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音楽評論家ジョン・ブリーム氏による〈プリンス・セレブレーション2025〉レポート

1975年からスター・トリビューン紙の音楽評論家であり、プリンスの『Prince: Inside the Purple Reign』をはじめレッド・ツエッペリンやボブ・ディランなど様々な書籍を執筆しているジョン・ブリーム氏による〈プリンス・セレブレーション2025〉レポートがアップされました。

かなりの長文なのでポイントを抑える形でまとめます。

プリンス・セレブレーション2025: 良かった点、悪かった点、そして来年へ

Prince Celebration 2025: The good, the bad and next year
Prince Celebration 2025: The good, the bad and next year

www.startribune.com

マリリン・マクネアさんの感想

2016年から毎年参加しているアトランタ出身のマリリン・マクネア(Marilynn McNair)さんは、「ペイズリー・パークに到着するなり、すぐにプリンスの世界に入り込めたのが良かった」と話しました。また、1986年3月3日にファースト・アベニューで行われたコンサートを観られたことに感動したと述べています。
さらに、1989年に録音されたアレサ・フランクリンの「Ain't No Way」のカバーや、1997年に録音された「Love Never Has to Say Goodbye」といった未発表音源を聴けたこと、2002年に開催されたセレブレーションの映像を観られたことなども貴重な体験だったと語りました。
その一方で、「唯一の不満は、これらをいつ手に入れて、何度も聴くことができるのかということだ」と話していました。

未発表曲に関しては長谷川友さんが詳しく解説されています。

2025年のセレブレーションで聴けた未発表音源について|長谷川友
2025年のセレブレーションで聴けた未発表音源について|長谷川友

note.com

ドニー・イングリッシュさんの感想

2000年以降すべてのセレブレーションに参加しているボルチモアのドニー・イングリッシュ(Donny English)さんにとって今年のハイライトは、1995年にロンドンで行われた〈ゴールド・エクスペリエンス・ツアー〉のオープニングコンサートの映像で、Xでは「これは、彼が旅立った後に行われた中で最高のセレブレーションだった」と投稿しました。

今回のセレブレーションに「A評価」を与えたドニーさんは、プリンス・レガシーLLCのロンデル・マクミラン氏とチャールズ・スパイサー氏が参加したパネルディスカッションを振り返り、X(旧Twitter)で「ロンデルとチャールズは、プリンスの遺産を守ることに真剣に取り組んでいる」と投稿。彼はさらに「彼らは、音楽がリリースされない理由について、音楽がいつリリースされるかという答えよりも多くの情報を提供してくれた」と付け加えています。

この点について、セレブレーション常連でニューヨーク出身のリック・アミラティさんは、「彼らが遺産を正しい方向に進めようとしている」と評価しました。前述のマリリン・マクネアさんも、「ロンデルが前に出てきて話してくれたのは良かった。多くの人々に満足感を与え、懸念を和らげた」と語りました。

ジョン氏自身によるランダムなメモと感想

コンサート

ペイズリー・パークでの一晩で、すべてのライブ・パフォーマンスができたのはクールだった。

再結成したザ・ファミリーは、「Mutiny」でファンキーに、「Nothing Compares 2 U」で情熱的に演奏し、ジミ・ヘンドリックスを思わせる装いのジェシー・ジョンソンは力強いギターの腕前を披露しました。


また、モリス・デイはザ・タイムとの楽しいセットで、まるでホームにいるかのように感じさせました。これはNPGがバックを務めた2024年のセレブレーションでの彼のパフォーマンスよりもはるかに改善されていました。

追悼ペペ・ウィリー

2025年6月1日に他界した「ミネアポリス・サウンドのゴッドファーザー」ペペ・ウィリー氏に対し、ジェシー・ジョンソン、モーリス・デイ、そしてプリンス&ザ・レヴォリューションのドラマー、ボビー・Zが賛辞を贈りました。

将来のプロジェクト

『クリード チャンプを継ぐ男』や『ブラック・パンサー』などの作品を手がけたライアン・クーグラー監督ジュークボックス・ミュージカル映画を制作するというニュースは、エキサイティングなものでした。

原文では「The news of a jukebox musical movie helmed by Ryan Coogler was exciting.」と掲載。
ジュークボックス・ミュージカルとは、既存のヒット曲をストーリーに沿って使用するミュージカルのこと。また原文には”プリンス”の文字が無い事から、例えば「Girl 6」の様にプリンスの曲を使っただけの映画の可能性もあります。

また、『Around the World in a Day』のボックスセット*、そして『HITnRUN』の両フェーズのような1枚組アルバムやストリーミング限定曲のリリースが期待されるというニュースも、ファンにとっては朗報でした。ファンは間違いなく、セレブレーションで保管庫からより多くの音楽や映画を鑑賞したいと考えていますからね。

原文では「Also heartening was word of an “Around the World in a Day” boxed set as well as smaller packages, meaning one-disc albums (like “HITnRUN,” both phases) and streaming songs.」と掲載。
先日掲載した記事では「Possibility of ATWIAD reissue soon! 」とBOXが出るとは書かれていませんでした。(リマスターされるとも書かれず詳細は不明)

ファンに耳を傾ける

「Vault and New Releases」パネルは、ファンとプリンス財団(特にマクミラン氏とスパイサー氏)の間で、非常に重要な対面での意見交換の場となりました。
特に興味深かったのは、平均年齢50代のファンたちが、プリンスの音楽がTikTokという新しいプラットフォームを通じて若い聴衆に届けられることに抵抗を示していた点です。

参考プリンスの聖地ペイズリー・パーク・スタジオで〈CELEBRATION 2025〉が開催

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パネルディスカッションに関しては長谷川友さんが詳しく翻訳し掲載されています。

The Purple Steamsさんによる25年セレブのパネルディスカッションまとめ。|長谷川友
The Purple Steamsさんによる25年セレブのパネルディスカッションまとめ。|長谷川友

note.com

非公式イベント

非公式のプリンス・ウィーク中には、多くの非セレブレーションイベントが開催。
カプリシアターでのエイドリアン・クラッチフィールドによる爽快なコンサートをはじめ、DJウィリー・アダムスによるパーティー、マイテ・ガルシアのティーン向け無料ダンスワークショップ、ユニオン・ルーフトップでのDJダドリーDによるイベントなど、多岐にわたる催しが行われました。
また、ミネアポリスのダウンタウン、ラサール・プラザにあるリッチ・ベンソン・コレクションでは、アンドレア・スヴェンソンがキュレーションした記念品によってプリンスの歴史が展示されています。こちらは無料で、年末まで鑑賞可能です。

2026年への考察

プリンスが他界して10年目となる「プリンス・セレブレーション2026」に向けて、さらに大きなステップを踏み出すべき時が来ました。

◯大規模なコンサートの開催
ジャネール・モネイ、H.E.R.、レニー・クラヴィッツといったプリンスに影響を受けたアーティストや、チャカ・カーン、メイヴィス・ステイプルズ、ザ・ファミリー・ストーン(スライの訃報の前の記事)、アース・ウィンド&ファイアーなど、彼に影響を与えたアーティストによるアリーナショーを企画してはどうでしょうか。また、クエストラブによるDJセッションで、未公開のプリンス音源を流すのも良いでしょう。

◯深掘りしたパネルディスカッションやインタビュー
ジョニ・ミッチェル、スティーヴィー・ニックス、あるいはワーナー・ブラザースの重役レニー・ワロンカーのような大物との一対一のインタビューは、新たな視点をもたらすはずです。2019年のセレブレーションで元マネージャーのボブ・カヴァロの話が新鮮だったように、ジミー・ジャムとテリー・ルイスとのインタビューも興味深いでしょう。
さらに、『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』のキャストや監督によるパネルディスカッション、プリンスの元広報担当者たちによるパネルも検討できます。

◯プリンス・コンサート・フィルム・フェスティバルの開催
インディーズ劇場などで、1週間かけてプリンスのコンサートフィルムフェスティバルを開催するのはどうでしょうか。保管庫には数千もの映像があるので、毎日ダブルヘッダーで上映し、一般公開しつつ、セレブレーション参加者は無料で入場できるようにするのです。

おわりに

今回のコンサート映像は、1,300ドルのVIPチケット購入者を大いに魅了しました。
今後は、海外や米国内の遠方からの参加を検討しているファンが、計画を立てれるように重要なコンテンツや大規模イベントについて数ヶ月前から告知を徹底してほしいと願っています。

現状のマーケティングとコミュニケーションは大幅な改善が必要です。
主催者が、盲目的に信じてくれる熱心なファン層だけでなく、新たなオーディエンスを増やしたいのであれば、より多くの詳細情報を早期に共有すべきです。

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