映画情報
Released:1984/7/27(USA) 1985/2/9(JP) | 111 minutes | Productions: Warner Bros.
パープル・レイン ブルーレイ メモリアル・エディション(初回仕様) [Blu-ray]
Cast
| Staff
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レビュー
ストーリー
ミネソタ州ミネアポリスで人気のバンド”ザ・レヴォリューション”のリーダーとして活躍してキッド。ある日、ミュージシャン志望のアポロニア(設定は19才!)が街にやってきます。
お互い惹かれ合うも、父親のDVによる家庭環境の悪化、バンド・メンバーとの不和、ライバルの”ザ・タイム”の頭角といった不安要素から、ライブハウス”ファースト・アベニュー”のオーナーのビリーには横柄な態度を取るなど次第に状況は悪化し、アポロニアの仲も次第に悪い方向へ...
そんな状況の中、最悪の事件が起きます。果たしてキッドは再び光を取り戻すか。
公開当時のプリンスを取り巻く状況
プリンスが映画の構想を考え始めたのは”1999ツアー”中で、脚本を考え出した'83年時点ではアルバムこそ5枚リリースしてますが、デビュー5年目で若干25才という業界ではまだまだ新人レベル。
前年にリリースした「1999」はプラチナ・アルバムを獲得したもののタイトル曲“1999”のビデオ・クリップは、当時白人アーティスト中心だった「MTV」で流される快挙を成し遂げた事でやっと全米での地位を確立したばかり。(マイケルの"Billy Jean"もこの頃)
それ程、黒人に冷たい時代に主演を務めるとなれば盤石な備えをしたい所ですが、主要メンバーはプリンスがプロデュースしてる演技もろくに出来ない歌手ばかり、更に加えて楽曲全てをプリンスと出演アーティストだけという、とても有り得ない状況。(加えて主演女優でプリンスの彼女だったヴァニティは喧嘩して降板。映画『フラッシュダンス』で主役を努めたジェニファー・ビールズにオファーするも断られ、最終的にオーディションで選ばれた当時22歳のアポロニアを採用)
過去に『サタデー・ナイト・フィーバー』や『グリース』そして前年の『フラッシュダンス』等、音楽中心の映画に脚光を浴びた事もありワーナーから制作の許可は下りたものの、大博打の映画になるので大物監督が選ばれる訳もなく、当時"Jazz"という短編映画を撮った経験のある新人のアルバート・マグノリが監督という低予算で制作されました。
よく映画のレビューなんかでは”全米で人気のプリンスさんによる半生を描いた映画”なんて書いてありますが、この状況を日本で置き換えるなら・・・
片田舎で生まれ育った25才の若者が、去年出したアルバム売れた位で調子に乗って地元を舞台に仲良しのミュージシャンと一緒に映画を作った。
という感じに見られていたと思ってもらって大丈夫です!(実際はこれに人種の壁があったからもっと酷いでしょう。)
周囲の予想に反して映画は大成功に
ワーナー側もヒットしないと思い当初全米での放映館も少なく設定(約200館)と冷遇された状況にも関わらず、公開直後に話題を呼び大ヒット!すぐに公開館数も増やされました。
アルバムは、全米R&Bチャートで19週連続1位、全米チャートでも12週連続1位の快挙を成し遂げます。
その上、アメリカだけでもグラミー賞、アメリカン・ミュージック・アワード、アメリカン・ビデオ・アワードと有名音楽賞を受賞。
映画の方もアカデミー賞のサントラ賞も受賞!(受賞こそ逃しましたが"When Doves Cry"はゴールデン・グローブ賞の主題歌賞にノミネート)
1枚のアルバムでアカデミー賞とグラミー賞を同時受賞なんて前代未聞の出来事でした。
これを予想していたのは”成功すると信じて制作したプリンス本人”だけだったと思います。
ストーリーは超ざっくり言ってしまえば”ロック・スターの栄光と挫折&恋愛映画”なんですが、父親のDVに嫌悪感を抱く一方で自分の彼女を殴った際”オレも親父の血を引いてるのか...もしかしたらこうなるかも”という葛藤が見え隠れする辺りは今の時代でも鑑賞に耐えうる作品だと思います。
観てない方は当時の時代背景も含め是非この作品を”先入観抜き”で観て欲しいです。
劇中のダンサーには...
劇中、客席で踊ってるのは後にNPGのメンバーとなるトニー・M、デイモン・ディクソン、カーク・ジョンソンの”ザ・ケームボーイズ(The Game Boyz)”です。
メモリアル・エディション
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