アルバム情報
Released:2006/3/21 | Label: NPG Records, Universal | 2019/02/08 (SONY)
Track List
- 3121 (4:31)
- Lolita (4:06)
- Te Amo Corazón (3:36)
- Black Sweat (3:11)
- Incense And Candles (4:05)
- Love (5:46)
- Satisfied (2:50)
- Fury (4:02)
- The Word (4:12)
- Beautiful, Loved And Blessed (5:44)
- The Dance (5:21)
- Get On The Boat (6:19)
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince
Written
- Prince
- Prince, Támar (10)
Additional Musician
- New Power Generation (shouts) (2)
- Michael B. (drums) (1)
- Sonny T. (bass) (1)
- Támar (vocals) (5,6,7,10,12)
- Claire Fisher (orchestration) (3)
- Sheila E. (percussion) (12)
- Maceo Parker (saxophone) (1,7,12)
- Candy Dulfer (saxophone) (1,7,12)
- Greg Boyer (trombone) (1,7,12)
- Ray Monteiro (trumpet) (1,3,7,12)
- Joshua Dunham (bass) (3,12)
- Cora Coleman-Dunham (drums) (3,12)
- Ricky Salas (timbales, bongo, perussion) (3)
- Herbert Urena (congas, bongo, percussion) (3)
アルバム・レビュー
アルバム・リリースまでの動き
前作『Musicology』で久々にメジャー・レーベルと契約し、興行的にも大きな成功を収めたプリンスですが、翌年もメジャーから新作を出すという大方の予想に反して、公式サイトのNPG Music Clubから『The Chocolate Invasion』『The Slaughterhouse』『C-NOTE』の3枚を同時配信しました。一方で、ジョージ・クリントンのアルバムへのゲスト参加や、ハリケーン・カトリーナのチャリティ・シングル「S.S.T.」をリリースするなど、対外的な活動も継続しています。
2004年3月から9月まで行われた北米ツアー〈Musicology Live 2004ever〉を終えた後、プリンスはカリフォルニアのアンテロ・ロード3121にある別荘を借り、ペイズリー・パークと行き来しながら次作の構想を練り始めました。当初は『Lotusflow3r』というタイトルで異なるアルバムを計画していましたが、制作を進める中でコンセプトが少しずつ変化していきます。
そして2005年12月13日、「3121」を裏返した数字となるこの日に、ユニバーサル・モータウンとワンショット契約を結んだことを発表します。先行シングル「Te Amo Corazón」の配信リリースとともに、一般流通の新作アルバム『3121』の発売が明らかになりました。
楽曲について
レコーディングの参加メンバーについては、ホーン・セクションは前作からの続投です。しかし、アルバム完成までに紆余曲折があったため、新旧のメンバーが入り混じる布陣となっています。ドラムのジョン・ブラックウェルが一時離脱したことに加え、当初『Lotusflow3r』として制作を進めていた時期のメンバーであるマイケル・Bがそのまま参加した流れもあり、結果としてマイケル・Bとソニー・Tのリズム隊が加わりました。さらに新しいリズム隊として、ドラムのコーラ・コールマン・ダンハムとベースのジョシュ・ダンハムの夫婦が参加しています。また、久しぶりにシーラ・Eもレコーディングに加わりました。
本作のサウンドで特徴的なのは、5曲でフィーチャーされている女性シンガー、テイマー・デイヴィスの存在です。プリンスがテイマーの歌声を積極的に取り入れたことで、アルバム全体に風通しの良い響きが生まれています。長年のバンドメンバーが鳴らす生演奏の強靭なグルーヴと、プリンスによる打ち込み主体の密室的なエレクトロ・サウンドが自然に馴染んでおり、ポップで聴きやすいファンク・アルバムに仕上がっています。
3121
マイケル・Bのタイトなドラムとソニー・Tの重みのあるベースに、ホーン隊を重ねて仕上げたオープニング・トラックです。曲の土台となるリズムとベースラインは、2004年11月にペイズリー・パークで行われたセッションの中で、リズム隊の2人が生み出したものを基にしています。カミール・ボイスを使ったプリンスのボーカルと、独特の引っかかりを持たせたギターが絡むファンク・ロックに仕上がっています。イントロの「From the lotus flower...」やエンディングの「ベルリンの壁」に関する音声は、同日に録音された楽曲群を参照したものです。
本作のトラックリストは完成までに何度も組み替えられており、最終的にこれらの楽曲は、のちのアルバム『Lotusflow3r』へと収録されました。
Lolita
プリンスに近寄ってきた未成年の女性をかわす様子を歌ったナンバーです。正確な録音日は不明ですが、2005年中にミネソタ州のペイズリー・パーク、あるいはロサンゼルスで借りていた別荘(アンテロ・ロード3121)のいずれかで録音されたと推測されています。間奏のスペイン語のセリフや、NPGとテイマーたちによる賑やかな掛け合いが、かつてのザ・タイムのスタイルを思い起こさせます。2005年後半に作成されたトラックリストの段階ですでに2曲目に据えられており、そのまま最終的なリリースへと至りました。印象的なシンセサイザーの音色が、軽快なグルーヴを生み出している1曲です。
Te Amo Corazon
3121を裏返した日付となる12月13日に先行シングルとしてリリースされた、落ち着いたトーンのスパニッシュ・サウンドです。正確な録音日は不明ですが、2005年中にペイズリー・パークかロサンゼルスの別荘のいずれかで録音されたと推測されています。クレア・フィッシャーがハリウッドのキャピトル・スタジオで録音した美しいストリングスに、プリンスのささやくようなボーカルが重なります。また、この楽曲はドラムのコーラ・コールマン・ダンハムとベースのジョシュ・ダンハムの夫婦が参加した最初のスタジオ音源でもあります。
Black Sweat
アルバムの第2弾シングルとしてリリースされた、プリンスが一人で録音したトラックです。前作よりも音数を絞りつつ、プリンスらしいディープなエレクトロ・ファンクを鳴らしています。正確な録音日は不明ですが、2004年6月頃にペイズリー・パークで録音されたと推測されており、『Musicology』ツアーではすでにアコースティック形式で披露されていました。そこから現在のダンス・トラックへと、後から作り直されたと考えられています。ロサンゼルスの別荘で撮影されたミュージック・ビデオも制作されました。
なお、2016年4月14日のアトランタ公演でのライブ音源が同年4月18日にTidalで配信されましたが、これがプリンスがこの世を旅立つ直前に公式リリースされた最後の楽曲となりました。
Incense And Candles
テイマー・デイヴィスを迎えたエレクトロ・ナンバーです。正確な録音時期は不明ですが、2005年3月頃にペイズリー・パークで録音されたと推測されています。本作において、テイマーのボーカルがフィーチャーされた最初のアルバム収録曲でもあります。当時のオートチューンを一辺倒に使うのではなく、プリンスは地声と加工した声を細かく切り替えながら歌っています。
2016年のテイマーの回想によると、彼女はロサンゼルスでコーラやジョシュたちとリハーサルをしている最中にプリンスから電話で呼び出されました。そして急遽飛行機でミネアポリスへ向かい、拠点を行き来しながら録音を進めたそうです。リリース直前まで曲順の入れ替えが試されるなど、構成の試行錯誤も行われていました。
Love
テイマー・デイヴィスがボーカルで参加した、レイドバックした心地よいエレクトロ・ファンクです。2005年中にペイズリー・パークかロサンゼルスの別荘で録音されたと推測されています。愛に対する意見の食い違いを描いた歌詞は、当時プリンスと別居中だったマニュエラに向けられたものと推測されます。全編を通して鳴り続ける特徴的なドラムのパターンは、「Holla & Shout」という楽曲でも使用されており、この反復するループが曲全体に不思議な浮遊感を持たせています。
アルバム発売の3ヶ月後には、UK盤シングル「Fury」のプロモーション用コピーのB面に収録されました。また、2007年には公式サイト上で別のアコースティック・バージョンが配信されるなど、様々な形で披露された楽曲です。
Satisfied
ホーン隊を交えたブルース調のスロー・ナンバーです。「Te Amo Corazon」とは異なるアプローチで女性を誘う内容になっています。正確な録音日は不明ですが、2005年初頭にペイズリー・パークで録音されたと推測されています。
2026年のプリンス・セレブレーションでは、プリンスが「パナマ」の衣装を着て、メイシオ・パーカーやキャンディ・ダルファーらホーン隊に直接指示を出す実際の録音風景の映像が公開されました。アルバム発売の約1年前からNPG Music Clubでライブ音源や映像が配信されていたため、ファンにはすでにお馴染みの楽曲でした。シングル・カットはされませんでしたが、ラジオでオンエアされてビルボードの各種チャートにもランクインを果たしています。
Fury
すれ違う歌手と恋人の姿を客観的な視点で描いたロック・ナンバーです。正確な録音日は不明ですが、2005年後半に組まれた仮のトラックリストには入っていないため、2005年末から2006年初頭にかけてペイズリー・パークかロサンゼルスの別荘で録音された、アルバムの中でも最後期に制作された楽曲だと推測されています。シンプルなドラムとキーボードのリフを背景に、プリンスのギターが前面に出ています。
アルバム発売の3ヶ月後には、第3弾シングルとしてリリースされました。UK盤のシングルには、ザ・レヴォリューションの元メンバーであるウェンディとリサが参加した、「Te Amo Corazon」とのメドレー形式によるライブ・バージョンが収録されています。
The Word
The Word 複数のギターのカッティングを重ねたサウンドと、左右のチャンネルを移動するボーカルが立体的に交差するトラックです。2005年3月にペイズリー・パークで録音されたと推測されています。「Incense And Candles」の制作エピソードでも触れた通り、この曲もテイマー・デイヴィスがロサンゼルスのリハーサルを抜けて急遽ミネアポリスへ駆けつけ、レコーディングに参加しました。2005年後半に作成された仮のトラックリストでは10曲目に配置されていましたが、リリース前の構成変更を経て、最終的に9曲目に収録されました。
Beautiful, Loved And Blessed
本作で大々的にフィーチャーされた、テイマー・デイヴィスとのデュエット曲です。2005年10月6日にペイズリー・パークで基本的な録音が行われました。本作の中で唯一「プリンス feat. テイマー・デイヴィス」と公式にクレジットされた楽曲です。2人の共作であり、第49回グラミー賞にノミネートされるなど高い評価を集めました。当初はプリンスではなく、テイマーのデビュー・アルバム『Milk & Honey』に収録するために制作されたため、初期の仮トラックリストには含まれていませんでした。先行シングル「Black Sweat」のB面にはエンディングが少し異なるバージョンが収録されたほか、テイマーのアルバムにも収録予定でしたが発売直前で中止となっています。
The Dance
ピアノとシンセサイザーの旋律を軸にしたスロー・ナンバーです。元々は2004年に配信されたアルバム『The Chocolate Invasion』に収録されていた楽曲ですが、本作のために2004年後半から2005年にかけて、ペイズリー・パークかロサンゼルスの別荘で新しく録音し直されました。マイテとの別れやマニュエラとの関係を思わせる、複雑な恋の歌詞が綴られています。なお、2015年にTidalなどで『The Chocolate Invasion』がストリーミング配信された際には、この曲だけがトラックリストから削除されています。
Get On The Boat
シーラ・Eがレコーディングに参加した、プリンスによるラテン・ファンクです。正確な録音日は不明ですが、2005年中にペイズリー・パークかロサンゼルスの別荘で録音されたと推測されています。明るいサウンドに乗せて、人種や宗教を問わずに新天地へ向かう船に乗ろうと呼びかける歌詞が特徴です。2005年後半の仮トラックリストに収録されていた段階では、ヴァースがもう一つ多いロング・バージョンでしたが、最終的なリリースに向けて少し短く編集されています。また、この曲のエンディング部分は「Indigo Nights」でも再利用されました。
セールスなど
本作は、全米ビルボードの総合チャートとR&B/Hip Hopチャートの両方で1位を獲得しました。総合チャートでの1位は『BATMAN』以来となります。ただし『BATMAN』はコンセプト・アルバムであったため、プリンスの純粋なスタジオ・アルバムとしては、1985年の『Around The World In A Day』以来となる首位獲得でした。グラミー賞でも最優秀R&Bアルバムを含む5部門にノミネートされています。
プロモーションにも精力的で、「サタデー・ナイト・ライブ」などのテレビ番組に出演しました。特に「ブリット・アワード」では、ウェンディ、リサ、シーラ・Eとともにパフォーマンスを行い、注目を集めました。この共演が契機となり、ウェンディとリサは次作『Planet Earth』にも参加しています。
アルバム発売後には、LAのタワーレコードでの無料ライブや、借りていた別荘でのプライベート・ライブなどを実施しました。NPG Music Clubを閉鎖して新たに3121.comを開設し、香水を販売するなど活動を広げましたが、その一方で私生活においては、この年の5月24日にミネソタ州の裁判所へマニュエラとの離婚届を提出し、離婚が成立しています。これらの活動は、翌年のスーパーボウルでのハーフタイムショーへと繋がっていきました。
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https://people.com/celebrity/princes-wife-manuela-filed-for-divorce/
people.com
トリビア
幻のアルバム・タイトル
当初、本作は『Lotusflow3r』というタイトルで、異なるトラックリストで制作されていました。アートワークも用意されていましたが、最終的に『3121』に変更されました。タイトル曲「3121」のイントロに「From the lotus flower...」という声が入っているのはその名残です。
アートワーク撮影秘話
ジャケットのアートワークは、2005年3月19日に開催された「NAACPイメージ・アワード」のバックステージで急遽撮影されたものです。プリンスはこの時すでに「3121」の数字があしらわれた特注のジャケットを着用し、次作のタイトルを匂わせていました。
授賞式の進行が遅れてプリンスが退屈していたため、長年プリンスを撮影してきたフォトグラファーのアフシン・シャヒディが時間潰しに撮影を提案しました。プリンスはすぐに承諾し、自身のジャケット姿を撮ってほしいと依頼したそうです。
控え室には機材がなかったため、ソファを脇に寄せ、フロアランプを1つだけ引き寄せて簡易的なセットを作りました。スタッフが呼びに来た際、大スターであるプリンスが普通の壁と部屋のランプだけで撮影している光景を見て驚いたというエピソードも残っています。この時の写真を見たデザイナーのサム・ジェニングスが、背中の「3121」の文字と横顔のシルエットが際立つ1枚を選び出し、最終的なアルバム・カバーを完成させました。
2023年にはアートワークなどを手掛けたサム・ジェニングス氏が当時の思い出を投稿しました。
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参考サム・ジェニングスが「3121」制作時の思い出を語る。 #プリンス
続きを見る
36th NAACP Image Awards 2005
3121の記者会見
先行シングル「Te Amo Corazón」のダウンロード版がリリースされた2005年12月13日、ロサンゼルスのリージェント・ビバリー・ウィルシャーで記者会見が行われました。会場には同曲のミュージック・ビデオに出演したミア・マエストロも同席しています(会見の中で彼女は、監督を務めた友人サルマ・ハエックからの直接の電話で出演を即決したと語りました)。
数年間にわたりインディペンデントで音楽をリリースしてきたプリンスですが、この会見の場を借りて、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)と『3121』をリリースするための異例の契約を結んだことを発表しました。かつてのワーナー・ブラザース時代を「奴隷」と表現していたことを踏まえ、再び巨大レーベルと組む理由を記者から問われると、プリンスは「ユニバーサルを奴隷船だとは思っていない」と返答しています。弁護士を呼ばずに自ら交渉を行い、契約書(コントラクト)を作成しないよう求めたことを明かし、「基本的には握手による合意(ハンドシェイク・ディール)だ」と語りました。自身が著作権や原盤権を保有するこの1作限りの契約について、プリンスは「アーティストは皆、こうした契約を結ぶ前に席に着き、フリーグッズの条項やデジタルの権利、そして原盤の所有権など、すべての項目について説明を求めるべきだと僕は言いたい」と語り、他のアーティストたちに向けて提言を行いました。
"I would challenge all artists before they get into these agreements to sit down and ask that every one of these things be explained to them, like free goods clauses, and digital rights, and ownership of masters," Prince said. pic.twitter.com/9eMenSLgq5
— Prince (@prince) March 19, 2021
パープル・チケットのサプライズ企画
アルバムの初回盤には「パープル・チケット」が当たるキャンペーンが封入されていました。チケットを当てたファンは、LAのアンテロ・ロード3121の別荘で開催されたプリンスのプライベート・ライブに招待されました。
香水「3121」を巡る契約違反訴訟
2007年7月、アルバム・タイトルを冠した香水「3121」が発売されました。
しかし翌年の2008年、販売元のレヴェレーションズ・パフューム・アンド・コスメティックス社(Revelations Perfume and Cosmetics Inc.)から、プリンスは契約違反で提訴されてしまいます。同社の主張によると、プリンスは香水のプロモーション活動に協力せず、約束されていた店舗への出演や、予定していたコンサートツアーでのサンプル配布などを行わなかったとのことです。数年にわたる審理の末、ニューヨークの裁判所はプロモーション不履行による損害として、プリンス側に約400万ドルの支払いを命じる判決を下しました。
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https://www.theguardian.com/music/2008/nov/18/prince-sued-perfume-promotion
www.theguardian.com
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Judge: Prince Should Pay $4M In NY Perfume Lawsuit - CBS Minnesota
www.cbsnews.com
映像プロジェクトの頓挫
本作は『3121: The Movie』という映画のサウンドトラックとして構想されており、CDパッケージには「The Music」というサブタイトルがありました。しかし、この映画プロジェクトは中止となっています。
幻に終わったザ・タイムの新作プロジェクト
2004年から2005年にかけて、プリンスとモーリス・デイはザ・タイムの5枚目となるアルバムの制作を進めていました。モーリスの自伝によると、2人は1週間以上スタジオに入り、良好な協力関係のもとで6曲のデモを完成させていたそうです。さらにツアーへの帯同も計画されていましたが、共同制作の条件としてプリンスがエホバの証人への入信を求めたため、モーリスがこれを断り、プロジェクトは中止となりました。この時に制作された楽曲のタイトルは明かされていません。しかし、「Lolita」にザ・タイム特有のスタイルが色濃く反映されている事実を踏まえると、この中止になったプロジェクトのアイデアや楽曲が、『3121』においてプリンスのバージョンとして再利用された可能性も考えられます。
幻となったテイマー・デイヴィスのアルバム
本作で大々的にフィーチャーされたテイマー・デイヴィスですが、彼女のデビュー・アルバム『Milk & Honey』もプリンスとの共同制作で進められていました。すべての楽曲を2人で共作し、プリンス自身が大半の楽器を担当しています。『3121』のCDに封入されたチラシやテレビ出演でプロモーションが行われ、2006年のツアーにはプリンスがギタリストとして帯同しました。しかし、何度かの延期の末にリリースは中止となってしまいます。明確な理由は現在も明かされていませんが、発売直前には日本の音楽誌でインタビューや詳細なクレジット、アートワークまでもが公開されていました。さらに、日本のオンラインストアで予約していた一部のファンには手違いでCDが発送され、実際に幻の作品を手にした人もいたそうです。
「Te Amo Corazón」の譜面公開
2021年、クレア・フィッシャーの息子であるブレント・フィッシャーが、「Te Amo Corazón」の譜面の写真をTwitterで公開しました。
公開された手書きの譜面には、すでにこの世を旅立っているクレア・フィッシャーがアレンジ(編曲)を手掛け、ブレント自身がトランスクリプション(採譜)を担当したことが記されています。ブレントはポッドキャスト番組への出演を告知するこの投稿の中で、父とともにプリンスのために仕事をしたことは、自身のキャリアにおいて最も高い名誉の一つであると振り返っています。
Working with my late father, Clare Fischer, for Prince has been one of the highest honors of my career. Tune in to "Here's to Life with Tori Reid" podcast as I speak on working with the legendary artists such as Prince, Questlove, Elvis Costello, and more! -I.H. pic.twitter.com/qFIE9QffSx
— Brent Fischer (@brentfischer_) June 23, 2021
Super Bowl XLI Presser
翌2007年のスーパーボウル・ハーフタイムショー出演に向けた記者会見でも、プリンスらしいエピソードが残っています。
NFL公式が公開している当時の映像において、プリンスはバンドメンバーを従えてステージに登場しました。そして集まった報道陣に向けて、「噂とは違って、今から僕がいくつか質問を受け付けようと思う」と穏やかに語りかけます。
一人の記者が「プリンス、パフォーマンスすることについて…」と質問を始めた瞬間、プリンスはそれを遮るようにギターの大きなリフを鳴らし、チャック・ベリーの「Johnny B. Goode」の演奏をスタートさせました。プリンスはそのまま『3121』に収録されている「Get On The Boat」など計3曲のミニ・コンサートを披露し、質問には一切答えずに会見を終えています。言葉の代わりに音楽そのもので回答するこのパフォーマンスは、会場のジャーナリストたちをあっけにとらせました。
Music Video / Live Perfomance
「Black Sweat」でプリンスと踊ってる女性はモデルのセレスティナ・デコバ(Celestina Dekoba)[歌手の時はセレスティーナ、wikiはセレスティーナ・アラデコバ(Celestina Aladekoba)で掲載]で、映画『ステップ・アップ』に出演したり歌手としても活動しています。
"Te Amo Corazón"に出演しているのはアルゼンチン出身の女優で歌手のミア・マエストロ(Mía Maestro)で監督はメキシコの女優サルマ・ハエック(Salma Hayek)です。
Lolita (Live at Club 3121, Las Vegas, January 20, 2007)
リリース30周年となる2026年3月21日には2007年1月20日にラスヴェガスのリオ・ホテルで開催されたライブ・パフォーマンスから「Lolita」がアップされました。

