プリンスがこの世を去ってから長期に渡り揉めていた財産について法的に決着した事をCBS NEWSが報じました。
Following 6 year legal dispute, family aims to bring Prince's original music back to Paisley Park - CBS Minnesota
www.cbsnews.com
これまでの状況
昨年から続いたプリンスの財産について簡単にまとめておきます。
2021年8月、プライマリー・ウェーブ社が約半分の権利を取得
プリンスの財産については昨年8月に約半分の権利をプライマリー・ウェーブ社が取得した事が報じられました。
参考プリンスの財産のうち約半分の権利をプライマリー・ウェーブ社が取得
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具体的には6名の異父母兄弟姉妹に分配された財産のうち、タイカ(90%)、オマー・ベイカー(100%)、そして2019年にこの世を去ったアルフレッド・ジャクソン(100%)の権利が売却された事で、ニューヨークの音楽・エンターテインメント会社〈プライマリー・ウエーブ・ミュージック・パブリッシング(Primary Wave Music Publishing)〉が42%の権利を所有することになりました。
一方、残りのシャロン・ネルソン、ノリーン・ネルソン、ジョン・ネルソンの親族3名は権利を持ち続けています。
2022年1月に財産の評価額が確定
プリンスの財産に関しては、2020年に日本の国税庁にあたる内国歳入庁(IRS)が財産を管理しているコメリカ・バンク&トラストに対しプリンスの財産評価額が8230万ドルが低すぎると640万ドルのペナルティを課しました。(IRSはの算定は1億6320万ドル)
コメリカ社はIRSの算定は高過ぎると提訴。2021年6月下旬にIRSとコメリカ社は税務裁判所に1770万ドルで和解した事を報告。
2021年1月に、IRSとコメリカは財産評価を1億5,640万ドル(約179億円)とすることで合意し、相続人もこの数字を受け入れました。
Prince’s estate pegged at $156.4 million in final valuation
www.nbcnews.com
今回の報道
今回の報道は1月に決まった評価額に基づくもので、プリンスの資産は最終的に権利を保持しているシャロン、ノリーン、ジョン3人の相続人と、タイカ、オマー、アルフレッド達3人の持ち分を買い取ったアドバイザーである、L.ロンデル・マクミラン(L. Londell McMillan)氏、チャールズ・スパイサー(Charles Spicer)氏が共同で設立した持ち株会社「プリンス・レガシーLLC」と「プリンス・オート・ホールディングスLLC」(プライマリー・ウェイブ)で、の三者間で分割される判決がくだされました。
プライマリー・ウェイブの弁護士、エリック・マグヌソンは、「我々の目標は、彼らと協力して、50%の所有者としてプリンスの遺産を引き続き築き、成長させることだ」と語っています。
またシャロンは取材に対し、
"We are free at last, thank God almighty, we are free,"
「私達はついに自由になりました、全能の神に感謝する、私達は自由だ」"It's been a long, long grueling six years."
「長い、長い、過酷な6年間でした。」
と述べ、続けて...
"What's the most important thing that you think about when you think of Prince? The music, absolutely, and where is it? It isn't here"
「プリンスといえば、何を思い浮かべますか?音楽よ、絶対に。そしてそれはどこにある?それはここにない」"So were going to bring it back, that's what we're going to do."
「だから、それを取り戻す、それが私達の使命です」
プリンスのデモ音源や未公開曲、ライブ音源、リハーサルやコンサートの様子を収めた画像など数々の貴重な品々は、2017年秋にプリンスの遺産管理人であるコメリカ・バンク&トラストによってペイズリーパークの金庫からハリウッドのイアン・マウンテン社に移されました。
”取り戻す”とはペイズリー・パークの彼の金庫から移された音楽を取り戻したいのか、それとも単にプリンスの音楽を世に送り出したいのか...どちらの意味で話したかは定かではありません。
仮に前者の場合、”あるべき場所に戻す”という気持ちは私も判りますが、アイアン・マウンテンからペイズリーパークに戻したとしても、あの金庫で長期的に品質を維持しセキュリティ対策が万全におこなえるかは疑問が残る所です。
個人的には、管理はこのまま任せて、未発表やリマスターなどに注力してもらいたです。