筆すべきは、当時のプリンスの驚異的なワーカホリックぶりです。全米を熱狂の渦に巻き込んでた〈パープル・レイン・ツアー〉の過酷なスケジュールの合間(休日)を縫って本作のセッションを行っていただけでなく、前年12月に最後の録音曲「Temptation」を終えて完成したばかりの自身の次作『Around The World In A Day』のリリース(同年4月)を控え、同時に次回作となる映画『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』の構想までも水面下で練り始めていたタイミングでした。
アルバムのクレジット上では「A Love Bizarre」を除いてシーラ・Eが全曲のプロデュースから作詞作曲、アレンジまで手掛けたことになっていますが、実際には全8曲中7曲をプリンスが全面的に手掛けています。自身の巨大プロジェクトを複数同時進行させる極限のスケジュールの中で、あれだけの過密スケジュールの中で、これほど充実した楽曲群をシーラのために用意していたのですから、プリンスの底知れぬエネルギーと創造力には圧倒されるばかりです。
ファンキーなサックスと激しいコンガのイントロの後、リズミカルなドラムとキャッチーな彼女のヴォーカルが魅力的な「Sister Fate」からスタートし、リズムがフェード・インして来て徐々に高揚し途中ではステファンのファンキーなギターが挿入される魅惑の「Dear Michaelangelo」へと続きます。
そして、本作の中核をなすのが、間髪入れずに続く3曲目の「A Love Bizarre」です。
アルバム内で唯一、プリンスとシーラの連名でプロデュース、作曲、編曲がクレジットされているこの曲は、1985年1月、〈パープル・レイン・ツアー〉の移動の合間を縫って録音されました。一部のサポートを除き、大部分の楽器演奏とコーラスをプリンスが手掛けています。
シンプルなコード進行の中に抑揚を持たせた12分18秒に及ぶ大作であり(アルバム発売の3ヶ月後にシングル・カットされた際はパート1と2に分割されました)、曲中にはフランス民謡「フレール・ジャック(Frère Jacques)」(日本では「グーチョキパーでなにつくろう」メロディでお馴染み)のメロディが引用されています。このフレーズは同時期にシーラがリミックスした「Pop Life」のFresh Dance Mixや、1987年のマッドハウスの「Nine」でも使われるなど、当時のプリンスのインスピレーションを象徴するモチーフとなっています。
シーラに提供した楽曲でありながらプリンス自身もこの曲を非常に気に入っており、後年の自身のライブでも長年にわたり頻繁に披露するなど、まさに二人の才能が結晶化したプリンス・ファミリー屈指の名曲と言えます。
この他、サウンドやテクニックよりも彼女のワイルドな一面をアピールした「Toy Box」、再びプリンスとデュエットした4ビートのジャズ・ナンバーの「Yellow」、疾走するビート感がエフェクトをかけたシーラのヴォーカルがカッコ良いタイトル・ナンバーの「Romance 1600」が続きます。
コミカルな演奏を混ぜつつ彼女のパーカッショニストとしての実力を存分に発揮しているインスト・ナンバーの「Merci For The Speed Of A Mad Clown In Summer」は、本作で唯一プリンスが作曲に関与していない楽曲ですが、ここでも彼はキーボードでしっかりとサウンドを支えています。そしてラストには彼女の妖艶な魅力が溢れるセクシーな「Bedtime Story」と全曲を通して、前作では聴けなかった彼女の魅力を存分に楽しめる作品だと思います。
本作からは4枚のシングルがリリースされ、ビルボード・ポップ・アルバム・チャートで最高50位、ソウルLPチャートで最高12位を記録しました。常人離れした多忙さの中でも、プリンスの強力なバックアップとシーラのポテンシャルが見事に融合した傑作です。
Paisley Park Records第2弾アルバム
リリース順では「The Family」がアメリカで1週間早くリリースされましたが、カタログ番号順では「Romance 1600」Paisley Park(9 25317-1), Warner Bros. Records(1-25317)に対し「The Family」はPaisley Park(9 25322-1), Warner Bros. Records(1-25322)と逆になります。
Paisley Park Recordsとしては第一弾が「Around The World In A Day」でシーラが第2弾となります。プリンスが2組にかける想いの差がここにも現れたのかもしれませんね。
Music Video
Live Romance 1600
アルバムのリリース後に行われたライブが「ライブ・ロマンス1600」というタイトルで映像化されました。
ラストにはプリンスとジェローム・ベントンが登場し圧巻の"A Love Bizarre"を披露します。
