コンデンセート / ザ・オリジナル・セヴン
Released:2011/10/18 | Label: Saguaro Road
Track List
- O7ven Intro (0:55)
- Strawberry Lake (5:09)
- O7ven Press Conference Intro (1:01)
- Condensate (3:04)
- #Trendin (4:08)
- If I Was Yo Man (5:35)
- Role Play (4:44)
- Sick (4:19)
- Lifestyle (5:10)
- Faithful (4:40)
- Cadillac (3:51)
- Aydkmn (5:13)
- One Step (3:35)
- Toast To The Party Girl (5:34)
- Hey Yo (4:32)
- GoHomeToYoMan (5:29)
Personnel
Produce, Arranged
- Jimmy Jam & Terry Lewis (1-6, 9, 10, 11, 13-16)
- Jimmy Jam & Terry Lewis, Jesse Johnson (7, 8, 12)
Written
- Jimmy Jam & Terry Lewis (1,3-5, 10, 11, 13, 14)
- Jimmy Jam & Terry Lewis, Morris Day (2, 6, 9, 15)
- Jimmy Jam & Terry Lewis, Morris Day, Jesse Johnson (7)
- Jimmy Jam & Terry Lewis, Jesse Johnson (8, 12)
- Jimmy Jam & Terry Lewis, Monte Moir (16)
Member
- Morris Day (lead and background vocals)
- Terry Lewis (bass,co-lead, background Vocals)
- Jimmy Jam (keybords, vocals)
- Monte Moir (keybords, vocals)
- Jellybean Johnson (drums, percussion)
- Jesse Johnson (guitar, vocals)
- Jerome Benton (percussion, vocals)
Additional Musician
- Sue Ann Carwell (vocals) (2)
- Carla Carter (vocals) (9)
- Treasure Davis (vocals) (14)
アルバム・レビュー
リリースまでの経緯
1990年の再結成アルバム『Pandemonium』以降、メンバーたちはそれぞれの活動に戻っていました。
2004年頃から再結成の噂はありましたが、実際に大きく動き出したのは2008年の第50回グラミー賞授賞式です。 オリジナル・メンバーでの「Jungle Love」のパフォーマンスなどが好評だったことで、7人揃っての新作制作へと向かいました。 しかし2011年のリリース直前、プリンス側から「The Time」の名称使用許可が下りないことが判明します。ライブ活動はできても、新作アルバムを流通させるには商標の問題がありました。
メンバーたちはプリンスとの法廷闘争を避け、「1981年から音を作ってきたオリジナルの7人」という事実をそのまま名前にして、「The Original 7ven」へと改名します。 そうして21年ぶりの通算5枚目となるアルバム『Condensate』は無事にリリースされました。
楽曲とサウンドについて
プロデュースはジャム&ルイスを中心に、一部ジェシー・ジョンソンも担当しています。 プリンスが関わっていないため、7人にとっての実質的なデビュー作とも言えます。 80年代のミネアポリス・ファンクのノリを当時の現代的なプロダクションでタイトにまとめたサウンドです。 ジャム&ルイスのシンセやうねるベース、ジェシーのギターカッティングがバランス良く配置され、スタジオでのセッションの熱量や機材の手触りが素直に伝わってきます。
オープニングの「O7ven Intro」から続く「Strawberry Lake」は、初期ミネアポリス人脈のスー・アン・カーウェルを迎えたファンクで、スライ&ザ・ファミリー・ストーンを思わせるバンドならではの生々しく開放的なグルーヴが楽しめます。
そこからゆったりとしたミディアム・ファンクのタイトル曲「Condensate」や、Twitter(現X)を題材にした「#Trendin」へと展開し、モーリス・デイとジェローム・ベントンのいつもの軽妙な掛け合いからは、リラックスしたスタジオの雰囲気が伝わってきます。
アルバム後半もジェシーのギターが軸になる「Role Play」や「Sick」、ジャム&ルイスらしいスロー・バラード「If I Was Yo Man」、モーリスの囁きが印象的な「Cadillac」から最後の「GoHomeToYoMan」まで、各人のアイデアが淀みなく自然にまとまっています。 プリンスの手を離れたからこそ実現した、彼らならではのバンド・サウンドです。
エピソード・トリビア
改名を逆手に取った記者会見スキット
3曲目の「O7ven Press Conference」は、バンド名変更について質問してくる記者たちをあしらう架空のスキットです。 プリンスとの権利問題をあえて笑いのネタにする、メンバーらしいユーモアが挟まれています。
スー・アン・カーウェルのゲスト参加
「Strawberry Lake」のコーラスには、プリンス関連の初期作品にも関わっていたスー・アン・カーウェルが参加しています。 前年にジェシー・ジョンソンとアルバムを作っていたこともあり、旧知の仲間として自然にセッションへ加わったようです。
ジェシー・ジョンソンの突然の脱退
リリース直後の2011年12月、ジェシー・ジョンソンがSNS上で突如バンドからの脱退を表明しました。 意見の相違から7人でのツアーは実現せず、ジェシーはそのままディアンジェロのバンドへ移ります。 ジャケット写真でジェシーがカフスを直す手が「中指を立てているように見える」とファンの間で話題になったのも、なんとも彼らしいエピソードです。
ターゲット限定盤のボーナス映像
本作には、米国の量販店「Target」限定で販売されたエディションが存在します。この限定盤には、アルバムのメイキング映像やメンバーへのインタビューを収録したDVDが付属していました。
映像内には、レコーディングスタジオでの生々しい制作風景のほか、彼らが「The Original 7ven」へと改名せざるを得なかった舞台裏も克明に記録されています。
メンバーのモーリス・デイは、当時の心境とバンド名への思いについて、次のように語っています。
「We call this thing the Original 7ven because we were not allowed to call it The Time. So go figure that, as much as we’ve all put into this, you know, and I ain’t hating in no way. As a matter of fact, in some ways I think it’s better that it is The Original 7ven, but we’re going to talk about the fact that we weren’t able to use the name that we all worked so hard to create and make so amazing. Names are unimportant. I mean this is what it is.」
俺たちがこのバンドを「The Original 7ven」と呼ぶのは、「The Time」と名乗ることを許されなかったからだ。これまで俺たち全員がどれだけのものを注ぎ込んできたかを考えれば、わかるだろう。俺は全然恨んでなんかいないよ。実際のところ、「The Original 7ven」の方がいいとさえ思ってる。でも、自分たちが一生懸命に作り上げ、あれほど素晴らしいものにした名前を使えなかったことについては、やっぱり言っておきたい。でも名前なんて重要じゃない。これが現実なんだ。
