アルバム情報
Released:1986/3/31 | Label: Paisley Park, Warner Bros.
Track List
- Christopher Tracy's Parade (2:09)
- New Position (2:21)
- I Wonder U (1:40)
- Under The Cherry Moon (2:57)
- Girls & Boys (5:30)
- Life Can Be So Nice (3:12)
- Venus De Milo (1:54)
- Mountains (3:58)
- Do U Lie? (2:43)
- Kiss (3:38)
- Anotherloverholenyohead (3:58)
- Sometimes It Snows In April (6:48)
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince
Arranged
- David Z (10)
Member
- Wendy Melvoin (guitars and vocals)
- Lisa Coleman (keyboards and vocals)
- Bobby Z. (drums and percussion)
- Brown Mark (bass and vocals)
- Matt Fink (Dr.Fink) (keyboards and vocals)
Additional Musician
- Susannah Melvoin (background vocals) (1,5,11)
- Sheila E. (background vocals) (5) (cowbells) (6) (drums) (7)
- Eric Leeds (horns) (5,8)
- Atlanta Bliss (trumpet) (5,8)
- Marie France (french seduction) (5)
- Miko Weaver (guitar) (8)
- Jonathan Melvoin (drums) (9)
- Sandra Francisco (little gypsy girl) (9)
- Craig "Screamer" Powell (Mazarati) (backing vocals) (10)
- Tony Christian (Mazarati) (backing vocals) (10)
- Marr Starr [aka One Gunn, Real Name : Marvin Gunn] (Mazarati) (Keyboards, backing vocals) (10)
- Aaron Paul "Ace" Keith [aka Aaron Keith] (Mazarati) (Keyboards, backing vocals) (10)
- Jerome "Romeo" Cox [aka Romeo Woodson] (Mazarati) (backing vocals) (10)
- Kevin Patrick (Mazarati) (Drums) (10)
- Clare Fischer (Orchestra arranged)
- Brent Fischer (Orchestral player : tympani & percussion)
アルバム・レビュー
衝撃を与えた前作から1年も経たずにリリースされたこのアルバムは、プリンスにとって2作目の主演映画『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』で使用された音楽が収録されていまが、サントラ扱いではなくスタジオ・アルバム扱いとなってます。
(現在は"Music from the Motion Picture Under the Cherry Moon"と記載)
このアルバムは、当時プリンス本人と批評家でハッキリ批評が割れた珍しい作品です。批評家からは”最高傑作”との声も上がり、今でもこのアルバムをトップに上げる方は多いです。
一方プリンスは当時のインタビューで「"KISS"以外は特に誇れるものはない。早く強力なアルバムを作りたい。」と自らアルバムを早く制作し過ぎた事を反省しています。
本人の言った通り、全米で180万枚(それでも十分成功ですが)という数字は”セールス的には”(ここは大事)失敗したと言えます。(ちなみに「Purple Rain」は1,000万枚)
今作の特徴は無駄な部分そ削ぎ落とした非常にソリッドな感じのアルバムでした。
まずなんと言っても全米No.1にもなった"KISS"。
元はブラウンマークがプロデュースしているマザラティに提供するハズだったのですが、渡すには勿体無いと考え引き取ったのは有名な話(代わりに"100 MPH"を提供)で、その経緯もあって楽曲にはマザラティも参加しています。
(クレジットでマザラティは"backing vocals"となっていますが、レコーディングではキーボードやドラムも担当してると言われています)
劇中歌なのでとにかくバラエティ豊富で、冒頭を飾る"Christopher Tracy's Parade"や"Venus De Milo"ではオーケストラを導入、シンプルなドラム&シンセサウンドのファンク・ナンバー"New Position"、ホーン・セクションを上手く利用したソウル・ナンバーの"Girls & Boys"、空飛ぶじゅうたんの上で歌うMVもカッコイイ"Mountains”、そしてラストには屈指の名バラード"Sometimes It Snows In April"・・・どれ一つ欠けても成立しない名曲揃いのアルバムです。
"Sometimes It Snows In April"は'85年にベーシック・トラックが作られたと言われていますが、「The Beautiful Ones プリンス回顧録」によると「For You」の制作前のトラック・リストにクレジットされていたと記載。レコーディングの有無は不明だか楽曲の原型があったという事が判明しました。
映画自体はプリンスが思い描く内容通りに表現しきれずどちらかと言えばB級テイストだった事と、映画に足を引っ張られる形で思うようなセールスは望めませんでしたが、初めて聴いた時の衝撃は今でも忘れられず、その魅力に惹かれて病みつきになっていく1枚で、今でもこのアルバムをベストに上げるファンは多いと思います。
”KISS"に出演したダンサー、モニークのインタビュー
”KISS"に出演したダンサー、モニーク・マネン(Monique Mannen)のインタビュー
Noblemania: The Girl in the Video: “Kiss” (1986)
www.noblemania.com
クレア・フィッシャーの出会い
ザ・ファミリーのアルバム制作時にスザンナを介して知り合ったクレア・フィッシャー。
彼の手腕を気に入ったプリンスは「The Marx Brothers Project」と記されたカセットをクレアに送りアレンジを依頼。オーケストラ・アレンジを施され戻された音源がオーバーダビングされアルバムに反映されました。
↓はクレアと一緒にアレンジに参加した息子ブレントの証言
NAMM 2019: Four who worked with Prince talk about what made him a legend – Orange County Register
www.ocregister.com
【受賞】
Grammy Awards
"Kiss":Best R&B Performance By A Duo Or Group With Vocal
American Video Awards
"KISS":Best Black Video
Edison Awards[Netherlands]
「Parade」:Best International Pop Album
Music Video
プリンスの手書きによる"Mountains"の歌詞
"Mountains"34年後となる2020年5月7日、バック・ボーカルを担当していたスザンナ・メルヴォワンが自身のinstagramにプリンスが書いた手書きの歌詞のメモをアップしました。