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Merci Miles! Live at Vienne / Miles Davis ('21)

ライブ・アット・ヴィエンヌ / マイルス・デイヴィス

Released:2021/6/25 | Lanel : Warner Records, RHINO

Listen on Apple Music

Track List

Disc 1

  1. Hannibal (15:58)
  2. Human Nature (18:10)
  3. Time After Time (10:16)
  4. Penetration (9:01) P

Disc 2

  1. Wrinkle (8:35)
  2. Amandla (6:08)
  3. Jailbait (5:55) P
  4. inale (6:08)

Personnel

Producer For Release

  • Ashley Kahn, Florence Joelle Halfon, Vince Wilburn, Jr.

Written

  • Marcus Miller (1-1, 2-2)
  • John Bettis, Steve Porcaro (1-2)
  • Cyndi Lauper, Rob Hyman (1-3)
  • Prince (1-4, 2-3)
  • Zane Giles, Miles Davis, Randy Hall, Wayne Linsey (2-1)
  • Ricky Wellman (2-4)

Member

  • Miles Davis (tp)
  • Kenny Garrett (alt sax)
  • Deron Johnson (key)
  • Joseph Foley McCreary (b)
  • Richard Patterson (b)
  • Ricky Wellman (dr)

アルバム・レビュー

Black Music Month(正式には”African-American Music Appreciation Month〈アフリカ系アメリカ人音楽を味わい楽しむ月〉”)となる6月に企画されたアルバムで、1991年7月フランスはヴィエンヌで開催されたジャズ・フェスティバル〈Jazz à Vienne〉のライブ音源です。
同年9月28日サンタモニカでこの世を去ってしまったため後年のマイルスを知る貴重なライブとなります。

7月1日から13日に行われたライブの初日に登場、メンバーはマイルス・デイビス、サックスのケニー・ギャレット、デロン・ジョンソン、ジョセフ・"フォーリー"・マクレリー、リッキー・ウェルマン。

setlist.fmによると、この日行われたライブのセット・リストは以下の通り

  1. Perfect Way (Scritti Politti cover)
  2. Star People
  3. Hannibal
  4. Human Nature (Michael Jackson cover)
  5. Time After Time (Cyndi Lauper cover)
  6. Penetration (Prince cover)
  7. Wrinkle
  8. Amandla
  9. Batman Theme (Prince cover)
  10. Drums & Bass

序盤の2曲を覗いた8曲を収録、9曲目は”Batman Theme”ではなく”Jailbait”と思われます。
当初予定されていた席数を大幅に超えたオーディエンスの声からも素晴らしい演奏だった事を物語っています。

ライブではお気に入りだったスクリッティ・ポリッティ(「TUTU」に収録)やシンディ・ローパーなどのカヴァーを披露していますが、18分にも及ぶマイケル・ジャクソン”Human Nature”は圧巻です。

 

プリンスの未発表曲"Penetration"と"Jailbait"を収録

プリンス・ファンとしては未発表曲となった"Penetration""Jailbait"の2曲が収録されている事に注目。(”Wrinkle”では”America”のホーン部が演奏されています。)

"Penetration"と"Jailbait"はそれぞれ"17"と”19"と呼ばれる楽曲で、当初はプリンスの覆面バンド〈マッドハウス(Madhouse)〉の3rdアルバム「24」の為に作曲。"Penetration"はオープニング・トラック、"Jailbait"は3曲目に収録予定で1988年に録音するもプロジェクトが中断され未発表曲となりました。
2曲のうち"Jailbait"はティム・バートン監督映画『バットマン』用に"Batman Theme"として1989年2月15日にペイズリー・パークで再構築。未発表の予告編で使われましたが、最終的にはお蔵入りとなりました。

1991年1月、プリンスは上記2曲と"20"に当たる”A Girl And Her Puppy”をマイルスに提供、プリンスはマイルスが録音したトランペットのパートを追加し送り返すと、同年3月にドイツのバウアー・スタジオで録音されました。

曲を気に入ったマイルスは同年のライブで定期的に披露したのですが、9月28日にこの世を去った事でお蔵入りに。ワーナーは最後の作品となった「Doo-Bop」に同3曲とSign O' The Times Super Deluxe Editionに収録され話題となった"Can I Play With U?"を収録すべくプリンスに許可を求めましたが首を縦に振りませんでした。
理由はプリンスのみぞ知るという事になりますが、やはりマイルスが完結させてないものを出させる訳にはいけないという友情からだと思います。

海賊版などで流出はしてた音源がリリースされたのは、2020年にリリースされたSign O' The Times Super Deluxe Editionで"Can I Play With U?"が正式にリリースされた事が影響したのではないでしょうか。とすると封印された未発表曲も近い将来リリースされるかもしれません。

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