アルバム情報
Released:2007/7/15 (The Mail) 7/24 (Releace) | Label: NPG Records, Columbia | 2019/02/20 (SONY)
Track List
- Planet Earth (5:51)
- Guitar (3:45)
- Somewhere Here On Earth (5:46)
- The One U Wanna C (4:29)
- Future Baby Mama (4:47)
- Mr. Goodnight (4:27)
- All The Midnights In The World (2:22)
- Chelsea Rodgers (5:41)
- Lion Of Judah (4:11)
- Resolution (3:41)
Personnel
Produce, Arranged, Composed, Written
- Prince (credited to Prince and the New Power Generation)
Additional Musician
- Michael B. (drums) (1,2)
- Sonny T. (bass) (1,2)
- Renato Neto (keyboards) (3)
- Mr.Hayes [aka Morris Hayes] (drum,keyboards) (6)
- Sheila E. (percussion) (8)
- Maceo Parker (horns) (8)
- Greg Boyer (horns) (8)
- Mike Phillips (horns) (8)
- Lee Hogans (horns) (8)
- Bria Valente (vocals (1,4,5,6,8,9)
- Shelby J. (vocals) (1,4,5,6,8,9)
- Marva King (vocals (1,4,5,8,9
- Nandy McClean (vocals) ("The Twinz")(1,4,5,8,9)
- Maya McClean (vocals) ("The Twinz")(1,4,5,8,9)
- Cora Coleman-Dunham (drums) (3,4,810)
- Joshua Dunham (bass) (3,4,810)
- Christian Scott (trumpet) (3)
- Wendy Melvoin (guitar,mandolin) (4,7,10)
- Lisa Coleman (keyboards) (4,10)
アルバム・リリースまでの動き
「Musicology」がUSでダブル・プラチナ、「3121」もゴールド・ディスクと好調。
アルバム以外でも、映画『ハッピーフィート』に提供した"The Song Of The Heart"(同アルバムには"Kiss"のカヴァーも😄)がゴールデン・グローブ賞の最優秀オリジナル・ソング賞を授賞(グラミー賞の最優秀ソングライト賞にノミネート)。
そしてファンにとって忘れられないのは2007年2月のスーパー・ボウルではハーフ・タイムショー
歴代最高とも言われるパフォーマンスを披露し表舞台での活動が目立つようになりました。
その一方、長年運営していた会員限定の公式サイトnpgmcが2月に閉鎖し、代わりに3121.comというオープンなサイトを開設。
これまで特別感を味わえていたファンの心理としては少し寂しさが残りました。
アルバム・レビュー
'08年でデビュー30周年となる一つの節目と言えるこの年、「Musicology」でお世話になったコロンビア・ソニーと再び契約した本作は、英新聞「The Mail」の付録にするという大胆な戦略を展開。この件は売上に影響するためコロンビア・ソニーと揉めた様です。
リリース前に一騒動あったものの無事リリースされた本作は、久しぶりにProduce,Arranged,Composed and Performedの欄に"Prince & The New Power Generation"とクレジットされバンド色を強めた作品になっています。また注目は約20年振りにウェンディ&リサがレコーディングに参加しています。
また後にプリンスから全面プロデュースを受けて「Elixir」でデビューするブリア・ヴァレンティ嬢もこのアルバムに参加しています。
静かなピアノのイントロから徐々に高揚していくサウンドと平和を歌う"Planet Earth"は、「Emancipation」辺りに通じるものがありますがオープニングでしかもタイトル・トラックにと言うスタートには少々ビックリしました。
この曲に対しど直球なロックを展開するのが1stシングルの"Guitar"。先行ダウンロード可能だったこの曲を先に聴いていた身としては"Planet Earth"からの流れに初めて通しで聴いた時は戸惑いを感じました。
しかしプリンスのアルバムの場合特に感じられるのは聴き込む程に印象が変わるもので、アナログ盤を意識した微妙なノイズを入れたジャズ・ナンバーの"Somewhere Here On Earth"やウェンディ&リサがギターとキーボードで参加したロック・ナンバーの"The One U Wanna C"、シェルビーJとブリアとプリンスのラップが絡み合うメロウな"Mr. Goodnight"、ウェンディがマンドリンで参加してるシンプルな中にしっかりとアルバムに清涼感を与えているスロウ・ナンバーの"All The Midnights In The World"、終盤ではファンキーなディスコ・チューンでホーン隊と小刻みに入るベースがキャッチーな"Chelsea Rodgers"、軽快なサウンドですが内容は政治色を書いた"Revelation"とバラエティに富んでいます。
ちなみに"Chelsea Rodgers"のMVはファッション・ブランド"マシュー・ウィリアムソン"のステージを借り、謎の女性チェルシー・ロジャースをフューチャーした作品になっています。当時は彼女のサイトまでありましたが、現在はmy spaceやmodel.comに痕跡が残る程度です。
Show Package – London F/W 09: Premier Model Mgmt. – Of The Minute
models.com
10曲というプリンスのアルバムの中では少ない収録曲で構成されたアルバムですが、逆に余分なものをそぎ落としスッキリとした印象が感じられる作品だと思います。
NAACP awardsでのスピーチ
2007年3月2日行われたNAACP (National Association for the Advancement of Colored People)でプリンスは最優秀男性アーティスト(Image Awards Outstanding Male Artist)を受賞。
拍手喝采を受けながら登場したプリンスは「I Just want to give you some food for thought i hope i don't take to much time(ちょっと考えてもらいたいことがあるんだ)」と全員を座らせると、「Imagine holding Planet Earth (想像してごらん...手のひらに地球があるとしたら)」と環境問題を訴え、多くのオーディエンスを感動させました。
後にこの時のメッセージが"Planet Eaeth"の第2ヴァースまでを読んだ事が判りますが、リリース4ヶ月前の出来事なので誰も知る術もありませんでした。
続けてプリンスはあるミュージシャンとの出会いを語りました。
Ladies and gentlemen last week Tavis Smiley introduced me to some really amazing jazz musicians and as much as they were excited to meet me I was more excited 2 meet them mainly because I wanted to give them something that they would cherish forever. All that I could give them was the stage in which I perform.
先週、タヴィス・スマイリーが素晴らしいジャズ・ミュージシャンを紹介してくれたんだけど、彼らが僕に会うのを楽しみにしてくれたのと同じくらい、僕も彼らに会うのを楽しみにしていた。僕が彼らに与えることができたのは、僕が演奏するステージだけだった。And I would just challenge the phone companies and the new digital providers to allow us to be the gatekeepers to steward the new jazz renaissance, hip hop, R&B and soul music in the 21st century rather then the accountants and lawyers who ruined the music industry this first time around.
そして、僕は音楽業界をダメにした会計士や弁護士ではなく、僕たちが21世紀の新しいジャズ・ルネッサンス、ヒップホップ、R&B、ソウル・ミュージックを管理するゲートキーパーになることを許可するよう、電話会社や新しいデジタル・プロバイダーに挑戦したい。I just wanted to give you that food and I hope I didn't take too much of you time.
僕はただ、皆さんその料理(音楽)を与えたかっただけなんだ。
ちなみにこのスピーチの中でタヴィス・スマイリー(Travis Smiley)が紹介したというのが本作で参加しているクリスチャン・スコットで、演奏を気に入ったプリンスはスグに連絡を取り2007年2月24日のアフターショウで共演。(この日はエスペランサ・スポルディングもゲスト参加)
3月にリオ・ホテル内のClub 3121 で"Somewhere Here on Earth"をレコーディングしました。
【受賞】
Grammy Awards
"Future Baby Mama":Best Male R&B Vocal Performance
【2007年の受賞】
Golden Globes Awards
"The Song Of The Heart":Best Original Song - Motion Picture
NAACP Image Award
Outstanding Male Artist
Music Video
"Somewhere Here On Earth"のMVに出演している美女はイタリア生まれの女優マルエラ・アルクリ(Manuela Arcuri)です。
Chelsea Rodgers出演者が当時の事をSNSに投稿
”Chelsea Rodgers”のMVでプリンスの隣(右手側)に座っていたルース・アーゼイト(Ruth Arzate)がTwitterに当時の事を投稿。
ルースは7年程プリンスのもとでイベントプランナー、マネージャー、広報担当者など担当した女性。
MV撮影当日はショーが朝9時だったため6時入りしたそうですが、この時自分もビデオに出演すると知らなかったそうです。(もし出ると知ってたら髪を洗ってただろうとツィートしています)
Yiiikes! Two days ago this video celebrated its 15 year anniversary. If I knew I was going to actually *be* in the video I would have washed my hair. (That’s why it’s stiff, y’all! We got in at 6am to be at the show at 9) Womp womp. 😵 dir: Phil Griffin. https://t.co/QWJGMW0Rad
— YouCantHandleThaRUTH (@ruthlesdva) September 21, 2022
Verizon Wirelessのコマーシャル
"Guitar"はアメリカの携帯会社ベライゾン・ワイヤレスのCMに使用されました。