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TOTOのスティーヴ・ルカサーがプリンスとの思い出を語る

カリフォルニア州ロサンゼルスにあるサンセット・サウンド・レコード(Sunset Sound Recorders)のYouTubeチャンネルにスティーヴ・ルカサー(Steve Lukather)が出演し、TOTOのアルバムをはじめ、プリンスとレコーディングした時の思い出を語りました。

Steve Lukather !!! The Interview. Sunset Sound Roundtable

ホストはプロデューサーのドリュー・デンプシー(Drew Dempsey)が務め、サンセット・サウンドのオーナー兼社長のポール・カマラタ(Paul Camarata)と、1999 Super Deluxe Editionのミックスも担当したプロデューサー兼レコーディング・エンジニアのニコ・ボラス(Niko Bolas)と共に、色んなエピソードを語っています。その中から下記の記事も参考にプリンスのエピソードをまとめました。

※プリンスの会話は42分30秒辺りから

Steve Lukather recalls how Prince gave him the silent treatment and shares memories of being one of the few guitarists to jam with Eddie Van Halen live | MusicRadar
Steve Lukather recalls how Prince gave him the silent treatment and shares memories of being one of the few guitarists to jam with Eddie Van Halen live | MusicRadar

www.musicradar.com

最初の出会いは1978年頃

スティーヴ・ルカサーは1978年7月1日にリリースされたヴァレリー・カーター(Valerie Carter)の2ndアルバム『Wild Child』を制作する為、ギターのデイヴィー・ジョンストン(Davey Johnstone)、キーボードのマイク・アトリー(Mike Utley)、そしてTOTOのジェフ・ポーカロ(Jeff Porcaro)とスティーブ・ポーカロと共にレコーディング・ミュージシャンとして雇われ、初めてプリンスと出会いました。

Listen on Apple Music

記事には"Lukather first encountered Prince circa ’78"と書いてありますが、プリンスがレコーディングしたのは1977年と言われているのでステーヴの記憶違いかもしれません。

1978年のTOTOとプリンス

TOTOは10月にリリースするデビュー・アルバムTOTO (宇宙の騎士)を制作中で同スタジオを使用、プリンスは4月7日にデビュー・アルバムFor Youをリリースした年。
「For You」は1977年10月1日から12月22日までカリフォルニア州サウサリートにあるレコード・プラントで行われ、オーバーダブとミキシングを1978年1月初旬からロサンゼルスのサウンド・ラボで行われたました。
ちなみにサンセット・サウンドでレコーディングしたのは「Controversy」から。

プリンスの第一印象

スティーヴはスタジオ3でプロデューサーのジェームズ・ニュートン・ハワード(James Newtown Howard)のもとでメンバーと共にレコーディングを行っていました。
ジェームズは、スティーヴにミネソタ出身の新進気鋭の若者(当時19~20歳)がレコーディングに同席すると事になるだろうと告げ「Don’t worry (心配するな)」と付け加えたという。

マネージャーのボブ・カヴァロ(Bob Cavallo)とジョー・ラファロ(Joe Ruffalo)が発掘した若者は”プリンス”と名乗っているが、ただ座っているだけ。上層部は彼に共同プロデュースをして欲しいという話だった。

"I didn’t know Prince, so I go in, and the first thing hear is someone’s called Prince."
俺はプリンスの事を知らなかった、部屋に入ると、まずプリンスと呼ばれる人物の声が聞こえたんだ。

"‘That’s his name!? Did he give that to himself?’ I’m just being a smart-ass,” recalls Lukather.
「”それが彼の名前なのか!?彼が自分でつけたのか?”俺はただ、生意気なやつだったんだ。」とルカサーは当時の事を振り返りました。

”I didn’t know nothing about this guy! Prince, huh? So, anyway, he’s there, and he’s just this quiet, skinny little dude.”
ヤツのこと何も知らなかった!プリンス、はぁ?とにかく彼はそこにいて、静かで痩せた小さなヤツだったんだ。

黙して語らないプリンス

スティーヴがソロを弾いた時プリンスはソファに座っていましたが、スティーヴ側からはプリンスの頭が出ている事しか見えませんでした。「The couch was down there, so I couldn’t really see him (ソファが低かったから、彼の姿はよく見えなかった)」とテーブルの下に四つん這いになりながら当時の状況を語りました。
その状況はずっと続きますが、その間プリンスは何も言わなかったと語ります。

ステーヴィはこの状況に居たたまれなかった様子を語ります。

“I said to James, ‘What’s wrong with this cat man!? He’s creeping me out!’ He never said a freakin’ word to me,” says Lukather.
「俺は(プロデューサーの)ジェームズに”こいつはなんなんだよ?キモいぞ!”って。彼は俺に何も言葉を発しなかったんだ」と当時の事を振り返りました。
(プリンスの事を"cat"と表現しているのは猫のように神秘的だったのか...その後もプリンスの事を何度かcatと言っています)

“That was the first Prince encounter. I’m playing all day long and the cat never said nothing to me. he would just occasionally stare at me in a really odd way. Then he becomes Prince.”
「これが最初のプリンスとの出会いだった。一日中演奏していても、彼は何も言ってこなかったんだ。ただ時折、本当に不思議な感じで俺を見つめるんだ。それから彼はプリンスになったんだ」

 

2018年リリースの『The Lost Tapes』に収録

レコーディングしていた時の曲名は語られていませんが、恐らく「I Got Over It」で、この曲は2018年にリリースされたヴァレリーの未発表音源集『The Lost Tapes』に収録されています。

参考The Lost Tapes / Valerie Carter ('18)

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2度目の出会いは1984年

2度目の出会いは、プリンスがサンセット・サウンドのスタジオ3でPurple Rainのミキシングをしている時で、スティーヴは スタジオ2にいました。

“It was like 10 in the morning,” he says. “I was here for a tracking session for somebody – I forget who it was – and he was sitting on that purple bike, that was in the movie, in a silver lamé suit, sitting on it! He had this huge bodyguard, with the white hair.
「朝の10時くらいだったかな。」「彼は映画に出てきた紫色のバイクに銀色のラメの入ったスーツを着て座っていた。彼は白い髪の巨漢のボディーガード(ビッグ・チック[Charles "Big Chick" Huntsberry])を連れていたんだ。」

The cat was on the bike. I see him and say, ‘Hey, man!’ He goes [nods].
I got a little ‘uhh’. I am a big fan. Let me just say, as a musician…
But he wouldn’t talk to me, man, and it lasted a long time!”
バイクにに乗っていたヤツを見つけたんで“やぁ!”と言うと、彼は「うんうん」とうなずいたんだ。
俺は少し「えーっと...」となってしまったよ。俺は彼の大ファンなんだ。ミュージシャンとして言わせてもらうとね...
でも彼は俺に話しかけないんだ、しかもそれが長い間続いたんだよ!

3度目の出会い2013年開催の〈Curaçao North Sea Jazz Festival〉

3度目は10年前、スティーヴが遂にリベンジを果たします。

Ten years on

会話の冒頭の”Ten years on, Lukather got his revenge. ”と下記の”We did a show in Curacao, the North Sea Jazz Curacao”から、スティーヴ達TOTOTとプリンスが参加したオランダのキュラソー島で開催されるノース・シー・ジャズは、2013年8月30・31日に行われたライブで、TOTOは30日プリンスは31日に登場しました。
本来プリンスがライブを行った時間はアッシャーで予定されていましたが、アッシャーがキャンセルしたため急遽プリンスが参加されました。(しかも発表は20日前の8月10日)

“We did a show in Curacao, the North Sea Jazz Curacao, and we were headlining one night and Prince was headlining one night,” he says.
"キュラソー島で開催されたノース・シー・ジャズでショーをやったんだけど、僕らがある晩のヘッドライナーで、プリンスが別の晩のヘッドライナーだったんだ」と話します。

“We were there the night before. I knew we were going to this island, so six months prior I had booked the biggest suite overlooking the ocean, because it was a vacation I’m going to hang here and I want the nicest room they got. [It's] my dime!
"俺達は前夜(30日)に行ったんだ。この島に行くことは分かっていたから、6ヶ月前に海を見渡せる一番大きなスイートを予約しておいたんだ。(俺の金でだ!)」。

Well, apparently Prince wanted that room, and I already had it, and he was pissed. I was right above him.
どうもプリンスもその部屋を希望していたようだけど、俺が既に予約してたから彼は腹を立ててたよ。俺は彼の真上階の部屋にいたんだ。

I wanted to go see the show and he wouldn’t let us come on the stage and see the show.
And our tour manager at the time used to work for Prince. I found it humorous. I was going to drop down a little rubber duck with sign on it saying, ‘Hey, man, are we cool?’”
俺は彼のショウを見たかったんだけど、彼は俺達にショウを見せてくれなかったんだ。
しかも、当時のツアーマネージャーはプリンスの元で働いていたんだ。ユーモラスな話だと思ったよ。俺は小さなゴム製のアヒルにサインをして、"へい!俺達クールか?"って落とすつもりだったんだ」。

Curaçao North Sea Jazz Festival Set List

31 August 2013 - Prince Vault
31 August 2013 - Prince Vault

www.princevault.com

Prince Concert Setlist at Curaçao North Sea Jazz Festival 2013 on August 31, 2013 | setlist.fm
Prince Concert Setlist at Curaçao North Sea Jazz Festival 2013 on August 31, 2013 | setlist.fm

www.setlist.fm

3度も会ったのに...

色々と面白いエピソードを語っていますが、結局スティーヴ・ルカサーはプリンスと1度も話してないっていうのが面白いですね😀

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