ジル・ジョーンズ / ジル・ジョーンズ
Released:1987/5/19 | Label: Paisley Park Records, Warner Bros.
Track List
- Intro (Baby, You're A Trip) - Mia Bocca (7:21) P
- G-Spot (4:30) P
- Violet Blue (4:24) P
- With You (4:00) P
- All Day, All Night (5:41) P
- For Love (4:27) P
- My Man (3:15) P
- Baby, You're A Trip (5:23) P
Personnel
Produce, Arranged
- David Z. (Produce)
- Jill Jones (co-produce)
- Prince (co-produce) (1, 5, 6)
- Clare Fischer (orchestral arrangements) (1, 2, 3, 8)
Written
- Prince (4)
- Prince (credited Jill Jones, Prince) (1, 2, 5, 6)
Prince (credited Jill Jones) (3, 7, 8)
Additional Musician
- Prince (all instruments) (1, 2, 3, 5, 6, 7, 8)
- Bobby Z. (drums) (5)
- Brown Mark (bass) (5)
- Wendy Melvoin (guitar) (5)
- Lisa Coleman (keyboards) (5)
- Dr. Fink (keyboards) (5)
- Jellybean Johnson (drums) (6)
- St. Paul Peterson (bass) (6)
- Eric Leeds (saxophone) (3,6)
- Atlanta Bliss (trumpet) (3)
- Bob Minzer (saxophone) (2)
- Chris Hunter (saxophone) (2)
- Roger Rosenberg (saxophone) (2)
- Jim Pugh (trombone) (2)
- Jon Faddis (trumpet) (2)
- Randy Brecker (trumpet) (2)
- Steve Gadd (drums) (4)
- Hugh McCracken (guitar) (4)
- Steve Stevens (guitar) (4)
- Mike Chase (keyboards) (4)
- Rob Mounsey (piano) (4)
- Clare Fischer (Orchestra arranged)
- Brent Fischer (Orchestral player : percussion) (2, 4)
アルバム・レビュー
ペイズリー・パーク・レコード発の女性アーティストとしてはシーラ・Eについで2人目のアーティストとしてリリースされたジル・ジョーンズのデビュー・アルバムです。
ザ・タイムやザ・ファミリー等と違い、今作ではプロデュースをデビュー当時からプリンスを支えているデヴィッド・Zとジルに任せ、プリンスは"Mia Bocca"、"All Day, All Night"、”For Love"の3曲だけコ・プロデュースで参加。
一歩引いた形ですが、初期段階では「My Sex」というタイトルにしょうとまで考えていた程お気に入りのアーティストのアルバムですから、楽曲は全てプリンスの手によるもので、80年代のプリンス・サウンドのエッセンスが全編に散りばめられています。
最終曲"Baby,You're A Trip"のアウトロの部分を1曲目の"Mia Bocca"の冒頭に挿入しアルバム全体を1つの作品に仕上げたのは、ループして聴く事が出来るCDが販売枚数ベースでLPを追い抜いた事を意識した作りになっているのかもしれません。
「Purple Rain」の制作初期の1983年に制作曲でクレア・フィッシャーのストリングス・アレンジを追加しアップデートされた"Mia Bocca"を筆頭に、サウンドは割りとサラっとしてますが歌詞とタイトルがキワドイ"G-Spot"、セルフ・カヴァーする程お気に入りで"Housequake"辺りを連想させる"All Day,All Night"、ジェリービーン・ジョンソンがビートの重いドラムを叩きシーラ・Eっぽいラテンの香りがする"For Love"など、ヴォーカル・ワークも含めプリンスの雰囲気を色濃く反映した一曲に仕上がっています。
「Prince (愛のペガサス)」に収録していたカヴァー曲の"With You"は、スティーヴ・ガットやスティーヴ・スティーヴンス、ヒュー・マクラッケン、ロブ・マウンジーといった豪華なミュージシャンを迎え、オリジナルに近い形で再現しています。
G-Spotについて
"G-Spot"はVanity 6の幻となった2ndアルバムか「Purple Rain」のどちらかに収録を検討された曲で、1983年10月の時点で映画の脚本にタイトルが記載されプリンスが演奏する予定でしたが11月の撮影に入る前に脚本からカットされました。
クレジットは" Jill Jones and Prince"と記載されていますが、キオワ・トレイル・ホーム・スタジオで1983年春にヴァニティ、夏にジルがレコーディングしたと言われてる事からプリンス単独で書いたという噂もありましたが、2023年6月10日に投稿されたジルの発言によれば”決して彼女達の為に作られてものじゃないわ。ちなみに、あの曲は私が書いたの。私達の間で厳密に。歌詞は飛行機で書いた。(It was never meant for them. Btw. I initiated that song. Strictly between us. Lyrics written on plane.)”とジルとプリンスの2人で書いたと証言しています。