スライフィフスアベニュー / ホワット・イト・イズ
アルバム情報
Released:2020/09/18 | Label:Tru Thoughts
Track List
| PersonnelProduce, Arranged
Guests
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アルバム・レビュー
スティーヴィー・ワンダー、ジャネール・モネイ、テイラー・スウィフトなど多彩なアーティストと共演を果たし、クァンティック(Quantic)やスナーキー・パピー(Snarky Puppy)らが参加したドクター・ドレーのトリビュート・アルバム「The Invisible Man: An Orchestral Tribute to Dr. Dre」('17年)で大きな注目を浴びたスライフィフスアベニュー。
オリジナルとしては’14年の「AKUMA」以来となる本作は...
“It’s a little jazzy. There is some hip hop in there. A little bit of orchestral chamber vibes… It’s me”
「ちょっとジャジーなんだ。ヒップホップも入っている。オーケストラのようなチェンバー・ヴァイブスが少し入っていて...それが僕なんだ」
と語る通り、前作にも参加したメリッサ・マクミランを始め、デニティア、マーロン・クラフト、レクサス・ルイス、ScienZeなどNYで活躍するアーティストの音楽性も取り入れつつ独自性を打ち出した作品になっています。
Denitia OdigieやAdesuwa名義そしてM5で参加してるSeneと”Denitia & Sene”と多数のプロジェクトで活躍しているデニティアの心地よいヴォーカルが印象的なオープニング・トラックの”Boulevards”からインスト曲"Consequence"の流れは組曲を聴いてるかのような一体感で時がすぎるのを忘れてしまいます。Scienze & Lexusと二人のラッパーを起用した"What It Is"は、ジャズとヒップ・ホップが旨くブレンドされた味わい深く、本作の多彩な方向性を表す表題曲に相応しい1曲。
前半では、デュア・リパのヒットで脚光を浴びるディスコ・サウンドとハウスが融合しM1とは違うデニティアのヴォーカル・ワークが冴える”C-Side”、シングル・カットされたらヒットしそうなキャッチーで途中からガラッと変わるサウンドが魅力的な"Daddy Warbucks”と、バラエティに富んだ作品が続きます。
後半には、ブラジルで活躍するグラミーにノミネートされたタルマ・ヂ・フレイタス(父は伝説的なピアニストのラエルシオ・ヂ・フレイタス)が参加したポルトガル語とオリエンタルなサウンドが交わる"Expatria"、メリッサ・マクミリアンによるしっとりとしたヴォーカルが正に夜にピッタリの"The Night"、マーロン・クラフトを迎えジャズとラップの絶妙なさじ加減が気持ちいい"More Or Less"。そしてラストには再びデニティアを迎えた"With You"で幕を閉じます。
公式にはデニティアの魅力が良く分かる"With You"の”Chamber Edit”が公開。これもボーナス・トラックで追加して欲しかった。
新作をリリースする毎に才能を開花するスライフィフスアヴェニュー。プリンスもきっとニヤっとしてる事でしょう。
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