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The Cinderella Theory / George Clinton ('89)

ジョージ・クリントン / シンデレラ・セオリー

Released:1989/8/2 | Label: Paisley Park Records, Warner Bros.

Track List

  1. Airbound (4:21)
  2. Tweakin' (Featuring Public Enemy) (6:21)
  3. The Cinderella Theory (5:09)
  4. Why Should I Dog U Out? (6:28)
  5. Serious Slammin' (4:56)
  6. There I Go Again (4:56)
  7. (She Got It) Goin' On (4:27)
  8. Banana Boat Song (4:06)
  9. French Kiss (3:58)
  10. Rita Bewitched (5:00)
  11. Kredit Kard (3:47)
  12. Airbound (Reprise) (0:36)

Personnel

Produce & Arranged

  • George Clinton
  • Eric Leeds (Horn Arrenge) (2, 7)

Written

  • Tracey Lewis (1)
  • Bob Bishop, Chuck D, David Spradley, Flavor Flav (2)
  • Amp Fiddler, George Clinton (3)
  • Amp Fiddler, Dewayne McKnight, George Clinton (4)
  • Greg Crockett, Lelan Zales (5)
  • Amp Fiddler, George Clinton, Joe Harris (6)
  • Amp Fiddler, Shawn Clinton (7)
  • I. Burgess, W. Attaway (8)
  • Andre Foxxe, Dewayne McKnight, George Clinton, Steve Washington (9)
  • George Clinton, Tracey Lewis (10)
  • Clip Payne, George Clinton (11)
  • Tracey Lewis (12)

Additional Musician

  • DeWayne "Blackbyrd" McKnight, Bootsy Collins, Tracey Lewis, Andre Foxxe (guitars)
  • Bootsy Collins, DeWayne "Blackbyrd" McKnight, Andre Foxxe, Steve Washington (bass)
  • William Payne, Dean Ragland, Lelan Zales, Richie Stevens (drums)
  • Joseph Fiddler, David Spradley, Bill Brown, Greg Crockett (keyboards)
  • Anthony Jones, Darrin (Scratchin')
  • Eric Leeds (tenor saxophone)
  • Atlanta Bliss (trumpet)
  • Mike Fleming (flute)
  • Larry Fratangelo (percussion)
  • AJ (Spoons)
  • Andre Foxxe, Angela Workman, Anita Johnson, Belita Woods, Clip Payne, Darryl Clinton, Dean Ragland, Garry Shider, George Clinton, Jenny Peters, Jessica Cleaves, Jimmy G., Joe Harris, Karen Foster, Lige Curry, Louis Kabbabie, Mike Harris*, Navarro Berman, Pat Lewis, Patty Curry, Pennye Ford*, Robert "P-Nut" Johnson, Sandra Feva, Sheila Washington, Shirley Hayden, Steve Boyd, Tambra Makowsky, Tracey Lewis (vocal)

アルバム・レビュー

アルバム制作の経緯とプロデューサー陣

ジョージ・クリントンの5作目のソロ作にして、プリンスのペイズリー・パーク・レコード移籍第一弾となる記念すべきアルバムです。

1980年代後半、版権トラブルやレーベルとの契約終了などで停滞期に陥っていたP-FUNKの帝王を救い出す形で手を差し伸べたのが、他でもないプリンスでした。クリントンの音楽から絶大な影響を受けてきたプリンスは、自身のレーベルにクリントンを迎え入れ、制作面での完全な自由裁量を与えました。ほぼ同時期に制作されたメイヴィス・ステイプルズの『Time Waits For No One』では楽曲制作など全力でバックアップしたのに対し、本作でのプリンスは”アルバムをリリースする環境を提供する”という一歩引いたスタンスをとっています。
とはいえ、プリンス・ファミリーからのエリック・リーズが「Tweakin'」と「(She Got It) Goin' On」の2曲にサックスとホーン・アレンジで参加し、アトランタ・ブリスもトランペットでしっかりアシストしています。
脇を固めるゲスト陣も、ブーツィー・コリンズやアンプ・フィドラー、ブラックバード・マックナイトといったお馴染みのP-FUNK軍団に加え、当時勢いのあったヒップホップ勢とも積極的に交差しており、まさに帝王の復活を祝うような豪華な布陣が敷かれています。

楽曲について

アルバム全体を包み込んでいるのは、1970年代から続くうねるような生演奏P-Funkグルーヴと、1980年代末期のエレクトロやヒップホップ・プロダクションが融合した、ハイブリッドで独特なサウンドです。

先行シングルの「Why Should I Dog U Out?」は、往年の名曲「Atomic Dog」の系譜をバッチリ受け継ぐファンク・ナンバー。クリントンの息子であるトレイシー・ルイス(Trey Lewd)が書いたオープニング・トラック「Airbound」や、ハリー・ベラフォンテの有名な「Day-O (The Banana Boat Song)」をP-Funk流に怪しく脱構築してしまったカバーなど、制作の自由を与えられたクリントンが、心底このセッションを楽しんでいる様子が伝わってきます
中でも白眉なのは、パブリック・エネミーのチャックDとフレイヴァー・フレイヴをフィーチャーした「Tweakin'」でしょう。前述したエリック・リーズらのホーン隊も参加したこの曲は、P-Funkの遺伝子が当時のコンシャス・ラップと自然に結びついた、時代を鮮やかに象徴する1曲となっています。

プリンス自身の表立った関与は少ないものの、P-FUNKの総帥とプリンスという二大巨頭の邂逅は、名前が並ぶだけでも刺激的であり、内容も期待を裏切らない痛快な仕上がりです。
このアルバムのリリースによって再びシーンの最前線へと浮上したクリントンは、次作『Hey Man, Smell My Finger』(1993年)や、その後のGファンク・ブームにおける「ゴッドファーザー」としての決定的な再評価へと繋げていくことになります。本作は、そんな彼の大復活劇の重要な結節点とも言える1枚です。

プリンス関与曲のエピソード

「Tweakin'」リミックス

アルバムのオリジナル・バージョンにはプリンスは関与していませんが、同年11月にシングルカットされた「Tweakin'」の12インチ・リミックスでは、プリンス(ペイズリー・パーク名義)がしっかりとリミックスを手掛けています。プリンスは単に音をいじるだけでなく、自ら追加のキーボードとギターをプレイしてトラックに注入するという熱の入れようでした。

Track List
  1. Tweakin’ (A Mix) (5:46)
  2. Tweakin’ (Dub Mix) (5:16)
  3. Hysterical (7:35)
  4. Tweakin’ (C Mixapella) (1:38)
  5. Tweakin’ (Radio Remix) (4:05)

「Hysterical」リミックスとサンプリングの妙

リミックス群の中に「Hysterical」として知られるバージョンが存在します。1989年の夏頃にペイズリー・パーク・スタジオで録音されたとみられ、同時期に制作されたプリンスの楽曲「Sex」と同じ効果音(SE)が使われているのがマニア心をくすぐります。さらに、クール&ザ・ギャングの「Open Sesame」や「Hollywood Swinging」、パーラメントの「Big Footin'」からのフレーズまでサンプリングしており、ファンクへの愛と遊び心に満ちた仕上がりになっています。

ヒップホップ・スター大集合のMV

「Why Should I Dog U Out?」のミュージック・ビデオには、Run-D.M.C.、チャックD、フレイヴァー・フレイヴ、アイス-T、アフリカ・バンバータ、MCハマー、アル・B・シュア!など、当時のヒップホップやR&Bを代表するスターたちがこぞってカメオ出演しました。ストリートにおけるクリントンの絶大なリスペクトの高さが伺える、ストリートにおけるクリントンへの絶大な敬意が如実に伝わってくる、象徴的な光景と言えます。

Music Video

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