先日Twitterにもチラっと書きましたが、お陰様でNPG Prince Siteも開設して20年になりました!これもファンの皆さんの応援があってこそだと思っています。本当にありがとうございます!!
長く運営した事で、先日発売された「プリンスと日本 4EVER IN MY LIFE」でインタビューを受けるなんて当時は想像もできませんでした。
ホームページの制作を勉強する為に好きなプリンスを題材に取り上げた事が始まりでしたが、”もし我が家にパソコンもスマホが無かったらどうだったんだろう?”とふと思う事があります。
総務省調べでは2017年時点での世帯保有数がパソコン72.5%、スマホ75.1%と当時に比べればどちらか持ってる方は多いでしょうけど、ガラケーが好きな方もいまし、私自身がデジタルにまったく興味を示さなかったらやってなかったかもしれないです。
そんな訳で、今回はいつもと趣向を変えネットをやってたかどうかで景色がどんだけ違ったかを書いていこうと思います。
当時からネットをやってた方には当たり前の事なのであしからず(=´∇`=)
デジタル機器が無くても充実していたプリンス・ライフ
パソコンやスマホの様なデジタル機器が無ければiTunesやストリーミングなんて聴けません。当然プリンスを聴くのはフィジカル(CDやアナログ盤)頼りとなります。
では、ちょっと遡って’96年から現在までのプリンスのCDを年代毎に並べてみると↓の様になります。(輸入盤のみもあるけど出たら買いますし😄)
次のアルバムまで平気で3年位開けるアーティストがいる中、どうでしょうこの充実振り!複数枚リリースしているアルバムをリリースしてない年に埋めてもお釣りが来ます😄
これでも十分なんですが、次はネットをやってたらどういう事になってたかを書いていきます。
90年代のパソコン&インターネット状況
まずは当時のパソコンとインターネットの状況から...
日本でネットが利用され始めたのは’80年代後半のASCII-NETやPC-VAN、NIFTY-Serve辺りですが、パソコンがより身近になったのはWindows 3.1や95が出た頃からかな?
当時はパソコンも2~30万位と高価だったのでプライベートで持ってる人も決して多い方ではありませんでした。またインターネット世帯利用率3.3%で回線スピードも遅く、音楽ファイルをダウンロードしようものなら数十分もかかる時代でした。
パソコンの世帯普及率が13.9%と少ない時期ですが、プリンス・ファンがパソコンに飛びついたのは’94年リリースにリリースされたプリンス公式のインタラクティブ・ゲーム「Interactive」でしょう😄
↑の様に謎を解きながら進むシンプルなゲームですが、当時まだ未発表だった”Interactive”、”Race”、”Loose!”、”Endorphinmachine”そして"Kiss"のインスト曲が使用されたりと話題性もありました。
ただ、ゲームをやる為だけにパソコンを買うには高い時代でした。
プリンスの公式サイトの流れ
日本ではまだまだネット黎明期でしたが、ネット先進国だったアメリカではホームページも数多く開設。プリンスもこれにいち早く目を付け公式サイトを作る事になります。
高額なパソコンに加え、回線も遅くGoogle翻訳無い時代+全編英語のサイト、更にクレジットでの支払いという事も大きな壁となってました。
でもよじ登った先には新しい世界が待っていました!
↓の年表を参考に公式サイトの流れを書いていきます。
1996年2月14日に公式サイト"The DAWN"をオープン
プリンスがインターネットを利用し始めたのはマイテと結婚した1996年2月14日にオープンした「The DAWN」でした。
このサイト自体は非常にシンプルなもので、取り敢えず作りました感が否めない印象でした。
’97年にLOVE4ONEANOTHERと1-800 NEW FUNKで本格始動
翌年”Love 4 One Another Charities Tour”情報を掲載する"LOVE4ONEANOTHER"とオンライン販売を目的とした"1-800 NEW FUNK"をオープン、当時プリンスの情報に加えオフィシャル・グッズが購入出来る様になり話題になりました。
あのamazonが正式サービスしたのが95年7月、日本のamazon.jpがオープンしたのは2000年11月1日と書いておけば凄さが伝わるかと思います。
「Kamastra」入りの5枚組「Crystal Ball」や約30分にも及ぶシングル”The War”等ここでしか購入出来なかったので、これ目当てでインターネットを利用し始めたファンもいらっしゃいました。
(ちなみにCrystal Ballのブックレットを印刷するサイトは今も現存しています。)
ファムの心を鷲掴みした"npg music club"
’00年の"NPG Online LTD"を経て新設されたのが01年1月にオープンした"npg music club (通称npgmc)"です。
情報発信の"NPG Online LTD"とオンライン販売の"1-800 NEW FUNK"をくっつけた様なサイトですが、$100の年会費を支払うと、プリンスと関連アーティストの音源やリミックスが聴ける約1時間の架空の番組"NPG Ahdio Show"+未発表音源や映像をダウンロード出来るという画期的なサービスをおこないました。
"NPG Ahdio Show"はモチロン未発表音源の中には未だに市販されてない音源が含まれています。
iPodとiPodをサポートしたiTunes2.0が発表されたのがこの年の11月、デジタル音源の販売を目的としたiTunes Music Storeがスタートしたのが2003年4月28日。
appleよりも先に音楽のデジタル販売を始めたプリンス、先見の明は音楽だけじゃないって事です。
他にもリミックス盤「Rave in2 The Joy Fantastic」('01)、「One Nite Alone...」('02)といった昨年SONYがデジタル販売するまで聴く事が出来なかった未発表アルバムを次々と提供。
’02年の”One Nite Alone... Tour”は会員限定で最前列でサウンド・チェックを聴くことの出来る優待チケットの販売等至れり尽くせりのサービスを提供しました。
’03年のイメチェンでは冒頭のinteractiveの様な宮殿の中を彷徨うサイトに変更。
npgmcの話だけでも1時間位話せますが今回はここまで...
npgmcを終了し3121、lotusflow3rをオープン
大人気だったnpgmcを’06年7月で終了した後、「3121」に合わせ"3121.com"をオープン。npgmcで疲れたのかどちらもライブ情報とチケット販売がメインのサイトでした。
'07年に肖像権を侵害しているとしてファン・サイトのに対して申し立てした事で気まずくなったのか1年公式サイトを休みましたが(正確にはプリンス・管理する部署・ファン・サイト三者の思惑が上手く伝わってなかったと思われ...)、翌'09年には「LOTUSFLOW3R」用に”lotusflow3r.com”をオープン。
こちらではいち早く「LOTUSFLOW3R」をデジタル購入する事が出来ました。
デジタル盤には”Crimson And Clover”の変わりに”The Morning After”が収録、これもまた未だに市販されてない音源の1つとなってしまいました。
20PR1NC3を始めネットをフル活用した2013年
2010年からネットの世界からお休みしていましたが、2013年から怒涛の攻勢。
”20PR1NC3”、”3rdeyegirl.com”、"3rdEyeTunes.com"、"3rdeye TV"と次々とオープン。
オンライン・ストアでは入手不可のとなったシングルを多数リリース、"3rdeye TV"ではリハーサル音源や映像等を配信していました。
またTwitter、facebook、soundcloud、YoutubeとSNSもフル活用しました!
表にしてみるとこんな感じ
今までの話を表にしてみるとこんな感じになります。
赤いラインの↑グレー部分のうち「Kamastra」以外はSONYのお陰で聴くことが出来るアルバムですが、デジタル盤ばかりなので早くフィジカルをリリースして欲しいですね!(特に当時会員になってた人も2003~2004年の4枚はデジタルのみなので是非とも!!)
グラフだとこんな感じ
上の図だと判り難いので下の条件で積み上げ棒グラフにしてみました。
- アルバムは単純に何枚組だろうと1
- 2001年のAhdio Showは1時間あるので1
- シングルは0.1
- 映像は除外
- 後にアルバムに収録されたシングルも除外
一般流通されてたアルバム28枚に対して、会員限定、シングル、Ahdio Show、3rdeye TVのストリーミングを合算すると55.5枚なので27.5枚分の差がありました。
”Ahdio Showを加算するのは反則だ!”って事で差し引いたとしても15.5枚分の差になります。
シングルの中にはアルバム収録とは秒数が違うもの等も含まれてるので正確に算出すればもっと差が広がります。
このご時世、どこかのタイミングでネットを利用しているとは思うけどやはりnpgmcの存在は大きいです。
・・・って冷静に書いてますが、差がどうこうとか関係なく22年で55.5枚ですよ!年間2.5枚以上ですよ!
こんなのどんな寛大なレーベルだって出せるハズないじゃないですか😨
入手困難のシングルにも光を!
「Musicology」、「3121」、「Planet Earth」の再販で当時プリンスを聴いてなかった人達にプリンスの良さを認識してもらえる機会が出来た事はファンの一人として本当に嬉しいです。
まだ権利問題や既発アルバムのフィジカル・リリース等のタイミングで難しいんでしょうけど、未発表音源に加えて↓の”Funky Design”みたいに会員だった人には馴染みのある入手困難シングルも何かしらの形で再販して欲しいです!
(↓の動画を教えてくれたヲっちさんありがとう😄)