パープル・グレイ / ケリー・グレイ
Released: 2022/2/22 | Label: Lucy Anderson
Track List
- All the Critics Love U in New York (05:58)
- I Would Die 4 U (04:16)
- Kiss (05:16)
- Gotta Broken Heart Again (05:38)
- How Come U Don't Call Me Anymore (04:53)
- Anotherloverholenyohead (05:39)
- Nothing Compares 2 U (05:03)
- The Beautiful Ones (05:20)
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Personnel
Erich Avinger (Mixing / Audio Engineer)
Lucy Anderson (Project Completion)
Written
- Prince
Musician
- Kellye Gray (Vocal)
- Chris Maresh (Bass / Arranger)
- Kyle Thompson (Drums)
- Russell Haight (Tenor Saxophone)
アルバム・レビュー
ケリー・グレイについて
ケリー・グレイ(Kellye Gray)は、テキサス州を拠点に活動したジャズ・ヴォーカリストです。
1990年にアルバム『Standards in Gray』でデビュー。自由奔放で即興性に満ちた独自のヴォーカル・メソッド「Sploosh(スプラッシュ)」を提唱し、後進の指導にも尽力していました。
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Kellye Gray Musician - All About Jazz
www.allaboutjazz.com
アルバムについて
2018年にテキサス州オースティンのスタジオで全8曲を録音した後、彼女は乳がんと診断され、わずか数週間後の2018年12月にこの世を去りました。音源は未完成のまま残されましたが、彼女の親友でありパートナーだったルーシー・アンダーソンらが、ケリーの残したメールやメモを頼りにミックスとマスタリングを行い、彼女の68回目の誕生日(2022年2月22日)に合わせてリリースされました。
選曲は1980年代の代表曲を中心に構成されており、単なる原曲のトレースではない、大胆なリアレンジが施されています。
サビを聴くまでオリジナルを想像できない斬新なアレンジが魅力で、間奏の構成も素晴らしい仕上がりの「All The Critics Love U In New York」を筆頭に、ゆったりと歌い上げる前半部分とボサノヴァ調へと展開する後半部分の緩急が絶妙なバランスを保つ「I Would Die 4 U」。続く「Kiss」では、彼女のヴォーカリストとしての魅力が詰まった妖艶な歌唱を堪能することができます。そして、緩やかに流れる川のようなリズムに身を任せたヴォーカルが印象に残る「Gotta Broken Heart Again」と、聴き進めるごとに彼女の表現力に引き込まれます。
アリシア・キーズによる解釈とはまた違ったアレンジで、パワフルさとエレガントさを両立させた「How Come U Don’t Call Me Anymore」、ヴォーカルはもちろん、ラッセル・ハイトによるサックスの演奏も強い存在感を放つ「Anotherloverholenyohead」。ジミー・スコットのカヴァーにも通じるような深い哀愁が漂うのは、多くのアーティストに歌い継がれてきた名曲「Nothing Compares 2 U」。そして締めくくりの「The Beautiful Ones」は、ムーディなアレンジの中でケリーのヴォーカルに追従するサックスの音色が素晴らしく、楽曲の世界観をより深めています。
一人のジャズ・シンガーが生涯の最後にプリンスの音楽へ捧げた、魂の籠もった渾身のカヴァー集です。
独創的な解釈と深い歌声に触れるほど、彼女の新しい表現をもっと聴きたかったという想いが募ります。