スティーヴィー・ニックス / ザ・ワイルド・ハート
Released:1983/6/10 | Label: Modern Records, EMI Records
The Wild Heart: Deluxe Edition
Track List
Disc 1
- Wild Heart (6:09)
- If Anyone Falls (4:09)
- Gate and Garden (4:06)
- Enchanted (3:06)
- Nightbird (5:01)
- Stand Back (4:51) P
- I Will Run To You (3:21)
- Nothing Ever Changes (4:09)
- Sable on Blond (4:15)
- Beauty and the Beast (6:04)
Disc 2 (Deluxe Edition :Rhino 2016)
- Violet and Blue (From "Against All Odds") [Remastered] (5:03)
- I Sing For the Things (4:40)
- Sable on Blond (Alternate Version) (7:36)
- All the Beautiful Worlds (5:40)
- Sorcerer (5:35)
- Dial the Number (4:29)
- Garbo (B-Side) [Remastered] (3:31)
- Are You Mine (Demo) (3:10)
- Wild Heart (Session) (6:36)
Personnel
Produce
- Gordon Perry (1, 3)
- Jimmy Iovine (2, 4, 5, 6, 8-10)
Tom Petty (7)
Written
- Stevie Nicks (1, 3, 4, 9, 10)
- Stevie Nicks, Sandy Stewart (2, 5)
- Stevie Nicks, Prince (6)
- Tom Petty (7)
- Stevie Nicks, Sandy Stewart, Sandy Stewart (8)
Guest
- Prince (keyords [uncredited]) (6)
アルバム・レビュー
フリートウッド・マックのヴォーカリスト、スティーヴ・ニックスのソロ2ndアルバムです。
アルバムに収録されている”Stand Back”はプリンスとスティーヴの共作とクレジットされていますが、この曲の制作経緯を後にインタビューで答えています。
Stand Back誕生エピソード
-
Stevie Nicks' new whirl
www.startribune.com
-
Stevie Nicks Based 'Stand Back' on This Prince Song
www.cheatsheet.com
-
Stevie Nicks Remembers Making ‘Stand Back’ With Prince: ‘Is My Heart Broken? Absolutely’
www.vulture.com
上記の3つの記事を総合すると、スティーヴィーはキム・アンダーソンと結婚し、新婚旅行でサンタバーバラのサン・イシドロ・ランチへ向かう途中、ラジオから流れてきた「Little Red Corvette」に衝撃を受け、『Stand Back』を書き始め、「ねえ、車を停めてテープレコーダーを手に入れなきゃ。これを録音する必要があるから」と言って、小さなテープレコーダーに録音したそうです。
後日、ロサンゼルスのサンセット・サウンド・スタジオでレコーディングをする際、プリンスの電話番号をどうにかして手に入れ(彼女自身は「どうやって見つけたかは聞かないで」と言っています)、「Little Red Corvette」にインスパイアされて曲を作ったことを伝えます。そして、曲のロイヤリティの50%を渡す代わりに、一日だけでも演奏に参加してほしいと依頼しました。
すると、1時間(3つ目の記事では約20分)ほどでスタジオにプリンスが駆けつけ、彼女の曲を聴くと1時間半ほどスタジオに滞在。オルガンのパートをすべて演奏したほか、彼女もはっきりと覚えていないという複数のパートを演奏し、颯爽と帰っていったそうです。
これは「共作」というよりは「インスピレーション」に近い形ですが、スティーヴィーはプリンスに敬意を払い、クレジットこそ掲載されていませんが、彼はこの曲の50パーセントを所有していると話しました。
もう1曲手渡したインストゥルメント曲は...
スティーヴィーはプリンスに「いつか一緒に曲を作れないかな?」と頼みます。するとプリンスは長いインストゥルメンタル・トラックのカセットを彼女に送り、歌詞を書くように誘いました。
"It was so overwhelming, that 10-minute track, that I listened to it and I just got scared," Nicks remembered. "I called him back and said, 'I can't do it. I wish I could. It's too much for me.' I'm so glad that I didn't, because he wrote it, and it became 'Purple Rain.'"
「あの10分の曲は、あまりにも圧倒的で、聴いた瞬間、ただただ怖くなってしまったの」とニックスは回想。
私は彼に電話をかけ直すと、「私にはできないわ。できればいいんだけど。私には(歌詞を書くことは)無理だわ」って伝えたの。
そうしなくて本当によかったと思っているわ。だって彼が書いて、それが「パープル・レイン」になったんだから。
プリンスが"Purple Rain"をそのまま彼女に渡すつもりでいたのか、それとも共演の誘いだったかは判りませんが、彼女が歌詞を書いていたら別の物語が生まれていたかもしれません。