プリンスが主役を演じた映画『Purple Rain』がブロードウェイでミュージカル化される事が複数のメディアで報道されました。
Prince's 'Purple Rain' Becoming a Stage Musical
variety.com
パープル・レイン
プリンスの代表作の一つとなった映画『パープル・レイン』は1984年7月27日(日本では1985年2月9日)公開。
配給元のワーナーはキャリアの浅いプリンスの主演映画という事もあり全米での放映館も少なく(約200館)設定していましたが、公開直後に話題を呼ぶと公開館数も追加され大ヒットを果たします。
これに呼応する形で同名アルバムは全米R&Bチャートで19週連続1位、全米チャートでも12週連続1位を記録し、アカデミー賞のサントラ賞をはじめ、グラミー賞、アメリカン・ミュージック・アワード、アメリカン・ビデオ・アワードと有名音楽賞を受賞(受賞こそ逃しましたが"When Doves Cry"はゴールデン・グローブ賞の主題歌賞にノミネート)プリンスを語る上で外せない作品となりました。
映画Purple Rain / パープル・レイン[映画] ('84)
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アルバムPurple Rain / パープル・レイン ('84)
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Purple Rain Broadway
40周年記念イヤーに初のミュージカル化
劇場公開から40周年記念イヤーに合わせた形で発表されたミュージカルは、アルバート・マグノリ(Albert Magnoli)とウィリアム・ブリン(William Blinn)による脚本をもとに制作でタイトルは『Purple Rain Broadway』。
舞台化にあたっては、『バンズ・ヴィジット』でトニー賞を受賞、現在は『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』の舞台化をバックアップしているオリン・ウルフ(Orin Wolf)がプロデュース、ピューリッツァーの最終選考に残ったブランデン・ジェイコブズ=ジェンキンズ(Branden Jacobs-Jenkins)が脚本を担当、2022年にリバイバル上演された『The Skin of Our Teeth』を手掛けたトニー賞候補でブランデンの旧友リレアナ・ブレイン=クルーズ(Lileana Blain-Cruz)が演出という万全のスタッフで制作されます。
プロデューサーはVariety誌に寄せた声明は以下のとおり
We can’t think of a more fitting tribute than to honor Prince and the Purple Rain legacy with this stage adaptation of the beloved story.
プリンスとパープル・レインのレガシーに敬意を表し、愛すべき物語を舞台化することほどふさわしいトリビュートはない。We are thrilled with our Broadway partners and creative team, who are bringing a theatricality to the film’s original fictional story. We can’t wait for a new generation to discover Purple Rain and for lovers of the original film and album to experience its power once again, this time live.
ブロードウェイのパートナーとクリエイティブ・チームが、映画オリジナルのフィクション・ストーリーに演劇性をもたらしてくれることに興奮しています。新しい世代が『パープル・レイン』を再発見し、オリジナル映画とアルバムのファンがそのパワーをライブ(舞台)で再び体験するのが待ちきれない。
上映時期に対してはブロードウェイのパートナーと調整中で会場はまだ明らかにされていません。詳細と時期については今後数ヶ月のうちに発表される予定です。
ブランデン・ジェイコブズ=ジェンキンズの記事
Branden Jacobs-Jenkins Has a Few More Changes | The New Yorker
www.newyorker.com
2020年、ブランデンは劇作家のドミニク・モリソーとカトリ・ホールと一緒に写真を撮り、そのグループの中で故郷のヒーローを題材にしたミュージカルを書いていないのは自分だけだと気づいたそう。
Katori Hall wrote the Tina musical, Dominique wrote the Temptations musical,” he recalled thinking. “No one will ever ask me to do a jukebox musical, because I’m from D.C., and, like, no one cares about Roberta Flack. That’s all we have, you know?
カトリ・ホールはティナのミュージカルを書き、ドミニクはテンプテーションズのミュージカルを書いた。「誰も僕にジュークボックスのミュージカルを依頼することはないだろう。僕はD.C.出身だし、ロバータ・フラックなんて誰も興味ないからね。僕らにはそれしかないんだ。」
(取材をした『ニューヨーカー』の記者ジュリアス・ルーカスの父レジー・ルーカスはロバーター・フラックの「The Closer I Get to You」のソングライターの一人)
その後程なくして、プロデューサーがブランデンに連絡を取り、ブランデンと同じく今年40歳を迎える『パープル・レイン』の舞台化を依頼したそうです。
上記の記事でも「The version of Jacobs-Jenkins’s adaptation that I saw retained most of this story but gave its extravagant characters a twenty-first-century makeover(私が見たジェイコブス=ジェンキンズの翻案版は、このストーリーの大部分を残しながら、その贅沢な登場人物たちを21世紀に変身させた。)」と近代的にブラッシュアップはされますが基本ストーリーは踏襲していますが、新しい視点も取り入れられそうです。
Jacobs-Jenkins, too, is rummaging around in the archives, doing restoration work on a narrative that may not have turned out exactly as Prince hoped. “I feel him telling the story in the songs that the script can’t figure out,” he told me. By studying the screenplay, as well as Prince’s breakup with the singer Vanity—who was initially cast in Apollonia’s role—he aspires to write a “Purple Rain” more original than the original, faithful not to the film but to the songs and their “spiritual autobiography.”
ジェイコブス=ジェンキンスもまた、アーカイヴを探し回り、プリンスの望み通りにはならなかったかもしれない物語の修復作業を進めている。「脚本では描ききれない物語を、彼が歌の中で語っているのを感じるんだ。脚本と、当初アポロニアの役で起用された歌手ヴァニティとのプリンスの破局を研究することで、映画ではなく曲とその "精神的自叙伝 "に忠実な、オリジナルよりもオリジナルな『パープル・レイン』を書きたいと考えている。He attempted a similar trick with “Kindred,” Octavia Butler’s time-travelling neo-slave narrative, adding characters inspired by early manuscripts of the novel. The reimagining displeased more than a few of her devotees, but “Purple Rain,” in all its splendid excess, may be a better fit for his method.
彼は、オクタヴィア・バトラーの時間旅行する新奴隷物語である『Kindred』でも同様のトリックを試み、小説の初期原稿にインスパイアされたキャラクターを加えた。この再構築は、彼女の信奉者の少なからぬ人たちを不愉快にさせたが、『パープル・レイン』は、その見事なまでの過剰さが、彼の手法により適しているのかもしれない。
公式サイト
発表に合わせて公式サイトもオープン。
Purple Rain Broadway
purplerainbroadway.com
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