SEXシューター / アポロニア6
Released:1984/10/1 | Label: Warner Bros.
Track List
- Happy Birthday, Mr. Christian (7:06) P
- Sex Shooter (3:39) P
- Blue Limousine (6:19) P
- A Million Miles (I Love You) (5:51) P
- Ooo She She Wa Wa (4:10) P
- Some Kind Of Lover (4:48) P
- In A Spanish Villa (2:12) P
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince (credited to The Starr Company and Apollonia 6)
Written
- Prince (credited : Apollonia (words) and The Revolution (music)) (1)
- Prince (credited : Apollonia 6) (2)
- Prince (credited : Apollonia 6 (words) and Sheila E. (music)) (3)
- Prince & Lisa Coleman (credited : Apollonia 6 (words) and Lisa Coleman (music)) (4)
- Prince (credited : Susan) (5)
- Prince (credited : Brenda Bennett) (6)
- Prince (credited : Apollonia (words) and Wendy (music)) (7)
Member
- Apollonia (lead vocals)
- Brenda Bennett (lead vocals) (3,6)
- Susan Moonsie (lead vocals) (5)
Musician
- Prince (all instruments)
- Susannah Melvoin (backing vocals) (1, 3)
- Wendy Melvoin (guitar) (4)
- Lisa Coleman (keyboards) (4) (backing vocals) (6)
- Brown Mark (backing vocals) (1)
- Sheila E. (drums, percussion) (4)
- Jill Jones (backing vocals) (5)
アルバム・レビュー
アルバム制作の経緯とプロデューサー陣
1983年の夏、映画『パープル・レイン』の撮影を目前にして、ヴァニティが突如プリンスの元を去るという緊急事態が発生しました。そこで急遽、オーディションで白羽の矢が立ったのがパトリシア・コステロでした。プリンスは彼女を”アポロニア”と改名させ、ヴァニティ6に残留したブレンダ・ベネットとスーザン・ムーニーズに合流させて、新グループ〈アポロニア6〉を誕生させます。
プロデュースを手掛けたのは、ヴァニティ6時代と同様に「The Starr* Company」という偽名を使ったプリンス本人です。
本作は、本来ヴァニティ6のセカンド・アルバムとして準備されていた楽曲をベースにしつつ、アポロニアの加入に合わせて再構築されました。ザ・レヴォリューションのメンバーが一部共作や演奏で参加しているものの、実質的にはプリンスが作詞・作曲・演奏のすべてを完璧にコントロールして制作されました。
楽曲について
基本的な路線はヴァニティ6のランジェリー・ポップやセクシーなエレクトロ・ファンクを踏襲していますが、映画『パープル・レイン』の華やかな展開に合わせて、よりポップでキャッチーなサウンドへと進化しています。
アルバムの核となるのは、映画のパフォーマンス・シーンでも強いインパクトを残し、ビルボードのダンスおよびR&Bチャートで7位を記録した大ヒット曲「Sex Shooter」です。ここから一気に、マリリン・モンロー風の演出が楽しいキャッチーな「Happy Birthday, Mr. Christian」へと続く流れは、まさに80年代ポップスの王道と言えます。
アルバム中盤以降もバラエティ豊かで、シーラ・Eのサウンドに通じるパーカッシブな「Blue Limousine」や、プリンス本人のアルバムに入っていても違和感のない「A Million Miles (I Love You)」などがテンポ良く並びます。さらに、スーザンをメイン・ボーカルに据えたチアリーダー風の異色トラック「Ooo She She Wa Wa」や、ブレンダの大人の魅力が光るファンキーな「Some Kind Of Lover」など、メンバーそれぞれの個性を引き出した楽曲も魅力的です。
結果的に彼女たちは「映画のための急造プロジェクト」という側面が強かったため、アルバムはこの1枚限りとなってしまいました。才能あるブレンダとスーザンにとっては少し不憫な結末でしたが、全盛期のプリンスが放つ圧倒的な熱量と極上のポップ・センスが存分にパッケージされた、聴きどころ満載の1枚に仕上がっています。
プリンス関与曲のエピソード
幻の収録曲と「Manic Monday」
アルバムの冒頭を飾る「Happy Birthday, Mr. Christian」は、最終盤の1984年8月にレコーディングされ、ワーナーの事前カセットにまで収録されていた「Manic Monday」と差し替えられる形で収録されました。また「Blue Limousine」も名曲「Take Me With U」の代わりに収録されるなど、ギリギリまで収録曲の大胆な調整が行われていました。
「Sex Shooter」のフレーズの使い回し術
「Sex Shooter」の序盤で聴ける4つの音からなる特徴的なリフは、後にテンポを落として、プリンスの裏名曲である「She's Always In My Hair」のコーラス部分にこっそりと流用されています。当時のスタジオの作業指示書に「She's Always In My Hair」が「Sex Shooter」という仮名で記載されていたという、興味深い裏話が残っています。
プリンス初のスペイン語詞
アルバムのラストを飾る「In A Spanish Villa」は、アポロニアのボーカルとプリンスのミュート・ギターだけで構成された静かな楽曲です。実は、プリンスのレコーディング作品においてスペイン語の歌詞が使われたのは、この曲が初めての試みでした。
偽装されたソングライティング・クレジット
本作に収録された全7曲は、すべてプリンスが書き上げた(または共作した)ものですが、クレジット上はアポロニア6のメンバーや、ザ・レヴォリューションの面々(リサ・コールマン、シーラ・E、ウェンディなど)にあえて分散されて記載されています。裏方に徹しようとしたプリンスの遊び心が伺えます。
Music Video
Mini Movie
アルバムの楽曲を使ったミニ・ドラマも制作されました。
