アルバム情報
Released:1994/11/22 | Label: Warner Bros.
Track List
- Le Grind (6:44)
- Cindy C. (6:14)
- Dead On It (4:37)
- When 2 R In Love (3:58)
- Bob George (5:36)
- Superfunkycalifragisexy (5:55)
- 2 Nigs United 4 West Compton (7:00)
- Rockhard In A Funky Place (4:30)
Personnel
Written
- Prince
- Prince, Eric Leeds (8)
Additional Musician
- Sheila E. (background vocals) (1) (drum) (7)
- Eric Leeds (saxophone) (1,2,8)
- Atlanta Bliss (trumpet) (1,2,8)
- Boni Boyer (background vocals) (1)
- Cat (background vocals) (1,2,7)
- Susannah Melvoin (background vocals) (8)
Sampled
- "Music Is the Key (House Key)" by J.M. Silk ('85)(Lyrics) (2)
アルバム・レビュー
曰く付きのアルバム
本来は「Sign O' The Times」の次のアルバムとして'87年12月8日にリリースされるはずだった本作はリリース1週間前となる1日に取り止め。
一部に製品盤が流出、またその音源から複製が生産された事で当時最も有名な海賊盤(ブートレグ)となりました。
「Black Album」の代わりに発表されたのが「Lovesexy」という事になります。
この騒動の原因は当時色々言われましたが、以前読んだプリンスのインタビューによれば「あの作曲活動をしていた頃、怒りの感情が強かった。」と述べていたました。つまりこのアルバムをリリースしてしまうと自分の負のイメージが出てしまうのを恐れ”封印”したかった為の処置と考えられます。
7年の沈黙の後に期間限定でリリース
"Alphabet St."のMVで“Don’t Buy The Black Album, I’m Sorry"とメッセージを入れた程リリースを嫌がったアルバムでしたが、7年後の'94年11月に限定盤としてワーナーから正式にリリースされました。
あれ程消極的だったアルバムを発売した最大の理由は、ワーナーとの6枚の契約を完遂し離脱する為と言われた事もありますが、本作のリリースはワーナーと結んだ6枚とは別で、何度か交渉した結果100万ドルで販売契約を結んだと報じられます。
それでもプリンスはこの契約に「精神的に反対」と意思を表明しますが、1994年2月にペイズリー・パーク・レコードを閉鎖およびNPGレコードの事業再生にお金が必要だったと言われています。
「Lovesexy」に唯一収録された"When 2 R In Love"はともかく、メロディ・ラインが殆どなく極限まで削ぎ落としジャム・ソングの"Le Grind"、シンディ・クロフォードの事を歌ったと思われる"Cindy C."では捻りのないストレートなファンク・ナンバー、当時流行り始めたラップを取り入れた"Dead On It"など、スタジオにに籠もって一人黙々と作ったサウンド。
歌詞も前述のプリンスのコメント通り、"Bob George"や"Dead On It"にしてもに、いつもならプリンス流の風刺を利かせたセリフがなく、直球を投げた印象を受けます。
かといってこれが駄作であるかと言えば密室感といい当時プリンスが持っていたエネルギーが溢れたアルバムだと思います。
もしこれがリリースされ「Lovesexy」が未発表だったらと思うと当時の状況は違った形になったかもしれませんね。
そういう"if"を話すのにも面白いアルバムです。
Cindy Cについて
W誌で話したシンディ・クロフォードのインタビューによれば、”当時ニューヨークの14番街にあるNell'sというクラブで友人と踊っていた時、突然、小さな人(little-er person)が来て私と一緒に踊り始めたの。”と最初プリンスと気づかなかったようですが”COOLと思ったわ”と語っています。
その後、誰かから”プリンスがあなたのことを歌った曲があるのを知ってる?私が持っている「ブラック・アルバム」に収録されているんだけど、その中に"Cindy C."という曲が入っていて、私たちが踊っている時にプリンスが何を考えていたのかが判ったわ”と笑いながら話してます。