fDELUXE(元ザ・ファミリー)のメンバーで、ウェンディとは双子の兄弟スザンナ・メルヴォワンがプリンス追悼の意味を込めて”Starfish & Coffee Official”というサイトを立ち上げています。
Starfish & Coffee
"Starfish & Coffee"は日本でも追悼公開されてる映画のタイトルでもある名盤「Sign O' The Times」に収録の1曲で、プリンスとスザンナの二人で作られた楽曲です。
(↓”マペット放送局”より)
公式サイトには二人にとって思い出深いこの曲の'87年当時に書かれた直筆の歌詞も公開されています。
The Story
The Storyには当時の思い出が詳しく掲載されているのでざっくり翻訳しました。
ミネアポリスの秋を、今でもありありと思い出せるわ。空気は水と土の匂いがして……街中に点在する湖からは人影が消えていくの。みんな、秋物のジャケットでギリギリ寒さを凌げるような格好で着込んで、湖の周りを歩いていたわね。私はあの季節が大好きだったし、私の人生の中でも最高に美しかったあの日々を愛していたわ。
長々と語るのはやめて、1986年の秋(もしかしたら ’87 年?)の、ある特別な一日のことについてお話ししましょうか。そう、私がプリンスと一緒に『Starfish & Coffee』を書いた、あの日のことよ。
キッチンテーブルを囲んでいたのは、プリンスと、エンジニアのスーザン・ロジャース、そして私。当時、スーザンと私は毎日彼と一緒に過ごして、レコーディングをしたり、ただ一緒にいたりしていた時期だったわ。プリンスと私は、本当に長い時間を一緒に過ごしたの。スタジオで作業したり、車でミネアポリス中をドライブしながら語り合ったり、音楽を聴いたりしてね。
そういう日々の中で私たちは互いの過去や秘密について語り合ったわ。
ある時、私は彼に「シンシア・ローズ」という名前の、12歳の女の子の話をしたの。姉のウェンディと私は、彼女のことをよく知っていたわ。だって6年間同じ教室で過ごして、さらに通学バスも一緒だったから。私がシンシアという人間を知ったのは、そのバスの中でのことよ。シンシアは自分の世界の外にはあまり関心がない子で、彼女を見ていると、まるで彼女の頭の中がそのまま映し出されているようだったわ。もし彼女が今の時代の学校にいたとしても、きっと当時と同じように、不思議で魅力的で、まるで「宇宙人」みたいな存在だったと思うの。彼女は、並外れたイメージに満ちた別の世界から舞い降りてきたような子だったの。そのイメージの意味を知っているのは彼女だけだったけれどね。
長い間、彼女の”お気に入りの数字”は「12」だったわ。なぜそれを私が知っていたかと言うと、彼女は座席で体を前後に揺らしながら、「今日の好きな数字を知ってる?」って聞いてくるからよ。彼女にとって、こちらがその数字を知っていることはいつも衝撃的だったみたい。私は決まって「うーん、12でしょ?」って答えるの。すると彼女は、言い当てられたことに驚いて、大喜びするのよ。私は彼女がそうやって、恍惚として世界を感じている様子をただ眺めていたわ。
シンシアは「12」という数字がいかに素晴らしくて意味があるかを、何度も何度も話してくれた。私はいつも彼女の問いかけに付き合ってあげたわ。それでも彼女の答えは変わらなくて、結論はいつも同じ。「だって、幸せな気分になるんだもん」。そう言いながら、彼女は湿気で曇ったバスの窓ガラスに、指で数え切れないほどのスマイルマーク🙂を描くの。バスに乗っている間、シンシアは座席で体を揺らしながら、お気に入りの数字を優しくささやいて、ずっと繰り返していたわ。
それから、彼女は朝食に何を食べてきたかも教えてくれたの。その内容が一貫して「ヒトデとおしっこ(STARFISH AND PEE PEE)」だったのよ。私はその組み合わせが全く理解できなかったし、もちろん誰にも理解できなかったわ。クラスのほとんどの子供たちにとって、それが彼女を避ける「決定的な理由」になっていたみたい。クラスの子たちはますます彼女の話を聞きたがらなくなったの。 でも私は、それを愛らしくておかしいと感じていたの。だから、彼女が言いたいことがあれば何でも耳を傾けたわ。それが現実的な話であろうと、数字を愛してスマイルマークを描く心優しい人々が住む、彼女の惑星からの話であろうとね。
6年生の年、私たちは最後の一年を迎えていたの。ある秋の日のバス通学で私はシンシアの様子がどこか違うことに気づいたの。彼女は座席で微動だにせず、静かに窓の外を見つめていたわ。学校に着いてバスが駐車場に入ったとき、シンシアは私の方を向いて、私の目を見て穏やかに聞いてきたの。「特別なことを知りたい?」って。私は胸が高鳴るような気持ちで「知りたい」と答えたの。
バスを降りて数歩歩いたところで、彼女は耳元で言った。
「わたしの好きな数字、何だと思う?」
もちろん私は「12でしょ?」と答えた。
すると彼女は……
「違うよ、20!!!!」それから火星人みたいに目をキラキラさせて、
「だって、すごく幸せな気持ちになるんだもん!」
そう言って、新しいお気に入りの数字「20」を繰り返しながら、グルーチョ・マルクス風のチョット変わった歩き方で去っていったわ。その年は、シンシアと私にとって、どこかおかしくて滑稽な一年だったの。
ある日、私がトイレに行こうと教室を出たときのことよ。個室の一つから水が跳ねる音と、クスクス笑う声が聞こえてきたの。どこか現実味がなく、布の奥で泣いているような、くぐもった笑い声。私は「きっとシンシアだ」とすぐ気づいたの。個室の下を覗くと、やっぱり彼女の靴が見えたわ。
私はドアをノックして「シンシア?」って聞いたわ。返ってくるのはクスクス笑う声だけ。
「そこで何をしてるの?」と私が尋ねると同時に、シンシアは勢いよく個室のドアを開け放ったの。
真っ赤なリンゴを歯に挟んで、髪はずぶ濡れ、顔も濡らした状態で、リンゴを大きくかじって彼女は言ったわ。 「トイレの中で『アップル・ボビング(水に浮かべたリンゴを口だけで取るゲーム)』をしてたの! すっごく楽しいよ! ほら、一緒にやる?」
私は彼女がしていることに驚いて、ゾッとしたわ。
シンシアは動きを止めて、私を見つめたの。それが私たちが視線を交わした最後になったの。
彼女は今まで見たこともないような、曇った表情で考え込んでしまった。シンシアはリンゴを落として私の手を取り、私は彼女を乾かすためにできる限りのペーパータオルを集めたわ。シンシアは一言も発することなく、ただ私の手が彼女の手を拭くのをじっと見つめていたの。これが、25人のクラスの中で、普通の子どもたち(ケヴィン、クリストファー、ウェンディ、スザンナ…)と6年間を共に過ごした、特別な存在・シンシア・ローズの物語よ。
私たちは毎朝、キャスリーン先生の教室のドアの前で挨拶をして一日を始めたの。全員が教室の外に一列に並んで、先生がドアを開けると、一人ずつ先生に挨拶して握手をして、席に着く。学校でのありふれた一日の始まりよ。シンシア・ローズ以外は、私たち全員、ごく普通の子供だったわ。これは私が、プリンスに聞かれるたびに話して聞かせた実話よ。私たちは二人とも、彼女は曲に書く価値があるという意見で一致していたわ。シンシアはとても優しい心の持ち主でしたから。 私たちは二人して、シンシアはまだ生きていて、今でも数字に酔いしれているのかしらって想いを馳せたものよ。数字が彼女を幸せにしていたのは明らかだったから。
ミネソタのあの秋の午後、キッチンテーブルにいた時のことよ。スタジオから階段を上がってきたプリンスが私の隣に座って、シンシア・ローズの話をもう一度、詳しく最初から教えてほしいと言ったの。数時間後、彼は私に「それを書き出してくれないか」と頼んだわ。
プリンスが「この物語を書いてほしい」と言ったあの午後、下のスタジオで何が起きようとしているのか、私には想像もつかなかった。プリンスは、曲が完成するまで下に降りてこないように私に言ったの。 でも、彼が下に行く直前、テーブルの私の隣に座ってこう言ったのよ。
「『おしっこ(Pee Pee)』はナシだな」
そして彼は笑って、「”コーヒー”なら代わりとしてアリかな?」って聞いたの。私も笑って、「ええ、もちろん、もちろんよ」って答えたわ。
10時間後、スーザンが私を呼びに二階へ上がってきた。スタジオに入ると、プリンスはコンソール(調整卓)の前に立って、疲れているけれど優しい笑みを浮かべて言ったわ。
「ほら、できたよ!」って。
その後のことは、歴史が語る通りよ。
Tシャツも販売
またサイトには歌詞の一節が書かれたTシャツやマグカップなども販売。
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Starfish & Coffee Official - Store
starfishcoffeeofficial.bandzoogle.com
色は白・黒・紫の3色でサイズはS・M・L・XL・XXLが用意されています('-')
価格は一着$29.99(送料$25)
うちは2着買ったので送料が$29と少し上がりました。
スザンナ本人は大きく報道しない事を望んでるので詳しくは書かないですが、昨年末辺りからプライベートで大変らしいです。
この活動を通じで余裕が出来る様になればfDELUXEの活動で来日してくれないかな・・・と淡い期待をしています('-')
