タイム・トゥ・ラヴ / スティーヴィー・ワンダー
Released:2005/10/18 | Label: Motown Records
Track List
- If Your Love Cannot Be Moved (6:12)
- Sweetest Somebody I Know (4:31)
- Moon Blue (6:45)
- From The Bottom Of My Heart (5:12)
- Please Don't Hurt My Baby (4:40)
- How Will I Know (3:39)
- My Love Is On Fire (6:16)
- Passionate Raindrops (4:50)
- Tell Your Heart I Love You (4:30)
- True Love (3:32)
- Shelter In The Rain (4:19)
- So What The Fuss (5:04) P
- Can't Imagine Love Without You (3:45)
- Positivity (5:07)
- A Time To Love (9:17)
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Stevie Wonder
Additional Musician
- Kim Burrell (vocal) (1)
- Aisha Morris [Stevie's daughter] (6, 14)
- Hubert Laws (flute) (7)
- Kirk Franklin (vocal) (11)
- Prince (guitar) (12)
- Dawn Robinson, Maxine Jones, Terry Ellis, Cindy Herron [ex. En Vogue] (background vocals) (12)
- India.Arie (vocals) (15)
- Paul McCartney (guitar) (15)
アルバム・レビュー
アルバム制作の経緯とゲスト陣
前作『Conversation Peace』(1995年)から10年。発売延期を何度か経て、2005年秋に届けられたスタジオ・アルバムです。
スティーヴィー自身のプロデュースによる本作には、多彩なゲストが顔を揃えています。ポール・マッカートニー、インディア・アリー、ゴスペル界からカーク・フランクリンやキム・バレル、名フルート奏者のヒューバート・ロウズ、さらには娘のアイーシャ・モリスまで、世代もジャンルも異なるプレイヤーが集まりました。
そして先行シングルとなった「So What The Fuss」には、ギタリストとしてプリンスが参加。バック・ボーカルにはアン・ヴォーグが加わっています。
楽曲について
打ち込みやシンセサイザーを巧みに使いつつも、手弾きの鍵盤やドラムの鳴り、その場のセッションの空気感が素直に残されているのがこのアルバムの良さです。10年のブランクを気負う様子もなく、普段着のスティーヴィーのグルーヴが鳴っています。
「So What The Fuss」は、スティーヴィーの弾くファンキーなクラビネットに、プリンスのパーカッシブなカッティング・ギターが重なるストレートなファンク・トラックです。アン・ヴォーグのコーラスも厚みがあり、スタジオで気心の知れた連中が顔を突き合わせて音を出しているような、生っぽい勢いがあります。
アルバム全体としても、娘アイーシャと軽やかに歌う「Positivity」、グラミー賞を受けたバラード「From the Bottom of My Heart」、前年に他界した元妻シリータ・ライトへ向けた「Shelter in the Rain」など、メロディメイカーとしての良質なトラックが揃っています。
「So What The Fuss」のエピソード
スタジオとエンジニアの繋がり
2004年後半、LAにあるスティーヴィーの「ワンダーランド・スタジオ」で録音されたと見られるトラックです。
プリンスのギターが同席でのセッションだったのか、パート別の録音だったのかは不明ですが、ミックスを担当したのはペイズリー・パークの仕事でもおなじみのフェミ・ジヤでした。曲のラストでスティーヴィーがフェミの名前を呼ぶ声が入っているあたりにも、当時の制作現場の親密な空気が残っています。
アン・ヴォーグのオリジナル・メンバー集結
バック・ボーカルには、アン・ヴォーグのオリジナル・メンバー4人(ドーン、マクシーン、テリー、シンディ)が約7年ぶりに揃って参加しました。プリンスのタイトなリズムギターと、彼女たちの厚いハーモニーの相性の良さも聴きどころです。
アルバム収録時のエディット
アルバム発売の半年前に先行シングルとして世に出た際、フル尺は6分を超えていましたが、アルバムへの収録にあたって約1分カットされ、タイトな尺にまとめられました。
ストレートなメッセージ
スティーヴィーはこの曲で、世界の紛争や社会の分断に触れ、「平和を選ぶことを恥じるような風潮や、無関心でいることへの疑問」を投げかけています。「何を騒いでいるんだ?」という投げやりにも聞こえるタイトルは、世の中の無関心に対する素直な違和感の表明でした。
Music Video
リミックスEP『So What The Fuss』
先行シングルとしてリリースされたこのEPには、ラジオ用のエディットと、アルバム本編でカットされる前の6分超のフル尺(Album Version表記)が収録されています。
注目ポイントは、後半に収められたア・トライブ・コールド・クエストのQ-Tipをフィーチャーしたリミックスです。プリンスのギターやアン・ヴォーグのコーラスといった基本のパーツを生かしつつ、ビートを差し替えて2000年代半ばらしいヒップホップ/R&Bのマナーで仕立て直されています。ラップが入ったバージョンと、トラックのみを楽しめる「No Rap」のインストに近い仕上がりの双方が用意されているのも丁寧な作りです。
なお、これらのリミックス音源は、同年にiTunes限定でリリースされた大規模なデジタル・ボックス『The Complete Stevie Wonder』内のリミックス集にも同じものが収録されました。アルバム本編の生演奏のファンクネスと、このリミックスが持つフロア向けの質感とを聴き比べてみるのも面白い楽しみ方です。
Track List
- So What The Fuss (Radio Edit) (4:13)
- So What The Fuss (Album Version) (6:08)
- So What The Fuss (Remix feat. Q-Tip) (3:37)
- So What The Fuss (Remix Featuring Q Tip No Rap) (4:04)

