クラッシュ・グルーヴ / サウンドトラック
Released: 1985/9/30 | Label: Warner Bros.
Track List
- (Krush Groove) Can't Stop The Street - Chaka Khan (5:14)
- I Can't Live Without My Radio - LL Cool J (4:23)
- If I Ruled The World - Curtis Blow (6:20)
- All You Can Eat - Fat Boys (3:26)
- Feel The Spin - Debbie Harry (4:02)
- Holly Rock - Sheila E. (4:57) P
- She's On It - Beastie Boys (3:32)
- Love Triangle - Gap Band (4:48)
- Tender Love - Force MD's (4:00)
- Krush Groovin' - Krush Groove All-Stars (5:07)
Personnel
Produce
- Russ Titelman (1)
- Rick Rubin (2,7)
- Kurtis Blow (3,4)
- John "Jellybean" Benitez (5)
- Prince (credited to Sheila E.) (6)
- Lonnie Simmons (8)
- Jimmy Jam & Terry Lewis (9)
- Kurtis Blow, Russell Simmons (10)
- Rick Rubin, Run-D.M.C. [Run-D.M.C. Segment] (10)
Written
- Charlie Midnight, Dan Hartman (1)
- James Todd Smith, Rick Rubin (2)
- AJ Scratch, David Reeves, Kurtis Blow (3)
- Damon Wimbley, Darren Robinson, Kurtis Blow, Mark Morales (4)
- Debbie Harry, Jellybean, Toni C. (5)
- Prince (credited to Sheila E.) (6)
- Adam Horovitz, Rick Rubin (7)
- Lonnie Simmons (8)
- Jimmy Jam & Terry Lewis (9)
- Damon Wimbley, Darren Robinson, Darryl McDaniels, Joseph Simmons, Kurtis Blow, Mark Morales, Rick Rubin, Russell Simmons (10)
Musician
- Prince - (background vocals & all instruments [uncredited]) (6)
アルバム・レビュー
アルバム制作の経緯とプロデューサー陣
1985年10月に全米公開され、初週末の興行収入で第2位を記録したマイケル・シュルツ監督の映画『クラッシュ・グルーヴ(Krush Groove)』。本作は、名門ヒップホップ・レーベル「デフ・ジャム・レコード」が設立されるまでの熱い実話をベースにした同名映画のサウンドトラックとして、映画公開の4週間前となる同年9月にワーナー・ブラザース・レコードからリリースされました。
若き日のLL・クール・Jやカーティス・ブロウ、そしてビースティ・ボーイズといった当時のシーンを牽引する面々が本人役などでスクリーンに登場し、ヒップホップ・カルチャーの爆発的なエネルギーを世に知らしめた記念碑的な作品です。サントラにも新進気鋭のラッパーたちから大御所シンガーまで、多彩なアーバン・アーティストが集結。当時のストリートの空気を真空パックしたような、非常にエキサイティングなプロジェクトに仕上がっています。
楽曲について
チャカ・カーンの「(Krush Groove) Can't Stop The Street」やデビー・ハリーの「Feel The Spin」といったベテラン勢のダンサブルなトラックと、Run-D.M.C.やファット・ボーイズらがマイク・リレーを繰り広げる「Krush Groovin'」のようなヒップホップ・チューンが同じ盤の中で違和感なく同居し、強烈なグルーヴを生み出しています。(ちなみにタイトル曲の「Krush Groovin'」にはシーラ・Eもラップで参加していますが、この曲はプリンスが関与したものではありません)。
荒々しいビートの中で一際メロウな輝きを放っているのが、フォース・MDsによる「Tender Love」です。のちに黄金時代を築く名プロデューサー・チーム、ジミー・ジャム&テリー・ルイスが書き下ろしたこの極上のR&Bバラードは、全米チャートでもトップ10入りの大ヒットを記録しました。さらに、これがデビュー・シングルとなるビースティ・ボーイズの「She's On It」も収録されるなど、ヒップホップ黎明期の熱気とR&Bのメロウネスが絶妙なバランスで交差しています。
映画にはシーラ・Eも本人役で出演しており、スクリーンでは名曲「A Love Bizarre」などのパフォーマンスを披露していましたが、大人の事情もあってかそちらはサントラには未収録。代わりに彼女は、このアルバムのために新曲「Holly Rock」を提供し、作品にファンキーな華を添えています。
プリンス関与曲のエピソード
ミネアポリスを代表する二組のプロデューサーが関与
本作は、プリンスが書いた楽曲(Holly Rock)と、かつてのバンド仲間であるジャム&ルイスが手掛けた楽曲(Tender Love)が、同じアルバムに収録された初めてのケースとなりました。直接の共作ではありませんが、ミネアポリス・サウンドを牽引する彼らの才能がこのサントラでひっそりと交差していたのは感慨深いです。
タイトルの由来
「Holly Rock」という言葉は、テレビアニメ『フリントストーン』に登場するハリウッドのパロディ地名「Hollyrock」からインスパイアされたと言われています。のちにプリンスは、未発表アルバム『Dream Factory』のタイトル曲でもこの言葉を使っています。
制作時期について
この曲のベーシック・トラックが録音されたのは1985年4月のこと。歌詞の一部にはザ・ファミリーの未発表曲「Feline」のフレーズが流用されていたり、当時シーラ・Eのために録音したばかりの未発表曲「Toy Box」への言及があったりと、プリンスの頭の中に溢れるアイデアがパズルのように組み合わされています。
レア・トラック「Holly Rock」
クレジット上はシーラ・E名義ですが、実際はプリンスが書き下ろしたファンク・チューンです。この曲はシーラ・E自身のスタジオ・アルバムには収録されず、長らくこのサントラ(と後発のシングル)でしか聴けない貴重な音源となっていました。それから30年以上が経った2019年、未発表音源集『Originals』にて、ついにプリンス自身のボーカル・バージョンが陽の目を見ています。
