ザ・ファミリー / ザ・ファミリー
Released:1985/08/19 | Label: Warner Bros. Paisley Park Records
Track List
- High Fashion (5:06) P
- Mutiny (3:57) P
- The Screams Of Passion (5:26) P
- Yes (4:27) P
- River Run Dry (3:31) P
- Nothing Compares 2 U (4:31) P
- Susannah's Pajamas (3:58) P
- Desire (4:58) P
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince (credited David Z. Rivkin & The Family)
Written
- Prince (6)
- Prince (credited Jerome Benton & St. Paul Peterson) (1)
- Prince (credited Jerome Benton) (2)
- Prince (credited St. Paul Peterson & Susannah Melvoin) (3)
- Prince and Eric Leeds (credited Jellybean Johnson & Jerome Benton) (4)
- Bobby Z. (5)
- Prince and Eric Leeds (credited Eric Leeds) (7)
- Prince (credited St. Paul Peterson) (8)
Member
- St. Paul Peterson (vocals)
- Susannah Melvoin (vocals)
- Eric Leeds (saxophone)
- Jellybean Johnson (drum)
- Jerome Benton (percussion)
Additional Musician
- Prince
- Wendy Melvoin (guitar) (4)
- Clare Fischer (orchestration) (1, 3, 5, 6, 8)
アルバム・レビュー
'84年、モーリス・ディがザ・タイム存続に嫌気がさし脱退した事で空中分解。
そこで当時のメンバー(ジェローム・ベントン、ST.ポール・ピーターソン、ジェリービーン・ジョンソン)にレヴォリューションのウェンディの双子だったスザンナ・メルヴォワンとエリック・リーズを加えた5人で編成されたのがザ・ファミリーです。
クレジット上は名曲"Nothing Compares 2 U"だけ関与した事になっていますが、実際にはボビー・Zが提供した"River Run Dry"(この曲はボビー・Zのソロ・アルバムにも収録)以外はレコーディングの殆どをプリンス1人で行い、ヴォーカル部だけメンバーが録音したと言われてます。(クレジットにはジェローム・ベントンやミコ・ウィーバーがクレジットされてますが実際は参加してない)
後述しますがST.ポールの話によれば、エデン・プレイリーにあるフライング・クラウド・ドライヴ・ウェアハウスで録音され、後日ポールの実家に届けられたそうです。
アルバム全体のサウンドは作られたタイミング的にも前述の「Around The World In A Day」や「Parade」に通じる楽曲が多く聴く事ができます。シンプルなサウンドが全体の骨格を作っている辺り等を聴くと「Parade」に近い印象を受けます。
恋愛の様で裏にはモーリス・ディとの亀裂を歌った"Mutiny"は、"New Position"の流れを汲む余計なサウンドを削ったハード・ファンク・ナンバーですし、"High Fashion"等は"Kiss"の原形の様です。
その他ではスザンナとポール(プリンスとソックリの声!)のデュエット・ソングのポップ・チューンの"The Screams Of Passion"や、プリンスも好んでカヴァーした"Nothing Compares 2 U"など、名曲が数多く収録されています。
アルバムを発売する直前にザ・ファミリーは解散してしまったのは本当に残念です。
ST.ポールによる回想
Roughly 34 years ago, Prince sent a song to my mothers house for me to learn for our new project called The Family. My instructions were to learn the melody, his inflections, and be ready to record it soon there after at his warehouse in Eden Prairie. It was a ballad called #NothingCompares2U. Little did I know that my band mates and I would help give birth to one of #Princes greatest songs.
今からおよそ34年前、プリンスは『ザ・ファミリー』という新しいプロジェクトのために、ある曲を僕の母の家に送ってきた。僕への指示は、メロディと彼の抑揚を覚えて、イーデン・プレーリーの彼の倉庫ですぐにレコーディングできるようにすることだった。それは 「Nothing Compares 2 U 」というバラードだった。 バンド仲間と私は、プリンスの名曲のひとつを誕生させる手助けをすることになるとは思ってもみなかった。Fast forward to two days ago, when I once again was sitting in the very same house (I bought my mom's house when she passed), and I received the exact same version of the song, now properly mixed with #Princes lead vocal on it. Memories of those incredible times with him and my band mates came rushing back. We were so young, and didn't realize the impact this song would have on the world.
そして2日前、私は再び同じ家(母が亡くなったとき、私は母の家を買い取ったのだ)に座り、まったく同じバージョンの曲を受け取った。 彼やバンド仲間との素晴らしい時間の思い出が蘇った。 私たちはとても若く、この曲が世界に影響を与えることになるとは思ってもみなかった。
スザンナによる回想
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1985 on this day “The Family” album was released!
I want to express a deeper appreciation. not only for the music on this record ,but to what I feel represents much more than the sum of its parts . I’ll go back a little and explain.
アルバム『The Family』がリリースされた1985年のこの日!
私は、このアルバムに収録されている音楽だけでなく、その作品の持つ素晴らしさをより深く理解してもらいたいと思うの。少しさかのぼって説明するわ。In 1985 Prince and I had been watching many black and white films. We’d get VHS tapes sent to us from various friends some of The thin man series with William Powell and Myrna Loy or the Philadelphia Story with Kathrine Hepburn , Cary Grant and Jimmy Stewart to name a few. Movie nights would fill us with wonder and romance.
We spoke a lot about how we envisioned the Family art work and visual representation could be.That led us to my art book of black and white Horst P. Horst photographs and my love of his work.
1985年、プリンスと私はたくさんのモノクロ映画を見ていたの。ウィリアム・パウエルとマーナ・ロイが共演した『THE THIN MAN (影なき男)』(1934年)や、キャサリン・ヘプバーン、ケーリー・グラント、ジミー・スチュワートが出演した『The Philadelphia Story (フィラデルフィア物語)』(1934年)とかね。映画を観る夜は、私たちを驚きとロマンスで満たしてくれたの。
私たちはファミリーの作品や 視覚的な表現がどのようなものであるべきか思い描く方法についてたくさん話したわ。そしてホルスト・P・ホルストのモノクロ写真の画集と、彼の作品への想いがつながっていったのよ。
Horst P. Horst Photography - Holden Luntz Gallery
www.holdenluntz.com
One particular famous photo being the iconic 20th century piece “The Mainbocher Corset”written up as an erotically charged mystery in 1939, and still felt that way in 1985. We decided that this was the theme we’d navigate.
特に有名な写真は、20世紀を象徴する作品『マインボッチャーのコルセット』で、1939年にエロティックなミステリーとして脚光を浴びたの。私たちはこのテーマで作品を制作することに決めたわ。We wanted a Horst photo! we wondered if Horst was still alive and taking photographs of any kind and To our utter amazement we heard that he was in fact, taking photos and would be able to shoot the band . Within a week Horst had flown from France with his team of grips and assistants to help him with the shoot.
They set the scenes to his liking and then the maticulous lighting and pre photos to guide him through the shots. This took hours and hours. Then we were called in to the scene.
私たちはホルストの写真が欲しいと思っていたの!
ホルストはまだ存命で、何か写真を撮っているのだろうかと調べたら、驚いたことに彼は今も写真を撮っていたので、バンドを撮影することができるだろうかと聞いたの。すると一週間もしないうちに、ホルストはフランスから撮影を手伝ってくれる彼のスタッフチームとアシスタントを連れて飛んできてくれたの。
彼らは彼の好みに合わせてシーンをセッティングし、撮影をガイドするために綿密なライティングと前撮りを行った。これには何時間もかかった。そして私たちは現場に呼ばれた。Paul and I were placed delicately close together for the first shot. The front album art is perfectly structured and navigated by Horst.
It’s the Horst P.Horst lighting, setting and the iconic portrait photo that I wanted to acknowledge in its glory and beauty . We are forever frozen in a Horst moment in time . To this day I’m still in awe that we were part of history.
ポールと私は、最初のショットのために繊細に接近して撮影されたの。アルバムのフロント・アートは、ホルストによって完璧に構成され、演出されているの。
ホルスト・P・ホルストのライティング、セッティング、そして象徴的なポートレート写真こそ、私がその栄光と美しさを認めたかったものなのよ。私たちは永遠にホルストの一瞬の中に閉じ込められたままなの。今日に至るまで、私たちが歴史の一部であったことに畏敬の念を抱いているわ。I heard that thismay have been his last portrait shot.So, I leave you with a little erotically charged mystery.. “the Scremas Of Passion was the first single of the Family record and went to #9 the R&B charts. In any case that it charted at all was a testament to the sum of its parts im referring to .
これが彼の最後のポートレート写真になったかもしれないと聞いた。「The Scremas Of Passion」はザ・ファミリーのファースト・シングルで、R&Bチャート9位を記録したわ。この曲がチャートにランクインしたことは、私が言ったように、この曲が持つ素晴らしい音楽性を証明するものであったわね。Eric leeds has no IG❤️❤️❤️
love, susannah
エリック・リーズはインスタグラムを持っていない❤️❤️❤️
ラブ、スザンナ
リリース順ではPaisley Park Records第2弾アルバムだけど...
リリース順ではPaisley Park Records第2弾アルバムなのですが、カタログ番号順では「The Family」はPaisley Park(9 25322-1), Warner Bros. Records(1-25322)に対し、シーラ・E.の「Romance 1600」はPaisley Park(9 25317-1), Warner Bros. Records(1-25317)と逆になります。
つまりレーベルとしては第一弾が「Around The World In A Day」でシーラが第2弾となります。
当時プリンスが2組にかける想いの差がここにも現れたのかもしれませんね。
Live (1985)
Nothing Compares 2Uのセルフ・カヴァー
名曲"Nothing Compares 2U"の歌詞の冒頭"It's been seven hours and thirteen days・・・"(あなたが去ってしまってから13日と7時間後)の通り、2016年5月4日の17時7分にfDeluxe (A.K.A. The Family)のメンバーが集まってカヴァーを公開しました。
シネイド・オコナー版
"Nothing Compares 2U (愛の哀しみ)"は'93年、シネイド・オコナー(当時はシンニード・オコナー : Sinead O'Connor)にカヴァーされた事で再評価されました。
プリンスのヴォーカル・バージョン
’18年4月19日、プリンスによるヴォーカル・バージョンもリリースされました。
MVは当時のリハーサル風景を収めたもので、プリンスがいかにライブの為にたゆまぬ努力をしていたのか再確認出来ます。
2019年6月には「The Originals」に2種類のバージョンが収録されました。