アルバム情報
Released:2003/6/30 (NPG Music Club download) 7/29 (Releace) 11/21(Victor Entertainment) | Label: NPG Records
Track List
- North (14:00)
- East (14:00)
- West (14:00)
- South (14:00)
Personnel
Produce, Arranged, Composed
- Prince
Written
- Prince
Musician
- John Blackwell (drums)
- Renato Neto (piano, synthesizers)
- Rhonda Smith (bass)
- Eric Leeds (saxophone)
アルバム・レビュー
公式サイトでは初のライブ盤である「ONE NITE ALONE... Live!」をリリースの頃、NPGMCからダウンロード限定で初のインスト・アルバム「Xpectation」を発表、続いてダウンロード・アルバムとして発表されたのが本作です。
新しいNew Power Generationのメンバーは、レナート・ネト、ジョン・ブラックウェル、ロンダ・スミス、そして旧友エリック・リーズで、プリンスはギター、フェンダー・ローズ、デジタル・キーボード、パーカッションを担当しています。
演奏はブックレットに記載された通り2003年2月6日の1日でレコーディングを行いました。
キーボード・マガジンに掲載されたレナートの記事によると、23時頃にレナートの他3人を電話で呼び出すと「よし、4曲、それぞれ15分でやるよ。曲名は"North", "East", "West", "South"だ」それだけ指示し演奏スタート、15分程経ったら停止。2時間後メンバーはスタジオを後にしますが、プリンスは残ってオーバーダビングを行い、数カ月後に完成した作品を聞かせたと語っています。バンド・メンバーはあの時の演奏がアルバムになる事を知らされておらず、結果的に初のレコーディングに参加した事になったレナートは余りの出来事に当時の演奏を覚えていなかったそうです。
驚異的なスピードで制作された本作はnpgmc経由という事から他のアルバム同様ダウンロード限定と思われていましたが、ダウンロードに加えCDでもリリースされました。
名前を隠したマッドハウスはフィジカルでリリースされましたが、前述の「Xpectation」がいダウンロード配信だっただけに一般流通経路(日本ではビクター・エンターテイメント)での販売は予想外でした。改めて"簡単に予想出来ないお方"だなと思います。
エリックのサックスとプリンスのフェンダーのサウンドが交差する心地よいサウンドが魅力的な"North"を筆頭に、中国の二胡の様な弦の響きからスタートしジョンの卓越したドラム・テクニックとロンダのベースが秀逸な"East"、ウェストコーストを連想させるような爽快さが魅力的な"West"、ファンキーなロンダのベースに乗せてレナートの弾むようなキーボード、そして中盤からがらりと様変わりする"South"と、4曲どれをとっても現在のバンド・メンバーとの相性の良さを感じさせる楽曲になっています。
前述のマッドハウスの時とはまた違ったジャジー雰囲気が漂う本作は、プリンス・ファンに新たな一面を体験させた事に加え、ジャズ・アルバムが好きなファンにも気に入られそうな1枚だと思います。(当時大手レコード店ではジャズ部門にも陳列されていました。)
User Review