マルティカズ・キッチン / マルティカ
Released:1991/8/27, 2018/1/26 (Cherry Pop) | Label: Columbia Records
Martika's Kitchen (EXPANDED EDITION)
Track List
Disc 1
- Martika's Kitchen (5:09) P
- Spirit (4:38) P
- Love...Thy Will Be Done (5:02) P
- A Magical Place (4:41)
- Coloured Kisses (4:37)
- Safe In The Arms Of Love (5:09)
- Pride & Prejudice (5:12)
- Take Me To Forever (4:35)
- Temptation (4:46)
- Don't Say U Love Me (4:24) P
- Broken Heart (4:33)
- Mi Tierra (4:37)
Disc 2 (EXPANDED EDITION)
- Love... Thy Will Be Done (7” Edit) (4:23)
- Martika’s Kitchen (7” Edit) (4:12)
- Coloured Kisses (7” Edit) (4:08)
- Safe In The Arms Of Love (Edit Version) (3:19)
- Spirit (Radio Edit) (3:56)
- Love... Thy Will Be Done (Prince Mix) (5:58)
- Martika’s Kitchen (Remix 1 Alt. 7” Video Version) (5:00)
- Coloured Kisses (Remix) (4:57)
- Spirit (House Mix) (8:04)
- Martika’s Kitchen (Extended Version) (5:24)
- Spirit (Hip-Hop Mix) (5:01)
- Martika’s Kitchen (Alt. Dub Version) (5:09)
Personnel
Produce
- Prince (as Paisley Park) (1-3, 10)
- Christopher Max (4)
- Clivillés & Cole (5)
- Bob Rosa (6)
- Frankie Blue, Les Pierce (7-9, 11)
- Joe Galdo (12)
Written
- Martika
- Prince, Frankie Blue,
- Martika and Levi Seacer, Jr. (2)
- Prince and Martika (3, 10)
Musician
- Prince (all instruments) (1-3, 10)
- Paul Pesco (guitar) (1, 10)
- C.J. Vanston (additional organ) (1) (additional synthesizer) (3)
- Marlen Landin (background vocals) (1)
- Tony M. (rap) (1)
- Rahsaan Patterson (background vocals) (2, 3, 10)
- Fred McFarlane (keyboard programming & arrange) (2)
- Marlen Landin (background vocals) (2)
- Christopher Max (background vocals) (2)
- Cindy Mizelle (background vocals) (2)
- Karen Bernod (background vocals) (2)
- Steve Real (background vocals) (2)
- Audrey Wheeler (background vocals) (2)
- David Frank (keyboard programming) (10)
アルバム・レビュー
'88年のデビュー・アルバム『MARTIKA』に収録された、青少年のドラッグ問題を提起した「Toy Soldiers」のリアリティある歌詞で、単なるアイドルとは一線を画したマルティカ。
彼女が3年後にリリースした2ndアルバム『Martika's Kitchen』では、C&Cミュージック・ファクトリーのクライヴ&コールや、マドンナのリミックスを手掛けるボブ・ロッサといった当時の人気プロデューサーに加え、プリンスを迎えることでアーティストとしてさらなる高みを目指しました。
90年代のプリンスは自身のレーベル以外のアーティストにも積極的に楽曲を提供・プロデュースしていましたが、1つのアルバムで4曲も提供したのはエリサ・フィオリーロの『I Am』以来のこと。しかも4曲中3曲でマルティカが共作者としてクレジットされている点からも、実りあるコラボレーションであったことが窺えます。
アルバム全体を見渡すと、プリンスの提供曲以外でもマルティカ独自の世界観がしっかりと維持されています。
中東風のエスニック・サウンドに乗せた「A Magical Place」や、クライヴ&コールによるミドルテンポのダンス・サウンド「Coloured Kisses」、オリエンタルな香りが漂う「Pride and Prejudice」、そして正統派バラードの「Take Me To Forever」など、多彩なアプローチを展開。最後はサルサの女王、セリア・クルースを迎えたラテン・ナンバー「Mi Tierra」で華やかに幕を閉じます。アメリカ本国でのセールスは振るわず、結果的に彼女の最後のソロ・アルバムとなってしまいましたが、世界的ヒットを記録し、プリンスが関与した外部アーティストの作品としても非常にクオリティの高い一枚です。
Martika's Kitchen
アヴァンギャルドなMVも印象的な、重厚なビートとねっとりとしたヴォーカルが絡み合うタイトル・トラック。マルティカが初対面のためにペイズリー・パークを訪れた際、プリンスはすでに彼女のためにこの曲の歌詞を書き上げて待っていました。
オールド・スタイルのダブル・ミーニング(二重の意味)を持つ歌詞が特徴です。プリンス自身はこの曲のバック・トラックを気に入り、後に「Work That Fat」(『D&P SDE』収録)と「Boom Box」(未発表)という別の2曲に使い回しています(プリンスのオリジナル・ヴァージョンは2023年の『Diamonds And Pearls Super Deluxe Edition』収録の「Vault Tracks part 2」で公開されました)。
Spirit
当時ポーラ・アブドゥル達にも提供していたような軽快なポップ・ビートが心地よい一曲。
マルティカがかつて出演した劇『Pepper Street』で演じた「スピリット」という役名と、天国の待合室で見習い天使に出会うというストーリーがインスピレーションの源になっています。彼女がロサンゼルスとニューヨークのセッションでヴォーカルや楽器のオーヴァーダブを行い完成させました。
Love… Thy Will Be Done
提供曲の中でもトップクラスの名曲と言えるミディアム・スロー。
映画『Graffiti Bridge』に感銘を受けたマルティカの連絡をきっかけに実現したセッションの中で、彼女が自身の精神的な信念を綴った「祈りの言葉」のノートをプリンスに見せ、それをもとにプリンスが曲を書き上げました。
プリンス自身にとっても自身の哲学を体現するお気に入りの曲となり、'94年にはNPG名義の『Exodus』プロット版でソニー・Tをヴォーカルに据えて録音(未発表)したほか、2012年にはバズ・ラーマン監督の映画『華麗なるギャツビー』のために新録音まで準備していました(権利関係で最終的に除外)。
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参考バズ・ラーマン監督『華麗なるギャッツビー』でプリンスの曲が使用されなかった事を明かす
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2019年に発表された『Originals』では、プリンス自身のヴァージョンを聴くことができます。
Cocteau Twinsのサンプリングと幻の契約
「Love… Thy Will Be Done」の背後で鳴り続ける印象的なシンセ・ループは、プリンスがお気に入りだったコクトー・ツインズ(Cocteau Twins)の楽曲「Fifty-Fifty Clown」からサンプリングされたものです(マルティカのヴァージョンではミックスの奥に配置されていますが、プリンスのオリジナル版やNPG版(未発表)でははっきりと聴き取れます)。
これをきっかけに、プリンスは彼らをペイズリー・パーク・レコードと契約させようと持ちかけたそうです。コクトー・ツインズのベーシスト兼キーボード奏者のサイモン・レイモンドによれば、当時はサンプリングに関する法的な契約が曖昧な時代でしたが、敬愛するプリンスが自分たちの曲を使ってくれたこと自体が光栄であり、お金や印税を要求しようとは思わなかったとのこと。ペイズリー・パークからの契約の話も、当時彼らには別の計画があったため断ったそうですが、'94年に同レーベルが終焉を迎えたことを考えると、その選択は間違っていなかったのかもしれません。
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The Prince song inspired by Cocteau Twins
faroutmagazine.co.uk
Don't Say U Love Me
アルバム終盤で再び紫の世界へと引き込む、プリンス流のニュー・ジャック・スウィング。
マルティカの歌詞を気に入ったプリンスが、彼独自の手法でファンク調に仕立て上げました。録音当時のワーキング・タイトルは"Martika Jam"で、電話越しにアイデアを交換しながらロサンゼルスとニューヨークでオーヴァーダブが行われました。
EXPANDED EDITION
'18年にリリースされたデラックス盤(EXPANDED EDITION)はオリジナル+リミックスの2枚組。
Disc 2にはプリンス関与作が8曲もミックスで収録、そのうち1曲はベスト盤「Toy Soldiers: Best of Martika」に収録されてたプリンスによる6分に及ぶリミックス"Love…Thy Will Be Done (Prince Mix)"が収録されてます。
