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For You / フォー・ユー ('78)

アルバム情報

Released:1978/4/7 | Label: Warner Bros.

Listen on Apple Music

Track List

  1. For You (1:06)
  2. In Love (3:38)
  3. Soft And Wet (3:01)
  4. Crazy You (2:17)
  5. Just As Long As We're Together (6:24)
  6. Baby (3:09)
  7. My Love Is Forever (4:09)
  8. So Blue (4:26)
  9. I'm Yours (5:01)

Personnel

Executive Porducer

  • Tommy Vicari

Produce, Arranged, Composed

  • Prince

アルバム・レビュー

当時19歳のプリンス(本名:プリンス・ロジャーズ・ネルソン、プリンス・ロジャース・ネルソンと表記も有)が1978年に発表した記念すべきデビュー・アルバムです。
このアルバムがリリースされた当時は全米ではかなり評判にはなりましたが、日本では、2ndの「愛のペガサス」がデビュー・アルバムとして紹介され、本作はPurple Rain人気に後押しされる形で’84年にリリースされますが、6年も開いた事で新鮮味が薄れ当時日本ではあまり評価されませんでした。

このアルバムの特筆すべき点は、エグゼクティブ・プロデューサーにトミー・ヴィカーリが記載されていますが、それはあくまでワーナー側に対する安心感を持たせるという口実で、実際にはプリンスがプロデュースからアレンジ、総ての楽器の演奏からバック・ヴォーカルの全てを一人で行っている事です。(エンジニアにはボビー・Zの兄デビッド・リブキンが参加)
もう1点は、18歳の時点でアルバムの原型を既に完成させていたという事で、ワーナーもその才能に惹かれ、当時19歳のプリンスにアルバム3枚分となる18万ドルの契約金を締結('77年6月24日に前金の8万ドルの小切手を受け取る)しました。

カリフォルニア州サウサリートのレコード・プラントで1977年10月1日から1977年12月22日にレコーディング、翌年1月にロサンゼルスのサウンド・ラボでオーバーダブとミキシングが行わ完成した本作は、約1分と短いながらも後に起こる偉業を予感させるプリンスの柔らかなファルセットが幾重にも折り重なる秀逸なタイトル・トラック"For You"からスタート。
当時のディスコ・サウンドを上手く取り入れたファルセットと唸る小節が印象的な"In Love"、同年7月にシングル・カットされた"Soft And Wet"はビルボードのR&Bチャート12位になった記念すべきデビュー曲は後にMCハマーがカヴァーした事でも知られる有名になりました。
この他、キラキラしたサウンドとアコギの弾き語りが美しい"Crazy You"の後はファンキーでスピード感溢れる2ndシングルの"Just As Long As We're Together"、後のプリンスの名曲の原型とも言えるドラマティックなサウンドの流れとエロかっこいいファルセット・ヴォイスが堪能出来る"Baby"、再びディスコ・サウンドを踏襲した明るいメロディのダンス・ナンバーの"My Love Is Forever"、最後は”ギタリスト”としての才能を発揮するロックなサウンドがかっこいい"I'm Yours"・・・荒削りですがその才能ぶりが発揮されているダンス・アルバムです。

これが日本でデビュー盤として紹介されてたらまた違う事になってたのかな...と色々想像させられる1枚です。

パトリース・ラッシェンの関与

"Baby"は長らくプリンスがリスペクトしていたパトリース・ラッシェンが未クレジットでキーボードを演奏していると言われていましたが、2021年のbandcampのインタビューで"Baby"に取り入れるストリングスの演奏方法についてアドバイスした事を語っています。

At the time, Prince was in the process of recording his debut LP For You and, evidently taken with the sound of Rushen’s records, he’d call her to ask questions about her recording process.
当時、プリンスはデビューアルバム『フォー・ユー』を録音中で、ラッシェンのレコードの音に惚れ込んだプリンスは、彼女に電話をかけてはレコーディングのプロセスについて質問していた。

“How’d you get that sound?,” Rushen remembers him asking, adopting his dulcet tone.
「どうやったらあの音が出るんだい?」と、ラッシェンはプリンスの優しい口調を真似ながら語りました。

Soon, he’d enlist her help writing the strings for his song “Baby.” “He already knew what he wanted, but at that point didn’t know how to write it down.”
やがてプリンスは、自分の曲 "Baby "のストリングスを書くのにラッシェンの助けを求めました。「彼(プリンス)は自分が何をしたいのかわかっていたけれど、それをどう書けばいいのかわからなかったのよ」。

Patrice Rushen’s “Straight From The Heart” Still Shines 40 Years Later | Bandcamp Daily

ミネソタ歴史協会に寄贈されたデモテープ

2018年、当時マネージメントを担当していたオーウェン・ハスニー(オーウェン・ハズニー)はデビューに向けて制作したデモテープをミネソタ歴史協会に寄贈しました。

参考オーウェン・ハスニーがミネソタ歴史協会にプリンスの初期音源を寄贈

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