2017年リリースのデラックス盤については「Purple Rain DELUXE」をご覧ください。
アルバム情報
Released:1984/6/25 | Label: Warner Bros.
Track List
- Let's Go Crazy (4:39)
- Take Me With U (3:54)
- The Beautiful Ones (5:13)
- Computer Blue (3:59)
- Darling Nikki (4:13)
- When Doves Cry (5:52)
- I Would Die 4 U (2:51)
- Baby I'm A Star (4:20)
- Purple Rain (8:41)
(上のリンクは2017年リリースのデラックス盤)
Produce,Arranged,Composed
- Prince
Written
- John L. Nelson, Lisa Coleman, Wendy Melvoin & Prince (4)
Member
- Wendy Melvoin (guitars and vocals)
- Lisa Coleman (keyboards and vocals)
- Bobby Z. (drums and percussion)
- Brown Mark (bass and vocals)
- Matt Fink (Dr.Fink) (keyboards and vocals)
Additional Musician
- David Coleman (cello) (2,8,9)
- Novi Novog (violin) (2,8,9)
- Suzie Katayama (cello) (2,8,9)
アルバム・レビュー
全世界に"プリンス"というアーティストの存在を認めさせたと言っても良い程のエポック・メイキング的なアルバムです。
このアルバムは同名映画のサントラとしても有名ですが、他のサントラと違うのはザ・タイムやアポロニア6等プリンス&レヴォリューション以外の劇中で使用されたアーティストの歌が一切収録されていない事です。(発売前は2枚組という噂も流れましたが直前に1枚に変更)
そして本作からプリンス単独ではなく、”プリンス&ザ・レヴォリューション”とバンドのポジションが確立した作品となりました。
プリンスの自伝的映画と言われるこの映画は当初まったく売れないと予想されていましたが、蓋を開けると大ヒットし7000万ドル以上の収益を上げ、興行収入のトップにランキングされるという大成功に終わりました。
全体的なサウンドは"Computer Blue"や"Darling Nikki"の2曲で聞かせる露骨な性描写の粘っこいファンクの曲以外は、「1999」で用いられたロックに近いアルバムになっていて、劇中に合わせた"キャッチーでメロディアス"なサウンドを推し出した事で、より多くのユーザーに受け入れられたのかもしれません。
"Computer Blue"で共作としてクレジットされているJ.L.Nelsonは、プリンスのお父さんで、劇中で父親の楽譜"Father Song"を内包しているからです。(この曲は'17年のデラックス盤に収録)
プリンスの思惑通り映画の先行でリリースされた"When Doves Cry"は初の全米No.1(全英4位)になり1984年に最も売れたシングルという栄冠を手にしました。
(この曲は後にM.C.ハマーの"Pray"でサンプリングされたため再燃)
"1999"の延長線上にある内容のファンク・ロック"Let's Go Crazy"や映画のラストに演奏される8分にも及ぶ超大作の"Purple Rain"....。どれをとっても緻密に計画された正に"売る為に作られたアルバム"と言ってもいいでしょう!
ちなみにこのアルバムは1500万枚以上を売り上げる快挙を達成し、下に記載した数々の栄光も手にしました。
”The Beautiful Ones"の相手は
アポロニアとモーリスが良い感じになっている所で"彼(モーリス)が欲しいのか?それとも俺が欲しいのか?"と歌われる情熱的なラヴ・ソング"The Beautiful Ones"。
劇中ではアポロニアに向けて歌っていますが、一説ではスザンナ・メルヴォインに向けた歌詞とも言われていました。(スザンナは断言はしていませんが、エンジニアのスーザン・ロジャースは認めていました)
ところが、同名タイトルで自伝を書くとなった2015年におこなわれたEbony誌とのインタビューで、ヴァニティであると答えています。
"I was talking to somebody about 'The Beautiful Ones.' They were speculating as to who I was singing about – but they were completely wrong," Prince said.
「"The Beautiful Ones "について誰かと話していたんだ。彼らは僕が誰のことを歌っているのかと推測していたが、それは完全に間違っていた」とプリンスは語っている。
"If they look at it, it’s very obvious. 'Do you want him or do you want me,' that was written for that scene in Purple Rain specifically, where Morris would be sitting with [Apollonia] and there’d be this back and forth. And also, 'The beautiful ones you always seem to lose,' Vanity had just quit the movie."
「見れば一目瞭然だ。"Do you want him or do you want me"は、Purple Rain』のあのシーンのために書かれたもので、モリスが(アポロニア)と一緒に座っていて、行き来するシーンのために書いたものだ。あと、"The beautiful ones you always seem to lose"というのは、ヴァニティが映画を辞めたばかりだったからね」
ですが同時に
”It’s not about somebody human that I’m looking at right now,"
"It wouldn’t have worked if it was. This was literally for that character. And that’s why it worked.「僕が今見ているのは、誰かのことではないよ。」
「もしそうであれば、うまくいかなかっただろうね。これは文字通りあのキャラクターのためのものだった。だからこそうまくいったんだ。」
とあくまで劇中歌として聴いて欲しいようです。
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【受賞】
Academy Awards
「Purple Rain」:Best Music, Original Song Score
American Music Awards
「Purple Rain」:Favorite Soul/R&B Album
「Purple Rain」:Favorite Rock Album
"When Doves Cry":Favorite Soul/R&B Single
American Video Awards
"When Doves Cry":Best Soul Video
Grammy Awards
「Purple Rain」:Best Rock Performance By A Duo Or Group With Vocal
「Purple Rain」:Best Album Of Original Score Written For A Motion Picture Or A Television Special
BRIT Awards[UK]
「Purple Rain」:Best Soundtrack Album
Best International Artist
ASCAP Pop Music Awards
"When Doves Cry"、"Purple Rain"、"Raspberry Beret"、"I Feel For You":Most performed Songs
劇中で使用されたバイク
劇中でも使用されたハーレーっぽいバイクは、ホンダのホークII(CB400T)をベースにフロントカウルやアッパー・ハンドルを装着したアメリカン・タイプです。
Parental Advisory
ペアレンタル・アドバイザリーは、'85年にティッパー・ゴア達「ワシントンの妻達」が中心となり設立した委員会”PMRC(Parents Music Resource Center)”によって制定されたもので、アメリカ合衆国内において未成年者に不適切と認定された音楽作品に全米レコード協会(RIAA)が添付するマークです。
このマークを作るキッカケとなったのは、'84年にティッパー・ゴア上院議員の娘で当時11歳の長女カレナが聴いていた”ダーリン・ニッキー”の歌詞を聴いていた事が原因です。
PMRC - Wikipedia
ja.wikipedia.org
Purple Rainの歌詞をスティーヴィー・ニックスに依頼するも断られる
プリンスは”Stand Back”で共演したスティーヴィー・ニックスに10分に及ぶ”Purple Rain”のインストゥルメンタルを送り歌詞を書いてもらうとしたのですが、余りに凄すぎて断った事も有名な話です。
Stevie Nicks: 'I turned down Prince's offer to write 'Purple Rain' lyrics'
www.nme.com